タイカンターボGTとタイカンターボGTヴァイザッハパッケージが登場

少し前にポルシェから「2024年3月11日にすごいタイカンが発表になるよ」とお知らせが出ていたわけですが、その予告通り『タイカンターボGT』が発表されました。

タイカンターボGTの大きな特徴は以下の通り：

• ヴァイザッハパッケージ仕様車もあり、その場合0-100km/hは2.2秒、最高時速は305km/h
• アタックモードが120kWのパワーブーストを追加
• ローンチコントロールを使用すると最高出力は815kW(1,108PS)
• タイカンターボSより最大75kgの軽量化
• 2シーターまたは4シーター仕様となっていて、ポルシェ・アクティブライドサスペンションが標準装備

では、さらに細かく発表された内容を見ていきたいと思います＾＾

すでにラグナセカとニュルブルクリンクでラップタイム記録を樹立

• 今回の発表により、ポルシェが誇るフル電気自動車タイカンのモデルラインナップに以下の新モデルが追加された：
  • タイカンターボGT
  • タイカンターボGT ヴァイザッハパッケージ (サーキット走行特化モデルで、パワーウェイトレシオをさらに高める為リアシートなし)
• 両モデルとも1,100PSを上回る最高出力を発生
• さまざまな軽量設計とエアロダイナミクス対策を組み合わせることで、これらフル電気自動車のGTスポーツカーはドライビングダイナミクスの水準をさらに引き上げる
• リアアクスルには、半導体材料に炭化ケイ素を使用したさらに強力で効率的なパルスインバーターを採用
• タイカンターボGTモデルは2024年春から納車開始予定(※AGでの発表、日本国内の話ではありません)

• タイカンターボGTヴァイザッハパッケージモデルはまだ発売前にも関わらず、すでに2024年2月23日にアメリカ・カリフォルニア州のウェザーテック・レースウェイ・ラグナセカにて最速の量産電気自動車のタイトルを獲得済み
• ポルシェの開発ドライバー、ラース・カーン(Lars Kern)氏が出したラップタイムは1:27.87、公道走行可能な電気自動車を使ったどのドライバーよりも速いラップタイムを記録

• 同じモデルの試作バージョンもすでにニュルブルクリンクにてクラス新記録を樹立済み
  • ドライバ―は同じくラース・カーン氏で、ノルドシュライフェでのラップタイムは7:07.55を記録
  • このタイムは2022年8月にカーン氏がタイカンターボSスポーツセダンのパフォーマンスパッケージで記録を残したラップタイムよりも26秒速い
  • このタイムは現在市販されている電気自動車のトップであり、タイカンターボGTは全てのパワートレインタイプの中でニュルブルクリンク最速の4ドア車となる

• ラグナセカとニュルブルクリンクでの記録はタイカンがどれほど素晴らしいサーキットにおけるポテンシャルを持っているかを示している
  • 加速とブレーキング、コーナリング時のグリップ、エアロダイナミクス、安定性、ファインチューニングの総合的なパッケージが適切でなければならず、それをヴァイザッハパッケージではポルシェのエンジニアが見事な方法でこれらを達成
  • 既存の新型タイカンモデルも素晴らしいが、新しいGTモデルはドライビングダイナミクスの基準をさらに高く引き上げた
• ポルシェ開発ドライバーのラース・カーン氏曰く：
  • ラグナセカのコースはタイカンターボGTを限界まで追い詰める
  • 違いを生むのは総合的なパッケージ
  • タイカンターボGTヴァイザッハパッケージは、ほぼすべての指標で新たな基準を打ち立てている
    • 加速とブレーキ、直感的に使用できるアタックモード、最大のトラクションとパフォーマンスを発揮するよう設計されたパワートレインなど
  • コーナリング時のグリップレベルも素晴らしくコントロール性とフットワークの軽さは信じられないほど
  • タイヤは非常に良く機能し、あらゆる走行条件でも適切なバランスを保つ
  • ラグナセカの起伏に富んだコースをこの車で走るのはめちゃめちゃ楽しい

• アタックモードでは、ボタンを押すだけで最大120kWのパワーブーストを10秒間追加することが可能(※スポーツ クロノパッケージおよびパフォーマンス バッテリープラスで利用可能)
• アタックモードは他のタイカンモデルのプッシュ・トゥ・パス機能がベース
• このシステムはサーキット走行用に最適化されており、ポルシェがABB FIAフォーミュラE世界選手権で使用している99Xレーシングカーと同様の機能を備える
• ブースト中はメーターパネルにカウントダウンタイマーが表示され、スピードメーターのアニメーションリングがダイナミックに演出 (※この機能は速度が5km/h以上、バッテリー温度が10°C 以上、SoCが30%以上の場合のみ使用可能)

• 他のタイカンモデルに装備されているプッシュ・トゥ・パス機能に比べてアタックモードは50kW高いブーストパワーを提供
• 操作＆利用方法もステアリングホイールボスのすぐ脇にあるモードスイッチを押す代わりに、右側パドルでオン・オフすることも可能
• これによりサーキットでの使用が容易に
  • レーシンググローブを着用したままステアリングから手を離さずにブーストをかけることが可能
  • このシンプル、安全かつ迅速な操作方法によりタイカンターボGTモデルはレーシングドライバーのニーズに合わせて調整されている
  • ステアリングホイールの左側パドルでは、回生レベルを設定して走行条件に合わせることが出来る

