新型ポルシェ911 GT3 (992.2)がニュルブルクリンク北コースでMTトランスミッションの市販車として最速に：タイムは6:56.294

今までの記録を9.5秒以上縮めた最速記録を樹立

992.2型の新型ポルシェ911 GT3がニュルブルクリンク北コースにて新記録を樹立したとの発表がありました。

この記録はポルシェのブランドアンバサダーのJörg Bergmeister氏によるもので、何といってもびっくりするのが今回の記録はマニュアルトランスミッションのGT3での記録であるということ。

今までの通説では「(今のポルシェくらいの技術搭載のモデルとなると)マニュアルよりもPDKの方が速く走らせることが出来る」であったわけですが、そこをあえてのMT車でのタイムアタックにトライ、実際に記録樹立してしまうとは。

しかも今回のタイムアタックの記録が出される前までの最速タイムよりも9.5秒以上上回るタイムであったとのことで、そのタイムこそが『6:56.294』。

ちなみに今までのマニュアルトランスミッション車での最速記録は2017年にダッジ・バイパーACRが記録した7:01.3というもの。

パフォーマンスに関係するすべてのコンポーネントを大幅に改良したことによってヴァイザッハパッケージ付きのマニュアルトランスミッションの911 GT3は前モデル(992.1)のPDK車よりも3.633秒も速くなったそうで、いや～これ本当に凄い。

ポルシェのGTモデルラインのディレクターであるアンドレアスさん(Andreas Preuninger氏)は顧客から「マニュアルの911 GT3はニュルでどのくらい速く走れるのよ」と聞かれることが結構あったそうなのですが、今回ついにその質問に答えることが出来たと言われています＾＾

PDKの超高速かつ高精度な自動変速機を使わず電子制御式リミテッド・スリップ・ディファレンシャルではなく従来型のリミテッド・スリップ・ディファレンシャルを搭載したにも関わらず新型911 GT3はPDK搭載の先代モデルよりも約3.6秒速かった…と言われつつも、やっぱり「PDK搭載車の方がはるかに速いことは承知している」とも言われているわけですが。

今回のタイムアタックの日は晴れた午後遅くで気温は12度、路面温度27度。

そんななかなか恵まれた状況下においてヴァイザッハパッケージ装備の992.2型911 GT3 (375kW/510hp)は20.832kmのニュルブルクリンク北コースを走行。

前モデルの公式ラップと同様に今回のマシンのタイヤも公道走行可能なN1認証のミシュラン・パイロットスポーツ・カップ2 Rタイヤ(フロント 255/35 R20、リア 315/30 R21)。

今回の公式ラップタイムを記録しようとした時に目標としたタイムは、もちろんその時点でのトップタイム。

ダッジ・バイパーACRのMT車のニュルブルクリンクの短縮版(20.6km)のタイムが7:01.300であったことから、これをフルコース(20.832km)に換算すると約7:05.800…というわけでこれが今回打ち破るべき目標に。

公証人立ち合いのもと、今回の新型911 GT3は6:56.294というタイムで完走したことから、今までのトップタイムの記録を9.5秒以上縮めての記録更新となったということです。

今回この記録を出されたドライバーであるJörg Bergmeister氏いわく、ほぼ全てのコーナーで速さを実感されたとのことで、また、Jörg Bergmeister氏は718ケイマンGT4RS、マンタイキット搭載の718 GT4RS、さらには911 GT3RSなどでの記録を数多く保持されている方であることから、今までのGT3 RSから特にシャシーに関して多くのことを学んだと言われています。

バンプや縁石を乗り越える際の安定性が大幅に向上したこと、またギア比が8%短縮されたことで同じエンジン出力でも加速時にリアの駆動力が明らかに向上したとのこと。

さらには7速PDKであればさらに数秒速かったかもしれないけれど、6速MTだったので今回の最速ラップでより多くの操作を行うことが出来たことからより一層楽しさを感じられたよとも言われています＾＾

出典：
◆(公式)New Porsche 911 GT3 masters the Nordschleife in 6:56.294 minutes
◆2025 Porsche 911 GT3 Weissach Set the Stick-Shift Record at the 'Ring
◆The 992.2-Gen Porsche 911 GT3 Is Now the Quickest Manual Car Around the 'Ring