ポルシェによる2022年の振り返り
毎年年始にポルシェが昨年度の振り返りをされていますので、今回もまたポルシェによる2022年の振り返りを見てみたいと思います。
この振り返りを見ると「ああ、そんなこともあったな。あれはまだ昨年のことだったのか」などと懐かしさを感じたり、またそれと同時にポルシェにとってこの1年において何が特に重要な出来事として位置づけられていたのかがわかるので、私はこの振り返りを見るのが好きだっりします。
では見てみたいと思います。
ポルシェ 2022年1月
タイカンが最大高低差移動でギネス記録
タイカンがギネス記録を作ったニュースから始まる2022年の振り返りとなりました。
まだ記憶に新しい方もいらっしゃるかと思いますが、これはタイカンが「最大の高低差を移動した電気自動車」としてのギネス記録。
その高低差は『4,842.967メートル』というもので、アメリカで車がアクセスできる最も低い地点から、最も高い地点の1つまで2,250キロメートル以上を移動し達成となったもの。
このチャレンジで凄いなと思ったのが、そのスタート地点が鉱山の地下発掘現場からだったということかな。鉱山車両が使用する傾斜路を降りて地下まで降りて行ったというのだからスゴイ。
参照記事:タイカンクロスツーリスモが電気自動車として最大の高度差移動でギネス世界記録に
ポルシェデザイン50周年
ポルシェデザインが50周年を迎えたことで、その記念のハイライトとして2台の特別車が発表されました。
- ポルシェ911 エディション50Y ポルシェデザイン
- ポルシェクラシックによってリストアされた1972年のポルシェ911 S2.4 タルガ
参照記事:ポルシェデザインの50周年記念モデル:ポルシェ911タルガ
ポルシェ 2022年2月
ポルシェ718ケイマン GT4 RSがヨーロッパのGPアイスレースに登場
ロスのワールドプレミアに続き、オーストリアはツェル・アム・ゼー(Zell am See)にて開催されたGPアイスレースにポルシェ 718 ケイマン GT4RS、そしてそのクラブスポーツが登場。
この時のケイマン GT4 RSたちは、再生可能なガソリンというものを使っていたことから、氷上や雪上での素晴らしいドライブを披露しただけでなくその燃料にも注目がされました。
タグホイヤ―・ポルシェ フォーミュラEチームがワンツーフィニッシュ
タグホイヤ―・ポルシェ フォーミュラEチームがメキシコシティーE-Prixにて1・2フィニッシュを達成。
アウトドローモ・エルマノス・ロドリゲスサーキットでポールポジションからスタートした#94 ポルシェ99Xエレクトリック (ドライバ―:Pascal Wehrlein氏)が優勝。
そしてそのチームメイトである#36 (ドライバ―:André Lotterer氏)が2位という快挙。
ポルシェ 2022年3月
ロシアへの車両デリバリーを停止
ウクライナにおける戦争により、ポルシェはこの時点でロシアへの車両デリバリーを停止に。
それと同時にウクライナで戦争による影響を受けた人々への緊急支援提供の為、ポルシェは100万ユーロを寄付されました。
参照記事:ポルシェがロシアへの車両デリバリーを停止、ウクライナへ100万ユーロ寄付
ポルシェ 2022年4月
eFuelsへの取り組みを強化
ポルシェは国際的に活動しているeFuels(合成燃料)生産施設のプロジェクトデベロッパーであるHIF Global LLC.に7,500万ドルを投資し、その見返りとしてその株式を取得。
チリ・サンティアゴに本拠を置く企業が現在チリにHaru Oni eFuelパイロットプラントを建設中。
イガ・シフィオンテク (Iga Swiatek)さんがシュトゥットガルトでのデビュー戦で優勝
女性テニスプレイヤーのイガ・シフィオンテク (Iga Swiatek)さんは、20歳にして第45回ポルシェテニスグランプリにて優勝。
優勝賞品として彼女はポルシェタイカンGTSスポーツツーリスモをゲット。彼女はその後、ポルシェのブランドアンバサターも務められています。
彼女の喜びの写真…さすがジャンプ力あるな(そこ?)^^↓
ポルシェ 2022年5月
ポルシェ718 ケイマン GT4 eパフォーマンスがミッションRの可能性を明らかに
ポルシェは718ケイマンGT4 ePerformanceで『ミッションR (Mission R)』という技術コンポーネントのテストを開始。
ミュンヘンで開催された2021 IAAモビリティでは未来のカスタマーモータースポーツ向けの完全電動GTレーシングカーのビジョンが概説されました。
現在このミッションRという確信的な電気駆動コンセプトは、国内そして国際的なサーキットにてその可能性を実証されているとのこと。
ポルシェAGが革新的なバッテリー技術を持つメーカーの株式を取得
より高性能なバッテリーセルの開発と製造への意欲をさらに高めているポルシェはアメリカの『Group14 Technologies』という会社の株式を取得。
この会社はリチウムイオンバッテリー用の高度なシリコンカーボン技術を製造している企業。
ポルシェ 2022年6月
カイエン20周年
1989年にフェリーポルシェ氏が予測したことってご存知ですか?
