ポルシェ・ターボチャージングステーションは150kW充電器(今は90kW)
さて、ではいよいよまずはPorsche NOW Tokyoに展示されている最新のポルシェモデルを見ていきたいと思います。
そう、Porsche Now Tokyoに近づいてみると、いきなりお出迎えしてくれているポルシェがこの1台。ポルシェのフル電気自動車であるタイカン(Taycan)です。
そして、充電器も設置されていました。
業務提携されたABB社と開発されるチャデモ急速充電器(CHAdeMO)を見ることが出来る~!!と、興奮しかけたところに(チャデモに興奮なの(笑)?)、ふと視線をタイカンの方に向けると、あ!そこにはポルシェジャパンのプロダクトマネージャーであるアレキサンダー・クワース氏がいらっしゃるではないですか。
なんて、お堅く書いてみたものの実際には「わ~!アレックスさん、お久しぶり~!」とついついはしゃいじゃっての久々の再会^^ 嬉しかったです。
久々の再会からは、アレックスさんに色々と教えて頂きながら、ポルシェタイカンやその充電器について色々と学ばさせて頂きました。
まずはもう1台、外に展示されていたこちらのタイカン・ターボS。そのお隣に設置されているのが、ABB社と業務提携して開発されているチャデモ急速充電器(CHAdeMO)のターボチャージングステーション。
おおお。本当だ、ABBって書いてある~!…って、タイカンを目の前にして、ここに感動しているのは正しいのかな(笑)?
こちらのチャデモ急速充電器、将来的には150kWとなるそうですが、現時点においてはまだ90kWでの対応とのこと。
実際に、充電器を持たせて頂いたのですが、これがなかなか重たい!
ついつい、ガソリンを入れる給油機の気分で持ってしまったので「え、こんなに重たいの」という感じでした。
この充電器を充電口にさしこみ、充電が終わったらブルーの部分の上部にカチって押すボタンがついているので、そこを押してリリース。
で!!これ、すっごい太いのです、充電器のケーブル↓。
急速充電器のケーブルは、速く充電する為に沢山の電力を送る必要があり、そのためには電圧をあげるか、電流を増やすか、またはその両方をするしかない、と。
そこで、ヨーロッパでは高い電圧が認められているそうなのですが、日本では電圧に制限がある為、日本においてポルシェが求める急速充電をする為には、より沢山の電流を流す必要があることから、ケーブルが太くなるのだそうです。
かつ、現在このケーブルは90kW対応ですが、将来的に150kW対応になる時には、このケーブル自体をさらに水で冷やす必要が出てくるので、このケーブルはもっと太くなるそうです。
うーん、それ、めちゃめちゃ太い!
タイカン側の充電ポートはこのような感じに↓。車の左右、両方に充電口があります。
参照記事: ポルシェ・タイカンの充電ポートは車体の両側にあったなんて!
今回、展示されていたタイカンは欧州仕様であった為、今後日本に入ってくる日本仕様とは充電ポートの種類が左右反対です。
日本仕様(右ハンドル)のタイカンの充電ポートは以下のようになります。
- タイカンの右側→普通充電 (タイプ1)
- タイカンの左側→急速充電 (CHAdeMO)
下から上からなめまわすようにタイカンを見せて頂きながら、色々と学べました。楽しすぎるポルシェ時間。幸せ。
ポルシェタイカン実車
さてさて、外でのタイカンと充電器をたっぷりと楽しんだあとには、続いてPorsche NOW Tokyo店内へ。
ん~、こちらにはまたとっても素敵な白のタイカンが~!!!
