富士スピードウェイP7でのドライビングレッスン、砂子塾に参加
目次
この日の私は、朝からポルシェ911(991.2)カレラを運転して、富士スピードウェイに向かっていました。
都内を出る時点でガソリンも満タン。黒カレラはぴっかぴか。
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朝から1人、相変わらず大好きな黒カレラとの楽しいドライブで富士スピードウェイに到着。
入場口で検温などを済ませてから、P7(駐車場)に向かいました。
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FSW P7まで朝から走ってきた理由はただ1つ。ドライビングレッスンである『砂子塾』に参加する為です。
砂子塾は、1番最初は夫が参加していたところを見学するだけから始まり、そのうち夫に強引に参加を申し込まれ「えええ」と言いながらも参加してみたら楽しくって、結局なんだかんだで今回が私にとっては4回目の参加。
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「私は参加しないよ~」と言っていたのに、気づけばもう4回目だし、さらには今までは必ず夫と一緒に参加していたのに、今回にいたっては(予定が合わず)夫はいないというのに、ついに私1人だけでも参加しちゃった。
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今回、1人での参加になるとわかっていたけれど、それでもそれ以上に「行きたい」と思う気持ちの方が強かったのです。
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その理由の1つとしては、今回の開催場所がFSWのP7であったということ。
前回、定常円旋回の練習を筑波サーキットジムカーナ場でした時には、場所の広さの関係から円が小さめでした。
でも、ポルシェ911で走らせるにはもう少し円が大きい方が良いとのことだったので、FSWならもっと大きめに円がとれるからそちらでやってみたくて。
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そしてもう1つの理由は、この参加車両さんたちを見てもわかる通り(って、他の方の目的は違うかもしれませんが^^)、とにかくポルシェの参加が多かったこの日のインストラクターには、荒聖治さんがいらっしゃったから。
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荒さんは現在開催中のレースではBMWに乗られていますが、私にとってみたらポルシェトラックエクスペリエンスのインストラクターさんであり、「ポルシェ911だからこうする」という『黒カレラだからこそ、こう動かす、こういう動きをする』ということを教えて頂けるからです。
そしてまた、この車用語とかも何も理解していない私にも、私がわかるように親切丁寧に教えて下さるので、とってもわかりやすい。
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砂子塾は必ず座学からスタート
朝8:30にまずは座学からスタート。
砂子塾の事務局長であり、かつインストラクターである東風谷(こちや)さんからのご挨拶、そしてこの日の午前中に行う走行練習についての説明がされました。
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なぜ定常円旋回の練習をするのかを理解することが大切
続いては、荒さんから定常円旋回の練習において何を学ぶのか、何を知る必要があるのか、何をどう出来るようになれば良いのか…など、「は~、なるほど~」と思えることを教えて頂きます。
今までの私は定常円旋回をやっても、やっぱりそれは「ただ円をまわって走る」だけで、なぜこの練習をしているのかわかっているようで、実はよくわかっていなかったのではないかと思うのです。
でも前回の砂子塾と、また今回も引き続き教えて頂いたことで「なぜ、定常円旋回の練習をするのか」がわかってきて、そしてそれが理解できてきたからこそ、車の動きをより良く知れるようになってきたのだと思います。
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あ、書き忘れましたが説明の前に参加者の自己紹介もありました。砂子塾に今回が初めての参加の方もいれば、常連さんもいらっしゃいますし、ドライビングについてもまだ初心者寄りの方もいれば、すでにかなりお上手な方も。
自己紹介や説明が終わったあとはさっそく午前中の走行レッスン開始。
今回は4つの走行レッスン場が作られ、そのうちの2つである「定常円旋回」と「オーバル」のところにそれぞれインストラクターさんがついてくれる形式。
「では、始めましょう~」と言われて、参加者各自が準備してスタート出来る人から走行開始となったわけですが、私は自分の準備をしながら他の参加者の方がスタートされるのを見ていて、この日は「絶対に良い日になる」って思ったのです。
だって…この日の最初の1台目の方がスタートされた瞬間がこちらのなのですが…↓
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そのスタートされた時間が、ちょうど朝の9:11だったの!!!ポルシェ911が大好きな私にとって「9:11」という数字は見ると嬉しくなる数字。
私も早く走行開始すればいいのに、ついつい1人車内で「わ、最初の1台目のスタートが9:11だし!なんかもう、それ最高のスタート!!」って、9:11の時間のスクリーンショットとか撮ってる(笑)。
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この日の砂子塾での走行が9:11にスタートになったことを喜んだあとは、私も続いて参加するように黒カレラを発進です。
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この日の午前中は、マニュアルモード(定常円は1速固定、オーバルは2速)、スポーツモードにはしないで、PSM(ポルシェ・スタビリティ・マネージメントシステム)はOFFで走っています。
