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2022年のポルシェまとめ:アニュアルレポート2023

投稿日:2023年3月14日 更新日:

2022年は4つの新記録達成、そして『Road to 20』へ

2023年3月13日(月)にポルシェのアニュアルカンファレンスが、オンラインでのライブ中継にて開催されました。

昨年までのアニュアルレポートは以下の通りです:

関連記事
2018年のポルシェまとめ:アニュアルレポート2019
2019年のポルシェまとめ:アニュアルレポート2020
2020年のポルシェまとめ:アニュアルレポート2021
2021年のポルシェまとめ:アニュアルレポート2022

それでは今回のアニュアルリポート2023にて発表された内容を簡単に見ていきたいと思います。

  • 2022年グループ売上高は前年度(331億ユーロ)より13.6%増の376億ユーロ
  • 営業利益は前年より15億ユーロ(27.4%増)の68億
  • グループの納車台数と、自動車のネットキャッシュフローも過去最高を記録
  • グループの売上高利益率は16.0%から18.0%にアップ
  • 2023年はモダンラグジュアリー戦略を推し進め、長期的な利益目標を達成する為に必要な『Road to 20』プログラムを開始

ポルシェCEOのオリバーブルーメ氏は「困難な状況の中で2022年はポルシェの歴史の中で最も強い結果を達成することが出来た、そしてお客様にエキサイティングな新製品たちを提供することも出来た。これはポルシェの素晴らしいチームパフォーマンスの結果」と、ポルシェのチームメンバーたちへの感謝の言葉を語られていました。

  • ウクライナでの戦争、コロナパンデミック、世界的なサプライチェーン問題にも関わらず、ポルシェAGには多くの受注があり2022年には309,884台を納車した
  • 309,884台という数字は前年(2021年)の301,915 台から2.6%増
  • 自動車のネットキャッシュフローは37億ユーロから39億ユーロに増加

ポルシェの副会長兼財務&IT担当取締役のLutz Meschke氏は「私達の成功要因は価格ポジショニングの改善、強力な製品構成、車両販売の増加、為替レートの影響、そして厳格なコスト管理」だと言われています。

ポルシェのRoad to 20とは

今回ポルシェが発表した「Road to 20」というプログラム。

これが一体何かというと、それはポルシェが長期的にグループの売上高利益率を20%以上にすることを目指しているというゴールへ向かい達成する為のプログラムのようです。

  • Road to 20によってポルシェはさらに(困難に対する)回復力があるものとなり、またブランドはより強化されていく
  • 製品の範囲からその価格設定からコスト構造まですべてを新たに見直す
  • 貢献利益の質を高め、製品たちをさらに魅力的なものにする
  • Road to 20は成功を収めたProfitability Program 2025(これによりポルシェは過去数年間の危機への抵抗力を硬化することが出来た)の継続である

限定モデルにフォーカス、Sonderwunschプログラムを拡大

  • ポルシェはモダンラグジュアリー戦略の推進を続けていく
  • コンサルティング会社Brand Financeによるラグジュアリー&プレミアムレポートによると、ポルシェは世界で最も価値のある高級ブランド
  • ポルシェは社会の中で責任を負うブランドとして、優れた製品と顧客のより高いパーソナルエクスペリエンスを組み合わせ提供していく
  • 新しいスポーツカーのコンセプトで製品ポートフォリオを拡大している
  • 限定モデルに注力し、将来的にはSonderwunschプログラムを拡大させていく
  • 今まで以上に顧客の要望やライフスタイルに合わせて、顧客の期待を上回りたいと考えている

ちなみにここで言われている「Sonderwunsch programm(ソンダーバーシュプログラム)」というものが何かというと、顧客がポルシェの専門家と共にワンオフの完全に自分だけのポルシェを作ることが可能になるスペシャルプログラムのこと。

参照記事
ブラックピンクのジェニー仕様のポルシェタイカン 4S クロスツーリスモ
ポルシェでワンオフカーが作れるように。初代カイエンカスタマイズも

フル電気自動車カイエン戦略

  • モダンラグジュアリー戦略と同時に、ポルシェとしては野心的な電動化戦略も継続したいと考える
  • フル電気自動車のマカンは2024年に販売される予定
  • フル電気自動車の718はこの10年の半ばくらいに予定
  • これらに続いてフル電気自動車のカイエンが出される
  • 第4世代のSUVが、ポルシェの2030年までに新車の80%以上を完全なるフル電気自動車にするという目標を明確に示している

カイエンより上位に位置されるフル電気SUV

  • カイエンの上に位置するフル電気自動車SUVによって、製品ポートフォリオを拡大する計画をしている
  • ポルシェの典型的なフライラインを持つこの新しいモデルは車内でのまったく新しい体験と共に、強力なパフォーマンスと自動運転機能を提供するよう設計されている
  • 新SUVモデルはポルシェが開発したSSP Sportプラットフォームに基づく
  • スポーティでラグジュアリーなポジショニングを強調、強化している
  • このセグメントにおいては特に中国と米国でのプロフィットプールの拡大になるものと見ている