途中からはアレックスさんによるタイカンのプレゼンテーションがありましたので、そこでまたしっかりとタイカンについての凄さや特徴を学ばせて頂きました。(※この時は一般公開前の機会でしたのでプレゼンテーションがありましたが、通常いつもプレゼンテーションが予定されているわけではありません)
スペックなどはポルシェ公式のタイカンサイトに詳しく掲載されていますので、是非是非、そちらをご参照下さい。航続距離インジケーターなどもあるので、色々見ると楽しいです^^
ポルシェ公式:タイカンのサイトはこちら
タイカンについてのプレゼンテーションして頂いた内容を見ていきたいと思います。
まずボンネット部分は、エンジンがないので低めに作ることが出来ていて、キャラクターライン(ボンネットに入っている凹凸による線)が911を彷彿させる。
電気自動車の敵は空気抵抗
こちらもまたポルシェのキャラクターを決定づける4 灯式ライトの下にはエアインテークが。
これは乱気流が起こりそうなところの空気を、このエアインテークに流し込んで、後ろから出すことによって、空気抵抗をへらしているもの。
というのも、電気自動車ではころがり抵抗よりも、空気抵抗の方が大きくその車の航続距離に影響を及ぼすものになるそうなので、タイカンにおいてはとにかく、いかに空気抵抗をなくすかが考えられて設計されているようです。
20インチ タイカンターボ・エアロ ホイールの秘密
私が今回、たぶん最も驚いたのがこちらでした。これ、全然気づいていなかったし、知らなかった!!!
それはこのホイール。
なんと、このような感じで実はホイールの隙間?に埋められている部分が存在しているのです↓。遠目からみたら、普通にスポークがついているだけのホイールかと思っていました。
でも実際にはこのようにスポークとスポークの間がカバーされていることにより、タイヤ(ホイール)の側面がよりフラットになることから空気抵抗を減らしている、と。
すごい!!ちなみにこちらは『20インチ Taycan Turboエアロ ホイール (オプション:35.9万円)』。
このように、空気抵抗に関してもこだわりぬかれた設計のタイカンは、空気抵抗においてはポルシェ911よりも優れているそうです。
空気抵抗を数値で表すCd値(Constant Drag)は、タイカンが0.22で、ポルシェ911は0.29だそう。
あ、あとこちらのタイカンのブレーキキャリパーはポルシェ・サーフェス・コーテッド・ブレーキ(PSCB)となっていました。
PSCBとは、灰鋳鉄ディスクにタングステンカーバイドコーティング加工が施されていて、性能もさながら、なんといってもブレーキダストが減少するのであまり汚れないという奇跡のブレーキ^^
このPSCBのキャリパーの色は、なんといってもポルシェが「汚れないのよ、ホントに」ということを証明するかのような「白色」ですから~。
サイドからのフライライン(リアの方に向けて流れるようなライン)は、まさにポルシェ。さらにはサイドスカートは車の床面積を覆うようにデザインされているそうで、前からくる空気をリアに向けて綺麗に流せるように設計。
ドアハンドルもポルシェ911(992型)と同じく、走り始めると格納されるタイプなので、ドアハンドルも走行中にはボディに対してフラットになる為、空気抵抗を減らしているそう。
何から何まで考えられていますね^^
そしてリアのデザインも真後ろから見ていると、まるで911を見ているかのようだと。
今のポルシェにあるように、リアのライトも1本線のライトに。
タイカンでは、初めてこのリアのライトストリップがガラス製になっているとのことで、とても綺麗です。その中のPORSCHEのロゴはガラスルック。
近くで見ると「あ、中にガラスのPORSCHEっていう文字が入ってる」という感じに見えます。
タイカンは電気自動車であることから、エグゾーストシステムがない為、リアの下部にはディフューザーのみ。
言われてみれば「確かにマフラーないよね」と改めて思うわけですが、何も言われなければ、意外とマフラーが出ていなくても車って見ていてそんなに違和感がないな、なんて思ったり^^
うるさい車が好きと言いつつ、実は私にこだわりがなさすぎるだけ(笑)?