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タイヤの状態でグリップする力に差
前回の砂子塾では「自分のポルシェ911のフロントタイヤの挙動を知る」ということを学んだので、今回もまず最初は黒カレラのフロントの挙動確認から。
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この時まずは、今回の大きさの定常円の場合において私の黒カレラのフロントタイヤが耐えきれなくなって、ガガガってなり始めるのがどのくらいかを確認したのですが、それがだいたい:
- 右回りの時:時速38~40㎞
- 左回りの時:時速33~35㎞
くらいからだったのです。右回りと左回りの時でずいぶんな差がある~。
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そこで、荒さんに
「右回りと左回りで、フロントタイヤが耐えられなくなる速度がこんなにも違うのですが、これってもうタイヤがつるつるなので、そのつるつる度合いが右の方がよりひどいからでしょうか?」
なんて聞いていました。
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実際、私の黒カレラのタイヤはもうつるつるになっていて「早く変えて下さい」と言われている状態でした。
すでに新しいタイヤは買ってあって、この砂子塾に参加した5日後にはタイヤ交換の予約もしてあったので、近日中にタイヤ交換はするのですが今回はその交換前の最後の最後にタイヤを酷使しに行った感じ^^
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そんな「左回りの方がグリップが悪い」という話をした後、今度は荒さんにお手本走行をしてもらう為、私の黒カレラを運転してもらいました。
教えてもらいつつ、最初は右回りから。
そして、続いて「じゃあ、今度は逆に左まわりで行きますね」といわれて、荒さんが左回りでのドリフトを見せてくれようとした…のですが、「あ、ホントだ。これ、全然右フロントがくわない」と言われ「ダメですね、右フロントがまったくグリップしないので、今日は全部右回りで行きましょう」ということになりました。
というわけで、この日の私は右回りONLY(笑)。
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ちなみにこちらがこの日のフロントタイヤで、こちらが左フロント↓
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こちらが右フロントタイヤ↓
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この写真から見ると、右の方がまだ良いようにも見えるのですが(違う?)、とにかく実際に走ると右フロントが全然グリップしないという状況でした。
ポルシェ911カレラでドリフト練習
で!!!
この「右回りだけで行く」と決めてからは、とにかくこの日やることを1つ1つ積み重ねていきました。
前回フロントタイヤが耐えきれなくなってきた時点でアクセルオフをしたら、ターボ搭載車であることからのタイムラグ待ちで数秒間何もしなければリアが滑るということを体験していたので、今回もまずはそこまでを体験。
関連記事:ポルシェ911を定常円旋回で滑らせられなかった理由がわかりました
その次には、そのリアが滑った瞬間にドリフト開始させるきっかけを作るということで、そこから一気にカウンターをあてながらアクセルON…という『ポルシェ911でドリフトする』を目指しました。
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フロントを耐えさせ、アクセルオフからの数秒待ちの…リアが滑った瞬間にカウンターあてながらのアクセルON…までは何度でも出来るようになりました。
でも、そのあとがどうしてもスピンしてしまうか、ドリフトが始まらずにすぐ終わっちゃうか…の繰り返し。
この原因はリアが滑った瞬間において毎回:
- カウンターをあてるのが遅い
- カウンターのあて方が足りない
- アクセルの踏み込みが足りない
のどれかか理由で出来ていない、と(私の場合)。
そこからまた、言われたことを改善することのみを考えながらも、ひたすらスピンし続けること何回も。
私の車のドラレコは、私の車が大事故にあったのではと勘違いしてそこから録画することも止めてしまったくらい(笑)。
そして!!!
ついに、その時がやってきたのです、ついに、ついに、ついに!!!
リアが滑った瞬間、一気に思いっきりカウンターあてつつアクセルも踏み込んで、そのまま…、わーーーーー!!!ドリフトしてるーーーーーー!!!!!
もう、全っ然感覚が違いました。
初めて体験する自分の運転でのドリフト走行。ポルシェ911が、黒カレラが、今までに感じたこともない動きをして走りました。
「これがドリフト~!!!」
ってもう、大興奮。ほんの一瞬の出来事でしたが、もう感動してそのまま荒さんのところに行って「今!最後!ちょっとだけど出来ましたよね?!」と大喜びでした^^
私は「ドリフト出来ていたのは3メートルくらいかな」って思ったのですが、客観的に外から見てくれていた荒さんが「車2台分くらいはドリフトしていたから、記録としては10メートルくらいだと思います^^」と言って下さったので、私の人生初のドリフト記録は10メートル(公認)としたいと思います(笑)。
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たった10メートルのドリフトでも私には大きな1歩
たった10メートル、されど10メートル。
今までただ車を滑らせたり、スピンさせたりすることはあっても、まだ「1度もドリフト走行出来たことがなかった私」にとっては、10メートルでも一応ちゃんとドリフト走行が出来たということは、本当に本当に大きな出来事で、とにかくもう初めて知る感覚で、あの、なんでしたっけ、ほらあれ、
『人類にとっては小さな1歩だが、私にとっては大きな1歩』
だったのです!!
