より軽量、よりコンパクト、そしてよりパワフルに
ポルシェが『窒化ガリウム技術』を採用した、世界初の量産対応ハイエンド車載オーディオシステムを市場に投入することを発表。
窒化ガリウム(GaN)というのは、従来のシリコンよりもはるかに高い効率と電力密度を実現する半導体材料だそうで、より小型で軽量なパッケージでより高い性能を発揮する電子システムを可能にするのだそう。
ポルシェはシュトゥットガルト大学との共同開発によって、このGaN技術を初の自動車向けアプリケーションとしてBurmester® 3Dハイエンドサラウンドサウンドシステムに採用するとのことです。

GaNベースの高性能チップが、400ワットのサブウーファーアンプを駆動するために必要な電圧変換を担うとのことで、この技術は2027年に将来のポルシェ車で初めて量産導入される予定。
ポルシェのヴァイザッハ開発センターでオーディオシステムの革新を担当されているSteffen Burosch氏は
「力強い低音は顧客がポルシェに期待する感動的な体験の一部。ポルシェのシステムのパワーリザーブは、自信に満ちたダイナミックなサウンド再生を可能にし、ポルシェのスポーツカーのキャラクターに完璧にマッチしている」
And comment.
「ポルシェにおけるサウンドは純粋な感動そのもの。GaNを使用することで、その体験をさらに高めることができる」とも言われています。
ちなみにこのプロジェクトの一環として開発された技術革新を保護するために、ポルシェは既に複数の特許出願済み。
量産向け新半導体技術
窒化ガリウムは革新的な半導体材料とのことで、1990年代に青色発光ダイオード(LED)への応用が広く知られるように。
現在では、GaNチップはスマートフォンやタブレット向けの小型軽量USB充電器から宇宙衛星まで、幅広い用途で使用されているそうです。
窒化ガリウム(GaN)系半導体スイッチ(一般にトランジスタとして知られる)は、より高いスイッチング周波数を実現、その材料特性のおかげで同等のシリコン系トランジスタに比べてスイッチング損失が大幅に低いそうで、その結果、発熱量が低減されて電圧変換効率が向上するとともに、コンデンサやインダクタなどの電子部品の小型軽量化にもつながるとのこと。
ブルメスター® 3Dハイエンドサラウンドサウンドシステムにも同様のことが言え、GaN半導体は従来のシリコン系半導体に比べて電力変換効率が格段に高いため、エネルギー損失と発熱量が少なくなり、その結果、冷却要件が大幅に軽減されヒートシンクを約20%軽量化できるだけでなく、受動部品も小型化が可能に。
というわけで、アンプ全体が軽量かつコンパクトになるということですね。

さらに環境面でもメリットがあるそうで、エネルギー集約型のアルミニウム製造に必要なアルミニウムの量が削減されるためにアンプ製造時に本来なら発生していたCO₂排出量を削減できるとのこと。
スポーツカーの過酷な条件下で窒化ガリウムの利点を活用するというアイデア自体は、ポルシェが2023年半ばに思いついたそうです。
そして2024年春から、ポルシェのオーディオ、半導体、サステナビリティの専門家チームは、シュトゥットガルト大学の堅牢パワー半導体システム研究所と協力して、GaNベースのサブウーファーアンプの最初のプロトタイプを開発。
ポルシェがGaNイノベーションを推進
ポルシェの戦略的半導体管理責任者であるLars Heuken氏は
「私たちは効率的な電圧変換という根本的な技術的課題に焦点を当てた。スポーツカーでは効率と重量が重要な要素。ポルシェが自ら積極的にイノベーションを推進しているという事実は、私たちがテクノロジーリーダーとしての役割をどのように捉えているかを示す好例である。チームは世界有数のチップメーカーとオーディオ開発パートナーと緊密に連携し、最終的に量産可能なサブウーファーアンプの開発に成功した」
It is said that.
この可能性は計り知れないそうで、これはほんの始まりに過ぎないとのこと。
GaNは電力変換が行われるあらゆる場所で理想的とのことで、ポルシェのスポーツカーには多くの応用分野が考えられ、現在それらをより詳細に調査中だそうです。
この半導体は高電圧システムの電力変換にも使用できるそうで、例えばGaNは電気スポーツカーの高電圧システムにとって特に興味深いものとなるのだとか。
Burosch氏は、特に車載オーディオの分野でさらなる機会を見出していて、すでに次の応用分野を定義しているとも言われています。

ポルシェのオーディオ・オプションには、BOSEとブルメスターがあったりするわけですが、これら2つのメーカーのオプションはそれぞれお値段の差もかなり大きいですが(ブルメスターの方が高い)、それでもそのクオリティの差もかなり大きい(ブルメスターは高いオプション代を支払う価値がある)という話を聞くことも多いです。
それが今回発表されたこの技術を採用することで、ポルシェが「その体験をさらに高めることができる」と言われたブルメスターがどのようなサウンドになるのか、それはちょっと聞いてみたいと興味がわいてきますね^^
と、言いつつ、今までのブルメスターオプションにも価格にひるんで「いや、でもポルシェのエンジン音も聞きたいから、そこまでオーディオにはこだわらなくてもいいし」なんて言い訳を言いつつ、実際にはただ手が出せなかった私に、この新技術搭載できっとさらにお高くなりそうなブルメスター・オプションを付けられる日は来るのでしょうか…(笑)?
Source:(公式)From Lab to Listening: Porsche introduces Gallium Nitride for High-End Audio