彼がその年に予測したのは「フロントにポルシェクレストがつけられた、私達(ポルシェ)の品質のオフロードモデルを作ったら人々はそれを買うだろう」というもの。
そしてその予測は正しかったわけで、2002年以来カイエンはポルシェにとって世界的な成功の主力の1つに。
ポルシェはこのカイエン20周年を迎えた月に、カイエンの歴史を振り返えられていました。
ル・マン24時間レース GTE-Proクラスにてポルシェが優勝
ル・マン24時間レースのGTE-Proクラスでポルシェが優勝。
ワークスドライバーのGianmaria Bruni氏(イタリア)、Richard Lietz氏(オーストリア)、Frédéric Makowiecki氏(フランス)が350周を超えるレースの末に勝ち取られた優勝となりました。
ポルシェ 2022年7月
全てのタイカンが2023モデルのソフトウェアへアップデート可能に
この月から車の年式、エンジン&ボディタイプに関係なくすべてのタイカンに対してソフトウェアアップデートをすることが可能になりました。
アップデートすることですべてのタイカンのソフトウェアは2023年モデルと同じものになるというもの。※アップデートは各国固有のものを実装。
参照記事:ポルシェタイカンにソフトウェアアップデート:全てのタイカンが2023年モデルみたいになるって
フォルクスワーゲングループのトップにオリバーブルーメ氏が就任
ポルシェAGのCEOであるオリバー・ブルーメ(Oliver Blume)氏がフォルクスワーゲングループの取締役会長に就任。
もちろん、そのまま同時にポルシェAGの取締役会長も継続中。
参照記事:フォルクスワーゲングループのトップにポルシェ取締役会会長オリバー・ブルーメ氏
ポルシェ 2022年8月
ポルシェ911 サリースペシャルが登場
ポルシェとピクサーアニメーションスタジオが映画カーズに登場する有名なポルシェであるサリー・カレラを実車として作り発表。
ワンオフモデルであるこのサリーカレラ号はカリフォルニア州にて開催されたモントレーカーウィークの一環としてRMサザビーズのオークションに出品されました。
サリーカレラが落札されたオークション収益は2つの慈善団体に寄付されることになっていて、1つが若い女性に役立ててもらうという目的で『Girls Inc.』を通じての寄付、2つめがウクライナからの難民を支援する組織であるUNHCRへ。
参照記事:映画カーズのサリー仕様ポルシェ911(992.1)がオークションにて360万ドルで落札、全額を寄付へ
ポルシェ911 GT3 RSが発表に
ここにきてついにポルシェ911 GT3 RS (992.1型)が発表に。
最高のパフォーマンスを実現するために妥協なく設計されているというこちらのモデルは、公道走行が可能であるのにもう本当にほぼほぼレースカーですよね?という凄いモノ。
私も早く実車を見てみたいなと思っているところです^^
参照記事:新型ポルシェ911 GT3 RS (992.1)とは
ポルシェ 2022年9月
ポルシェがIPO
Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG (ポルシェAG、そしてその連結子会社&ポルシェグループ/ポルシェ)が新規株式公開(IPO)されたのがこの月。
フランクフルト証券取引所の鐘が鳴る中、ポルシェは新しい時代に突入しようとしていると発表されていました。
参照記事:ポルシェ上場
Sajjad Khan氏がCar-ITの取締役に就任
ポルシェAGの監査役会がSajjad Khan氏をポルシェの執行委員会に選任。48歳の彼は主にCar-ITに専念することになり、ボードメンバーの8人目となりました。
ポルシェ 2022年10月
ポルシェ911 カレラT 発表
この月にはポルシェ911モデルラインに、新たに992.1 カレラTが発表されました。カレラTの「T」はツーリング(touring)のT。
スポーティーな装備でピュアなドライビング体験を提供すると言われているモデルとなっていて、トランスミッションは標準装備が7速マニュアル(無料オプションで8速PDKに変更可)。
参照記事:ポルシェ911 カレラTが発表されました:リアシートなしの軽量モデル
Frank-Steffen Walliser氏とFrank Moser氏
ポルシェのスポーツカーモデルシリーズのリーダーが変更になった月でもあります。
911と718モデルの副社長として3年を過ごしたFrank-Steffen Walliser氏がFrank Moser氏へと交代に。
Moser氏は以前、コーポレートクオリティ部門の責任者を務められていた方。ちなみに今後のWalliser氏はポルシェのすべての新しいモデルにおけるテクニカルデザインを担当。
参照記事:3年を経てMr.911がまた交代へ:フランクさんからフランクさんへ…(え?)