え?何か内容が違う?そうでしたっけ?まあ、いーのです、だって、本当に私にとってはこの日の体験は大きすぎる1歩だったのですから^^!!!
初のドリフト成功に荒さんも「出来ましたね!」って一緒に喜んで下さって、褒めて頂けて大興奮状態MAXになっていた私は、このまままだまだ練習を続けて、もう少しさらにコツをつかむところまで行きたかったのですが、残念ながらここでランチタイム。
あ~あと2時間くらい続けて練習出来ていたら、もっと何かこう自分の中で進めた気がするので残念でした。
お昼にはお弁当が用意されているので、お弁当を頂きます。座学を行うテントで食べる方もいれば、車で食べる方もいてそれぞれの時間。
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お昼休みの間も、食事をしたり他の方とお話などしていたらあっという間に過ぎてしまって、続いては午後の部がまた座学からスタートです。
午後はコース走行設定での練習
午後は今まで設置されていた定常円などをすべて変えて、P7の広場を全部使った大きな走行コースに変更。
そのコース説明や、どこで何に気をつけて(気にして)走るべきなのか等を教えて頂いてからの走行開始となりました。
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これだけ広い場所を使っていても、定員13台での参加となっていたので、全員で同じコース練習をしても待ち時間はほとんどありません。
とにかく、前についてどんどん走って行けます。
午後のこのコース走行では、私はPSMはOFFのままでスポーツモード&PDKで走りました。
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プロドライバーの同乗走行がいっぱい出来るありがたい環境
東風谷さん、荒さんにもそれぞれ運転してもらっての同乗走行もして頂きましたし、逆に私の運転でお2人にそれぞれ助手席に乗って頂いての走行もさせて頂きました。
運転してもらう時には「ここはこうする」という説明をしてもらいながら、それを実践して見せてくれて、助手席に乗ってもらった時には、私が出来ていないところを確認して「ここはもっとアウトから」とか1つ1つ助言してもらえるので、とっても良かったです。
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言われたことをやっているつもりでも、必ずアンダーになってばかりのコーナーがあったりした時にも乗って頂いて「ここで必ずアンダーになっちゃうのですけど~」と聞けば、さっと「今はスピードが落とせてなさすぎ」とか、その時々で悪いことを指摘してもらえるので、修正していくことが出来ました。
私はコーンを見ると、つい無意識にコーンに寄っていくクセがあるみたいなので(笑)、そういうのも自分で運転しながら「あ~またコーンに吸い寄せられてるな~」ってわかるのに、1人で運転しているとついついその「コーンに吸い寄せられたあとに後悔する」の繰り返し。
でも、同乗してもらっていると「もっとアウトから!」って、コーンに引き寄せられる先に言ってもらえるので、「あ、そうだった、もっとアウト、アウト…」って意識することが出来て直せるというか。
そうやって、わかっていても直せないことが意外と多いのです…って言いたくなりますが、これを言ったら砂子塾長に怒られちゃう^^
だってこれは砂子さんいわく「それはわかっていないということ」であり、まったくもってその通りなのですから。
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待っている間には他の方の走行も見ることが出来たので、他の方の走りを見ることもとても参考になりました。
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この日は朝8:30から始まって、夕方16:00までという1日レッスンだったのですが、感覚としてはあっという間に終わってしまった1日。
16時になって「あとこれが最後の1回です」と言われた時に「ええ、もう終わりなの」って思っちゃった。
走行が終了し、またテントに皆が集まった時に東風谷さんから「まだ走り足りない方います?」って聞かれたのですが、その場では言えなかったけれど、本当はまだまだ全然走り足りてなかった^^
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この日は色々と自分の中での気づきが多すぎて、それを消化するのにまだまだもっと走りたかったかな。
そして、とにかくこうして黒カレラで思いっきり走ることが出来るのが楽しくてしかたありませんでした。
ぴかぴかでこのFSWに到着していた黒カレラも、レッスンが終わった時にはこの通り。
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このあからさまに見えるドロドロなところ以外も、車のサイドはほとんど「黒」ではなくて「茶色」になっちゃってるような感じで、真っ黒…いや、真っ白っていうの?でした^^
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さらにはこの日、車内は結構暑くなったので、定常円の時に両サイドの窓を15cmくらいかな?開けていたのですが、荒さんに運転してもらった時に「じゃあ、ちょっとやりますよ~」って気合のドリフトしてもらった時には、そのスタート時にびちゃっ!って、その15cmくらいの隙間から水が入ってきました(笑)。
