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Porsche: ポルシェ

ポルシェがフォルクスワーゲングループのCO₂プールから離れ、XPengとCO₂オープンプールを形成へ

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中国のEVメーカー「XPeng(シャオペン/小鵬汽車)」と新たなオープンプールを形成

Schmidt Automotive Researchによると、ポルシェがフォルクスワーゲン・グループのCO₂プールから離れ、2026年と2027年について中国のEVメーカー『XPeng (シャオペン)』と新たなオープンプールを形成すると報じられています。

その報道の根拠となっているのは2026年8月5日付の「Declarations of intent to form Open Pools (オープンプール形成の意思表明)」というもので、それを見ると確かにプールマネージャーとして「Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG」となっていて、そのプールメンバーとして以下の2社が掲載されています。

  • Dr. Ing. h.c. F. Porsche AG
  • Zhaoqing Xiaopeng Investment of New Energy Co., Ltd.(XPeng European Holding B.V.が代理)

期間は2026~2027年。

CO₂プールとは

EUでは自動車メーカーが販売する新車についてCO₂排出量の目標が設定されていて、その目標を達成する方法のひとつとして認められているのが「Pooling (プーリング)」。

簡単にいうと、複数の自動車メーカーがチームを作って、そのチーム全体の平均CO₂排出量で規制への適合を判断してもらうという仕組み。

なので、CO₂排出量の多い車を販売するメーカーでも、EVを多く販売するメーカーとプールを組むことによって、プール全体の平均CO₂排出量を引き下げることが可能となります。

ポルシェとシャオペンは別会社なのにチームを組めるのか

私、今回のニュースを見るまであまり真剣にこのCO2プールについて調べたことがなかったので、最初に思ったのが「え、ポルシェとシャオペンって同じグループ企業とかでもないのに、2社だけでいきなりプールが組めたりするの?」ということ。

これ、組めるそうです。EUの制度上認められているもの。

EU Regulation (EU) 2019/631のArticle 6に、自動車メーカーがCO₂目標を共同で達成するためにプールを形成できることが定められているそう。

同じ企業グループに属していないメーカー同士によるプールも想定されていて、その場合には競争法というものを順守するとともに、オープンで透明、非差別的な参加条件などが求められているとのこと。

さきほどの資料の画像をよく見ると、ポルシェのプールには「ポルシェとシャオペン」が記載されているわけですが、他の自動車メーカーも参加申請をすることが出来る「オープンプール」となっています。

このポルシェがプールマネージャーを務めるCO₂プールチームへの参加申請期限は2026年9月5日。

よって、まだ他のメーカーが加わることも現時点では否定できません。

なぜポルシェはシャオペンと組むのか

Schmidt Automotive Researchによると、シャオペンは2026年上半期に西ヨーロッパ18市場で2万台弱を販売していて、2026年通年では同地域で5万台近くに達する可能性があるとされています。

その一方で、ポルシェは皆さまご存知の通りBEV販売で苦戦中。

シャオペンは電気自動車(EV)を展開するメーカーであることから、シャオペンをCO₂排出量が比較的高いポルシェと1つのプールとして計算すれば、プール全体の平均CO₂排出量を引き下げる効果が期待できるわけで。

まさにこの平均CO₂排出量の引き下げが目的ということですね。

なぜ今までシャオペンと組まなかったの

なるほど、ポルシェがシャオペンとプールを組む目的などはわかった気がします。

でもここで疑問となるのが、どうしてポルシェは今までシャオペンのようなEVメーカーとさっさとプールを組んでいなかったのかということ。

この理由についてはポルシェからの公式な説明等は出ていないので、私の勝手な想像となりますが、やっぱりその理由はポルシェを取り巻く状況が以前と変わってきているからなのかなと思います。

もともとポルシェは電気自動車の販売を大きく伸ばしていく計画であったことから、その時は「自社のEVを増やしてCO₂排出量の平均を下げる」を想定されていたのかと思います。

でもそれがうまく進んでいなくて、それによりポルシェは今は商品戦略を見直して、ICE(内燃機関)やPHEVをこれまでの計画より長く残していく方向へ転換しています。

よって、この戦略の見直しによって「自社内でCO₂排出量の平均を下げる」ではなく、EVメーカーと手を組んでCO₂排出量の平均を下げるという戦略に、こちらも方向転換したのかな、と。

VWグループにもメリット

さらにフォルクスワーゲングループは2025年に、EUのCO₂排出量の目標値93.6g/kmに対して、平均約100g/kmだったとされていますが、平均CO₂排出量が比較的高いポルシェが、このVWグループのプールから外れることで、VWグループ側も規制目標を達成しやすくなると分析されているようです。

つまり:

  • ポルシェ:シャオペンと組むことで平均CO₂排出量を下げやすくなる
  • VWグループ: CO₂排出量の高いポルシェがプールから外れることで平均値を改善しやすくなる

という、ポルシェとVWグループの双方にとってメリットのある構図になる可能性。

シャオペンにもメリット

ではシャオペンは一方的にポルシェを助けることになるのかというと、報道によると、シャオペンは今回の取り決めにより規制対応に伴う経済的な恩恵を受けると言われています。

ただし、具体的にどのような金銭的な取り決めになっているのか、金額はいくらなのかといった詳細については明らかになっていません。

ちなみにVWグループとシャオペンはまったく無関係というわけではなく、VWグループがシャオペン株式の約5%を所有しているとも報じられていました。

これでポルシェはICE車をもっと作れるのか

今回のこのプールチーム形成によって、ポルシェはCO₂排出量をシャオペンのEV車と一緒に計算し、ポルシェのCO₂排出量をプール全体で平均化できることになります。

となると、ついつい期待してしまうのが「そうしたら、今後のポルシェはもっとICE (内燃機関)の車の販売比率を高めていくことが出来るのでは?」ということ。

でも現時点ではまだ「シャオペンと組んだことでもっとICE車を作ることが出来るようになった」などの記載はない為、勝手に断言したりすることは出来ませんが、でも少しは期待できることかなとも思っちゃいますね。

とりあえず、今回確認できたのはポルシェがシャオペンと2026~2027年のオープンプールを形成する意思を表明しているということ。

これはなかなか興味深い動きなのではないでしょうか。

出典:
XPeng to benefit from Porsche EU CO₂ regulatory credits as the German sports-car company exits VW Group pool
EU公式:Regulation (EU) 2019/631 (EUR-Lex):Article 6 Pooling
Porsche leaves VW Group emissions pool to partner with China’s Xpeng for 2026-27

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