参照記事ポルシェ社内で『K1』と呼ばれるポルシェの7人乗りSUV

  • カイエンは2023年中にポルシェの歴史の中でも最も包括的なアップグレードの1つを受ける予定
  • 第3世代モデルのアップデートには、航続距離がさらに伸びた3つのプラグインハイブリッドが含まれる
  • 新しいシャーシにより、能力の幅もさらに広がる:ポルシェが誇るオンロード性能、長距離走行の快適性、オフロード能力
  • 野心的なサステナブル目標も設定していて、戦略の範囲内にて2030年に自社車両のネットカーボンニュートラルなバリューチェーンに向け取り組んでいる
  • これには将来のBEVモデルへのネットカーボンニュートラルも含まれる(1台あたりの総走行距離を20万キロと仮定した場合)
  • 2022年にポルシェはチリにeFuelsのパイロットプラントも立ち上げた
  • これによりeFuelsが工業規模で生産できることを実証した

Sajjad Khan氏が新しいCar-IT部門を引き継ぐ

  • ポルシェのITチームは2023年に大幅に促進する
  • Sajjad Khan(サジャド・カーン)氏が新しいCar-IT執行役員会部門の責任者となる
  • 彼と協力して顧客に焦点を当て、Car-IT部門の戦略を効果的に実施していく
  • 2022年にポルシェはデジタル化においてさらに一歩前進した
  • ポルシェデジタル、MHP、そしてポルシェITの専門知識を組み合わせデジタルファミリーユニットを形成した

優先株式1株あたり1.01ユーロの配当を提案

ポルシェは2022年9月29日にヨーロッパ最大(時価総額の点で)のIPOをしました。

そしてその後すぐ81日後にDAX指数に組み入れられたことを大変誇りに思われています^^

  • 株価はオファー価格の82.50ユーロから114ユーロへ上昇(2023年2月28日時点)
  • これは時価総額1,080億ユーロに相当する
  • 2022年度の普通株あたりの利益は5.43ユーロ、優先株あたりの利益は5.44ユーロ
  • 2022年会計年度について理事会は年次総会に9億1,100万ユーロの配当支払いを検討→これ、英語だと『911 million euros』になるのですよね。911^^
  • これは普通株1株あたり1.00ユーロ、そして優先株1株あたり1.01株に相当

ポルシェの中長期目標

  • 経済的に困難な状況がさらに悪化しない限り、2023年会計年度のグループの売上高利益率は17~19%を予想
  • このガイダンスは約400億~420億ユーロの範囲のグループ売上高に基づくもの
  • 長期的にはグループ営業利益率20%以上を目指している

ポルシェの2023年度

  • ポルシェの2023年には祝うべき2つの理由がある
  • 1つはポルシェスポーツカーの75周年
  • そしてもう1つはポルシェ911の60周年
  • 6月にはル・マン24時間の100周年レースで新しく開発されたポルシェ963で戦う

これからもポルシェは「さらに高いギア」にスイッチしていくとのことです。

以上が簡単にまとめた2023年のアニュアルレポートでした。

今回の発表を受けてざっくりと考えられるのは「よりパーソナライズすることが出来るオプションを増やす、そして価格帯も見直す(値上げ?)」ということが想定されるかなという感じでしょうか。より自分の好きなようにパーソナライズ出来るようになっていくのは嬉しいですが、高くなるのだろうな~。

限定車を出すことにも焦点を当てるようですが、限定車という名前のモデルを出し過ぎることでポルシェ限定モデルという名の価値を下げられないくらいにしてもらえるといいなと願います。

もちろん希少価値が高く、限られた方しか手に出来ない限定モデルはあって良いと思っていますが、せっかくの素晴らしいポルシェですから、その素晴らしいポルシェの性能をもっと沢山の方にも体験して頂きたい…とも思います^^

最後に念の為、今回の発表には以下の免責事項が掲載されていますのでこちらにも転載しておきます。

免責事項

This press release contains forward-looking statements and information that reflect Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG's current views about future events. These statements are subject to many risks, uncertainties, and assumptions. They are based on assumptions relating to the development of the economic, political, and legal environment in individual countries, economic regions, and markets, and in particular for the automotive industry, which we have made on the basis of the information available to us and which we consider to be realistic at the time of publication. If any of these risks and uncertainties materializes or if the assumptions underlying any of the forward-looking statements prove to be incorrect, the actual results may be materially different from those Porsche AG expresses or implies by such statements. Forward-looking statements in this press release are based solely on the circumstances at the date of publication.

We do not update forward-looking statements retrospectively. Such statements are valid on the date of publication and can be superseded.

This information does not constitute an offer to exchange or sell or an offer to exchange or buy any securities.

出典:(公式)Porsche achieves record figures and starts Road to 20 programme

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ブラックピンクのジェニー仕様のポルシェタイカン 4S クロスツーリスモ
ポルシェでワンオフカーが作れるように。初代カイエンカスタマイズも
ポルシェ社内で『K1』と呼ばれるポルシェの7人乗りSUV

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