私の運転では車内に水が飛ぶくらいの勢いがあったことは1度もなかったと思うのに、さすが…^^
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最後、水を使わせて頂いてひどすぎる汚れだけは流させて頂きました。
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ぶしゃーーーって。これ、楽しい^^
出来ることならもうマイクロファイバークロスをいっぱい持っていっておいて、この場で洗車しちゃいたかったくらい。
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最後にこの日のラップアップがあって、また参加者の皆がそれぞれこの日の感想を一言ずつ発表しました。
皆さま、それぞれに実りあったようで楽しまれていたようです。
私が今回、4回目の砂子塾体験をさせて頂いてわかったことは、砂子塾って二郎系ラーメンみたいだなということ。何その例え(笑)。
つまりは「3回食べて(参加して)みたら、その美味しさがわかる」。
私もそうでしたし、この日参加された他の方もおっしゃっていましたが「最初の参加では何がなんだかよくわからなかった」となることが多いのではないかな、と。
これは砂子塾での教え方が悪いと言っているのではありません。そうではなくて、参加する側の方に最初はたぶん理解度が足りていないので、言われたことをやっていても自分の中で理解しきれていないのではないかと思うのです(※ドライビングレッスン初心者の方の場合の話です)。
それで「よくわからなったからいいや」で終わればそこまで。
でも「よくわからなかったから、もう1回行ってみようかな」となれば、2回目で「あれ、なんだかちょっとわかった?」ってなってきて(でも実はここでもたぶんあまりわかっていない)、3回目で何かをつかめてきて、4回目ではもう「超楽しい!なんかわかってきた!」ってなるというか。
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あ、これはただ単に理解が遅い私だからかもしれまんけど(笑)。
でも、最低3回は参加してみると違いが出てくるのではと思いました。また、とにかくどんどん自分から聞いていく、欲しい情報は取りに行くことが重要だと思っているので、そういうことも回数を重ねるごとに図々しくなっていって、より聞けるようになるのかなと。
…あ、これも私だけ(笑)?
富士スピードウェイの駐車場で約80㎞走る
ちなみに、この日の始まりに「今日1日、このFSW P7でどのくらい走るのかな」と思って、朝の走行がスタートする時点で黒カレラの距離計を0にリセットして、この日のレッスンでの走行距離を測っていました。
朝9:11(私は9:15)からの走行スタートから、最後16:00に終了となるまでの間、私はFSWのP7だけで、なんと驚きの「79.5㎞」もの距離を走っていました。
富士スピードウェイの駐車場で約80キロも走っていたなんて(笑)。
それってなかなか凄くないですか?どれだけ走ったの~。駐車場の中だけで約80km走ったのもたぶん初体験^^
ひたすら、約5時間20分の間走り続けていたわけです。それでもあっという間の時間でしたけれど。
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本当に楽しくて、楽しくてしかたがない1日でした。
今までの中で1番、自分の中で気づきがあった日であり、黒カレラのことがまたさらに理解出来てきたような気がします。
そして言えることは、やっぱり私、この黒カレラが大好きです。
本当にこれ、自分でも変だと思うのですが、好きすぎて苦しくなるくらい好き。
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なぜドリフト練習をするのか
私は「ぐるぐる円を描いてドリフトしたい」ということを目指しているわけではありません。
それでも今、ドリフトすることを目標に練習していたのは、そのすべては「ポルシェ911のことをもっと理解して、より安全に、より楽しく走りたいから」なのだと思います。
ポルシェ911をドリフトさせるということは、それなりにカレラの動きがわかっていなければ出来ないと思っているので、それが出来るようになることで黒カレラのことをさらに理解できるのではと思ってやっているのかな。たぶん。
だから今回、少しでも自分でドリフトすることが出来たことは本当にとっても嬉しかったし、今になってまた黒カレラでこうした初めての体験をすることが出来たことが幸せすぎました。
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「次は半周くらい(ドリフト走行)出来るように頑張りましょう」と言って頂けたので、また次回はがんばって半周くらいは出来るように、そのくらいの間は黒カレラの動きをきちんと理解して制御できるように頑張ろうと思います。
砂子さん、東風谷さん、そして荒さんと、この砂子塾で教えて頂いていることを通して実際に黒カレラで走ることで、どんどんポルシェ911のことが好きになっていきます。
走れば走るほど、知れば知るほど、最高の車です。
東風谷さん、荒さん、砂子塾のスタッフの皆さま、一緒に走らせて頂いた参加者の皆さま、ありがとうございました^^
砂子塾への参加にご興味がある方はこちらから:砂子塾長.com