トランクも開けさせて頂きました。
中にはなにやら可愛いコンセントの絵がかいた入れ物が。めずらしくPORSCHEって文字が入ってない…^^
中にはこのようなケーブルが入っていました。
あとはトランクの右側にシガーソケット。
左右には小さな奥深い、ちょっとしたものを入れるスペースや、めちゃくちゃ小さいネット状になっているポケット?も。なにを入れることを想定しているのかな、ここ…。
あとはテクイプメントのSafty Vestも。ただこの辺りが日本仕様車にもついてくるのかどうかはちょとわかりません。
さて、そして今回のこちらのタイカンの内装に使われていたのは新素材である「OLEAクラブレザー」。
OLEAクラブレザーとはオリーブの葉をなめし工程で使用しているクラブレザー。
実際、このOLEA素材を触らせて頂いたところ、通常の革よりもしっとりしている感触な気がしました。
え?オリーブオイルでなめしていると聞いたことによる先入観でしょ?…うん、たぶんそうだと思います(笑)。単純なので、すみません。…って、なめしているのはオリーブオイルでもなくて、オリーブの葉のエキスだし!!(完全に先入観)
後部座席に乗り込んでみたいと思います。想像以上に低い!
足を置く部分の床下にはバッテリーを配置していないと言われていた通り、足元はすっきり。変に盛り上がっていたりとか、そういうこともありません。
ただ、こうしてのぞきこんでみると「少し狭いかな?」という印象が。
座ってみるとどのような感じか、実際に座ってみました。
結果…このような収まり具合↓
まあ、私だったら問題ないかな~。そんなに「広い!」と感じるわけではないけれど、だからといって「めちゃめちゃ狭い!」と感じるわけでもなく「まあ、これならいいかな」という感じ?
ちなみに私の身長は160cmです。
後部座席に座ってみて「悪くないかな」と思えた理由の1つとして、こちらの屋根の部分がクリアになって外が見えているという開放感があったからというのもあるかと思います。
※大型のティンテッドガラスルーフが屋根になる『固定式パノラミック ・ガラスルーフ』(オプション価格:26.8万円)
どの角度からかわかるでしょうか?この外が見えるようになっている天井部分のおかげで、後部座席の人が感じる開放感(または逆に圧迫感)がかなり変わってくるかと思います。
ちなみにこちらのルーフ、電動で黒くしたりなどはすることが出来ないそうなので、夏などには暑くなるのではないかと思ったのですが、アレックスさんがスペインの28度+くらいの気温の太陽の下で走られた時でも、まったく問題なく車内は涼しかったそうです。
後部座席の中央にあるスクリーンでは、後部座席のエアコンの強さや温度なども制御することが可能。
運転席にも座ってみたいと思います。
車内はなんとも未来感がありますね~。
カップフォルダーは大きめで使いやすそう。さらには、内側が光っているので、これまた未来的。
まだまだ普段、ポルシェ911(991.2)の計器にしか見慣れていない私からすると、このフルデジタルの計器たちは「さすがタイカン、最先端の電気自動車」という気持ちにさせてくれます^^
参照記事(詳細はこちらでどうぞ):ポルシェタイカンの内装・インテリア詳細を見てみる
助手席の方まで続くスクリーンたち…。
※助手席側にも装備される10.9インチタッチスクリーンディスプレイである『パッセンジャーディスプレイ』(オプション価格17.1万円)。
中央のコンソールにもこんなに大きなスクリーンが。なんだかもう、なんでも出来ちゃいそうな気分になります。
ちなみに夫が触ってみたところ、タッチするとブンッという反応が返ってきたと言っていました(クリック感の代わり?)。
運転席から後ろを振り向いてみた景色がこのような感じなのですが↓、リアウィンドウはちょっと見づらいかな?
