718 ケイマン GT4 RSが気になる日々
718ケイマン GT4 RSが発表されてから、知り合いの方にこのGT4 RSのエンジンはGT3と同じエンジンなのにどうして音が違うのかという理由をさらに教えて頂いたりしました。
そうやって色々と聞いたり、また様々な情報やコンフィギュレーター画面を見ているうちにどんどん気になってきてしまったので、またちょっとGT4 RSの特徴などさらに細かい点などについて追記しておきたいと思います。自分の為に(笑)。
Andreas Preuninger氏が語った、より詳細な718ケイマンGT4RS情報
以下、ポルシェAGのGTカー部門トップのアンドレアス(Andreas Preuninger)さんが語られた内容となります:
その他の情報はこちらに記載しています↓
◆ ポルシェ718ケイマン GT4 RS発表、スペックと国内価格
◆ ポルシェGT部門トップが語る718 ケイマン GT4 RSと911 GT3
- 718 ケイマン GT4 RSのエンジンは992型のポルシェ911 GT3の4リッター水平対向6気筒エンジン (エンジンタイプ MDG.G)
- パワーとトルクはわずかにGT3よりも低め
- 992型に進化した時のエンジンのドライサンプセットアップに再設計があったことで、今回ケイマンGT4 RSにこのエンジンを載せることが可能となった
- 2017年にGTチームは1回限りのプロトタイプを作ったことがあり、それが991.2型のGT3エンジンを981ケイマンに載せたもの
- でもエンジンを取り付ける為にボディに大幅な変更が必要だった
- 問題となっていた箇所はオイルタンクだったので、992型のGT3エンジンはよりコンパクトな複合タンクを備え、ケイマン GT4 RSにも利用できるようにした
- リアのクオーターガラス(後ろの小窓部分)に追加されたエアインテークから取り込まれたエアーは、エンジン真上にあるエアボックスに送られる
- チタン製エグゾーストにはパーティキュレートフィルター(GPF/PPF)が搭載されているが、エンジンの音と音量を犠牲にすることなく機能させる方法が取られている
- 992GT3とGT4 RSのエンジンの唯一の違いはインテークシステムであり、またGT3と比較してスロットルボディが90度傾いて搭載されており、エグゾーストシステムもまったく違うもの
- 911と比べると、GT4の排気ガスはリアドライブシャフトを避け、リアディフューザーの効率を最大化する為に中央のセクションをクリアに保つ必要があり、そのためより複雑なシステム&距離が長くなっている
アンドレアスさんが強調するには:
- GT4 RSはミッドシップであるが故に抑制されている部分がある(GT3に追いつけないのはなぜかという点で)
- ニュルブルクリンクでのラップタイムは速かったものの、それでもGT3よりは遅いタイムである…がそこは気にしていない
- GT4 RSは「RS」というサーキット用に購入したいと考える顧客向けではあるものの、実際にはもっと普段使いも出来る車でもある
- めちゃめちゃ短いギア比でとてもアナログ、最高に楽しむことが出来る
- GT4 RSは2速で9,000回転に達し、これはストリートでも楽しめる設定
- ニュルであと2秒くらい速くすることが出来る可能性もあったが、ストリートでの走りを考慮してその2秒は犠牲にした
- この車を運転した誰もがとても面白いと言う…この「この車がドライバーにもたらす感情」が最も伝えたいことである
- GT3のようなエグゾーストサウンドではなく、吸気音がサウンドを支配する
- GT3では6つのシリンダーが1つのアウトレットにつながり、それにより高回転で高周波数のトーンになるが、GT4 RSではデフューザーのためにエグゾーストをつなぐことが出来ない為、2つの3シリンダーを組み合わせた形になっている
- これは環境にも良く、かつとても良い吸気ノイズによって支配される
- マニュアルトランスミッションが今後「GT4 RSツーリング」として出されることはない。→それは「718 GTS 4.0で」とのこと^^
718ケイマンGT4 RSがポルシェ911 GT3に勝てない理由としては、アンドレアスさんいわく:
- GT3には出来る限りのすべてをつぎこんだ
- GT3はリアアクスルステアリングで、GT4 RSはそうではないという違いは大きい
- GT3はダブルウィッシュボーン・フロントサスペンションだがGT4 RSはそうではない
- もう1つの違いはGT3の電子式のリミテッドスリップデフ (LSD)→GT4 RSには電子式デフ用の油圧パワーパックを設置する為のスペースがない為、機械式デフを使用するしかなかった
- GT3はより大きなダウンフォースを生み出すことが出来、またリアエンジンの車はより幅広いタイヤを装着できる余地がある
- 車を速くするのはエンジンだけではなく、その他の車の様々なものによる
というわけで、911にしか(自分用に購入するという点では)興味がなかった私ではあるのですが、この718 ケイマン GT4 RSについてはとても興味があります。
そもそも、ミッドシップとリアエンジンの乗り比べをポルシェエクスペリエンスセンター東京でさせて頂いた時にも、自分では「私はリアエンジンの方が好き」という結論まで出ているというのに、なぜこんなにもGT4 RSが気になっているのかというと、やっぱりそれはこのモデルが992 GT3のエンジンを搭載しているからなのかな。
自分でも良くわからないのですが「乗ってみたい」という気持ちがすごくあって…もちろん「買いたいです!」と言ったからといってすぐ簡単に手に入るわけではないのですが^^
718 ケイマン GT4 RSの生産は2024年くらいまで
ちなみにアンドレアスさんは「今から2~2年半は作るから、待ってもらえたら欲しい人の手には行き届くと思うよ」とは言われていますが、逆に言ってみれば「2~2年半しか生産しない予定」なわけです。
今の半導体問題等々、ドイツでのコロナ状況悪化等々、まだまだ先が見えないことを考えると、この「2~2年半」というのも、そんなに台数が生産されないうちにあっという間にすぎてしまうことも考えられます。
はぁぁ、悩ましい車です^^!
出典:
◆ Porsche 718 Cayman GT4 RS: new insights revealed
◆ Why the Porsche 718 Cayman GT4 RS Still Can’t Beat the 911 GT3 Around the Nurburgring
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