ポルシェ 2022年11月
996型ポルシェ911が発表されてから25年目
996世代のポルシェ911は数々の慣習を打ち破ったモデルと言われており、911としてのデザインとリアエンジン駆動であるというコンセプトをのぞき、すべてが新しくなったというモデル。
空冷から水冷になり、986世代ボクスターとの部品共有コンセプトにより、Bピラーまでがボクスターのインテリアと同じだったり。
そんなボクスターとともにコードネーム996として開発された996型ポルシェ911はちょうど25年前に登場したのでした。
私はこの涙目が発売当時からとても好きで憧れていたな~^^ (たぶんその頃の私は911とボクスターの見分けもついていなかったと思いますが(笑))。
ポルシェ911 ダカール 発表
ロサンゼルスオートショーにてワールドプレミアされたのがポルシェ911 ダカール。
オフロードでも高速道路でも快適とポルシェが誇る911となっていて、1984年のパリダカールラリーでのポルシェ初優勝を思い起こさせるモデルと言われています(ちなみにその時がポルシェ911の全輪駆動の誕生とのこと)。
ポルシェ 2022年12月
ポルシェがいきなりもう12月からDAX指数に
ドイツ取引所が2022年12月19日よりポルシェAGをGerman Share Index(DAX)に入れると発表。これは9月29日のIPOからわずか3か月後の出来事。
DAX指数とはフランクフルト証券取引所上場の主要銘柄40で作られる株価指数(今までは30だったけれど今回から40に)。ポルシェ凄い。
チリのeFuelパイロットプラントが正式オープン
チリの事業会社であるHIF(上記4月のところに登場)とポルシェは正式にeFuels(合成燃料)の工業生産を開始。
チリのプンタ・アレーナスにあるHaru Oni パイロットプラントが正式にオープンされ、この場にはチリのエネルギー大臣Diego Pardow氏も出席。
さらにポルシェからは取締役会メンバーのBarbara Frenkel氏とMichael Steiner氏が参加され、その場でこの工場で生産された最初の合成燃料をポルシェ911に給油するという儀式も行われました。
以上が、ポルシェが発表された2022年の振り返りとなります。
他にも沢山のニュースや色々な出来事があったかと思いますが、その中からポルシェがあえて選んだのがこれらの出来事たちでした。
あっという間にすぎさった1年でしたが、ロシアに出荷停止したのが昨年の3月時点だったとかいうのを見ると「え、戦争始まったのってそんな前だったっけ??」となってしまうほど。
平和な日本で生活出来ているからこその「え、そんな前?」と言っていられるわけですが、とにかく争いごとだったりコロナだったりとまだまだ続いている様々な大変なことが2023年には良い方向に向かうことを祈るばかりです。
相変らずポルシェ大好きな2022年でしたし、これからもポルシェ大好きな2023年のスタートです^^
参照記事:ポルシェがチリでeFuels (合成燃料)の生産をスタート
出典:(公式)Looking back: Porsche in 2022
過去の1年ごとのポルシェ振り返り記事:
◆ 2021年の振り返り→2021年のポルシェを振り返る
◆ 2020年の振り返り→ 2021年もポルシェ。まずは2020年のポルシェの振り返りから
◆ 2019年の振り返り→ 2020年、またポルシェ大好きでいきます^^まずはポルシェの2019年を振り返る~