新型GT3 RSのフロントトランク
先日発表されたポルシェ911 GT3 RS (992.1)では、フロントラジエーターコンセプトが採用されました。
…って、それが一体何かというとフロント部分のラジエーターが今までは左右と中央に1つという合計3つのラジエーターレイアウトだったものが、中央に1つだけのセントラルラジエーターレイアウトになったというもの。
ここで多くの方が気になったのが「え、中央に1つだなんて、そうなるとフロントトランクはどうなっちゃったの?」ではないかと思います。
新型GT3RSからトランクスペースは全部なくなってしまったのか、それともウラカンSTOの小玉スイカ小さめヘルメットだけなら入りそうな小さいスペースくらいは存在するのか?
気になったのでやっぱり確認しちゃいます。
ポルシェGT部門トップのアンドレアス・プレウニンガー(Andreas Preuninger)氏がトップギアの動画に語って下さっているものから確認させて頂きました。
アンドレアスさん曰く、GT3にあるような左右のラジエーター部分をなくすことで、そこ(ちょうどヘッドライトの下あたり)にリアウィングのフラップとシンクロするエアロダイナミクスモジュールを設置することが出来るようになったとのこと。
そしてこのリアウィングのフラップと完璧にバランスされたフロントのエアロダイナミクスモジュールは、フロントの左右にラジエーターがあったら設置できなかったわけで、だから左右をなくしたんだよ、と。
つまりはアンドレアスさんいわく(あと言い方(笑))、ラジエーターの考え方でさえもエアロダイナミクスに何が必要かを検討し、とにかくエアロダイナミクスありきでそちらに必要だから変えたとのこと。
といっても物理的に3つだったものを1つに集約するわけですから、小さいスペース(=センターの1か所)だけでそれだけの効果を出さなければいけなかったのは大変だったようです。
けれどもきちんと出来たよ、と^^
新型ポルシェ911 GT3 RSにフロントトランクスペースはない
そこで司会者の方が「でもその代わりにトランクスペースがなくなったのですよね?」と確認すると…ここで知りたかった正解を見ることが出来ました。
「うん、トランクスペースはなくなったよ」
実際に開けてみるとこのような感じ。本当にフロントトランクのスペースはありません。
アミアミをさらに開けるとこう↓
でも、アンドレアスさんはすぐに続けて「でもほら、後部座席のところにスペースがあるじゃない?」と。
「必要ならルーフラックも売ってるよ、ははは」とも言われていて、アンドレアスさん面白い(笑)。
アンドレアスさん曰く、このフロントの開口部はGT3 RSにおけるそんなにカッコイイ部分ではないけれども、目的があってそれを機能させるために絶対に必要だったんだと熱く語られています。
GT3 RS フロント開口部のパーツ名称はブーメラン
ちなみにこの開口部のアミアミの脇についている黒い樹脂パーツ部分みたいところを開発の人たちは「ブーメラン」と呼んでいるそうです^^
このブーメランとラジエーターのGT3 RSにおける非常に重要なエアロダイナミクスについての詳細については長くなってしまいますので今回はふれませんが(動画ではアンドレアスさんが語られています)、とにかくこの今回のGT3RSにとって非常に重要となる、絶対にはずすことが出来なかったセントラルラジエーターを設置する為に、フロントトランクはなくなったという結果でした。
まあでも実際、フロントトランクがなくてもポルシェ911 GT3 RSの場合はサーキットに行くまでの間は後部座席部分(シートではないので実際には座れないけれどもスペースがある)にロールケージがあったとしてもある程度の荷物は置けるかと思いますので、そんなに問題ではなさそうですね^^
こちらがトップギアで語られているアンドレアスさんの動画(34:34)。
セントラルラジエーターについてお話されるのはだいたい23:00くらいからとなります。↓