でもこのリアウィンドウからの視界を、ほぼ全部ウィングでさえぎられているポルシェ911 GT3 とかよりは良いかと思います(笑)↓
さてさて、そして最後にポルシェジャパンの方から(ごめんなさい、お名前聞き取れず)、充電に関してのご説明もありました。
現在、自宅設置用として用意されている充電器も日本国内では最高のものであり、400kmの航続距離分の充電も一晩あれば出来てしまうとのこと。
自宅に充電器が設置できない場合には、このPorsche NOW Tokyoに日本初で設置された急速充電ステーションを利用したり、これから全国各地のポルシェセンター等に設置されていく充電施設を利用して充電することが可能とのことでした。
詳細については、こちらのポルシェ公式サイトに記載があります(今後設置される全国の充電器設置場所リストもあります)。
ポルシェ公式サイト:Porsche E-Performance - Charging
通常の使い方であれば、月に1~2回チャージする為に充電ステーションに行って充電すれば、普段の生活くらいなら問題なく利用できるくらいの感じのようです(1度のフル充電で使い方によって差が出たとしても、約400km前後走ることが出来るので)。
ローリングスタートではタイカンターボSの方がポルシェ992ターボSより速い
あ、忘れないうちに。最後に書いておかなければいけないなと思ったことが1つあります。
先日、タイカンターボSと新型ポルシェ911ターボS(992)ではどちらが速いかという動画についてもこのブログで書かせて頂いていて、その結果としては911の方が速かったのです。
参照記事:タイカンターボSと新型ポルシェ911ターボS(992)
でも…アレックスさんいわく、これがもしローリングスタートだった場合には、タイカンの方が速いのだそう。ぬぬ。そうだったのね。
タイカンの名誉の為にも(?)、ローリングスタートでは911よりもタイカンの方が速い、ということを書いておきたいと思います^^!
実際、物凄い加速をすると言われているタイカン(タイカンの加速性能は1.2Gとなり、パラシュートを開かずに自由落下するスカイダイバーよりも速い加速)
タイカンが試乗できるようになるのは2020年11月頃から
日本では2020年11月頃にポルシェ正規ディーラーにタイカンが入りはじめ、その頃から試乗なども可能になるのでは、とのことでした。
購入された方への納車はまだそれよりも少し先になるわけですが、とりあえずは試乗という形で今年の冬にはタイカンを楽しめる日が来そうですね^^
今回、ポルシェタイカンをこうしてじっくりと見せて頂いて、また色々と知るうちに「うるさくないポルシェはまだいいかな」なんて思っていたというのに、「タイカンなら5人乗り(4+1シート)もあるし、なかなかいいかも」なんて思うようになっていた自分もいました。
そして、先日はポルシェ大使の元F1ドライバーのマークウェバー氏がコンフィギュレーターで作られたドロマイトシルバーメタリックのタイカンを見て「これがいい!」と騒いでいたというのに、実車を色々見ていると、何気にタイカンは白もいいな~なんて思い始めたり。
ああ、もう次々に言っていることが変わってすみません^^。
でもね、本当にそのくらい「実車を見ると自分の想いが変わる」のがタイカンではないかと思いました。
少しでも興味がある方には、必ず1度実車を見て頂きたいと思います。写真よりもカッコイイと思います。
これで、さらにまた試乗できるようになったら、その性能を知ることで、もっともっとタイカンに心奪われる人が増えるのではないでしょうか^^
Porshce NOW Tokyoでのタイカンとの素敵な時間をありがとうございました^^
2020年7月12日(日)からPorsche NOW Tokyoは一般公開となっています(オンライン来場予約は7/13スタート)。
沢山の方がポルシェの電気自動車、タイカンを楽しめますように!!
…また、Porsche NOW Tokyo内にあったその他の出展等については、別途、書きたいと思います。はい、まだ続きます^^
続き→ Porsche NOW Tokyo 04:ポルシェアート、VR体験、その他
Porsche NOW Tokyoの概要:
- オープン期間: 2020年7月9日(木)~
2021年8月31日(火)→オープン期間は2022年1月31日まで延長。 - 場所:東武有明フィールド (東京都 江東区有明一丁目3-25 ※Google Mapはこちら)
- 電話:03-5962-4676
- 営業時間 :11:00~20:00
- 定休日 :なし
- ショールーム面積 :約 289㎡(デッキスペース含む)
- しばらくの間はコロナ感染対策の為、入店制限等あり
- 公式サイト:Porsche NOW Tokyo
関連記事:ポルシェ タイカン (Taycan)についての記事一覧
Porsche NOW Tokyoに関するブログ一覧
◆ Porsche NOW Tokyo 01:ポルシェのポップアップストアに行ってきました~
◆ Porsche NOW Tokyo 02:アクセス (駐車場情報)
◆ Porsche NOW Tokyo 03:タイカンと急速充電ステーション
◆ Porsche NOW Tokyo 04:ポルシェアート、VR体験、その他