パワートレインの新しいパワーエレクトロニクス

• ポルシェは最近タイカンのモデルラインを大幅にアップグレードし(＝新型タイカン)車の全体的なシステム出力を向上させた
• 特に新しいリアアクスルモーターを備えて強化されたパワートレインにより、先代モデルよりもさらにダイナミックなパフォーマンスが可能となった
• タイカンターボGT、そしてそのヴァイザッハパッケージはタイカンのパフォーマンスを次のレベルに引き上げる新しいスポーツフラッグシップモデル
• より強力なパルスインバーターを搭載、両モデルともに580kWを発生
• ローンチコントロール使用時のオーバーブーストパワーは最高760kW、最高出力測定法に従うと2秒間で最大815kWに達する
• タイカンターボGTの0-100km/hは2.3秒、0-200km/hは6.6秒
• タイカンターボGTヴァイザッハパッケージの0-100km/hは2.2秒、0-200km/hは6.4秒

• パルスインバーターは電動モーターを制御するための重要なコンポーネントで、タイカンターボGTの両モデルではリアアクスルに最大電流900Aのパルスインバーターが使用されている
• これらがタイカンターボSの600Aのパルスインバーターを上回る出力とトルクを提供
• 効率を高めるためにパルスインバーターの半導体材料として炭化ケイ素も使用、これによりPWRのスイッチング損失が大幅に低減され、より高いスイッチング周波数が可能に
• 変速比とギアボックスの堅牢性も改善され、さらに高いトルク値を実現
• 両バージョンとも最大トルクは1,340Nmを発揮、タイカンターボGTモデルの航続距離は最大555km(WLTP)

カーボン装備とポルシェアクティブライド： 軽量設計とシャシー

• インテリジェントな軽量設計により、タイカンターボSと比較してタイカンターボGTは最大75kg軽量化
• 数多くのカーボンパーツがこの軽量化に貢献：
  • Bピラートリム
  • ドアミラーのアッパーシェル
  • サイドスカートのインレイなど
• CFRP製のフルバケットシート、軽量ラゲッジコンパートメント、テールゲートの電動ソフトクローズ機能の削除も軽量化に寄与

• タイカンターボGTにはダイナミクスパッケージが標準装備、これにはGT専用チューニングを施したポルシェ・アクティブライドサスペンションも含まれる
• ダイナミックな走行条件において、このサスペンションがホイール荷重をバランスよく配分、路面とのほぼ完璧な接続を実現
• パッケージには、スペシャルパフォーマンスサマータイヤと21インチ軽量鍛造ホイールが含まれる
• ターボGT専用ホイールはスポークにリリーフポケットを採用し、軽量化と同時にブレーキの効果的な換気を促す
• 標準装備の軽量セラミックブレーキはポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)をベースにしたシステムで、重量の観点から最適化されている
• ブレーキディスクチャンバーとブレーキキャリパーハウジングの設計変更により、2kg以上の軽量化が図られた
• これはドライビングダイナミクスとパフォーマンスの両方にプラスの効果をもたらし、バネ下質量と回転質量を減らすことでパフォーマンスが向上
• ブレーキキャリパーは専用のビクトリーゴールド(Victory Gold)で塗装されている

フラップ付きリアスポイラーと専用塗装仕上げ： エアロダイナミクスとエクステリアデザイン

• タイカンターボGT専用にエアロブレード付きフロントスポイラーを開発
• リアビューはアダプティブスポイラーが際立ち、そのティアオフエッジにはハイグロスカーボン織り仕上げのガーニーフラップ
• マトリックスLEDヘッドライトが標準装備
• タイカンターボGTでは、オプション(追加料金なし)でHDマトリックスLEDヘッドライトにアップグレードすることが可能
• サイドプロフィールには多数のカーボンファイバー製のコンポーネント、サイドウインドウのトリムはハイグロスブラックで塗装
• ターボナイトが採用されるタイカンターボとタイカンターボSはシリーズの他のモデルと差別化され、さらにタイカンターボGTはレーシングな雰囲気を備える
• 両モデルとも、フロントボンネットと軽量アロイホイールのハブカバーにはポルシェのカラークレスト

• リアリッドの“Turbo GT”ロゴはマットブラック塗装
• エクステリアカラーは全6色、新色はペールブルーメタリックとパープルスカイメタリック
• この2つの新色は1年間タイカンターボGT専用カラーとなる
• ポルシェ・エクスクルーシブマニュファクチャーが提供する広範なペイントトゥサンプルプログラム(PTS)は、カスタマイズオプションを拡張
• さらにドア下部とフロントボンネットには、ヴォルトブルーまたはマットブラック/ハイグロスブラックの“Taycan”ロゴ入りデカールが用意されている

インテリア：フルバケットシートが標準装備、スポーティーな雰囲気を演出

• スポーティーなRace-Texとブラックレザーのトリム、カーボン織り仕上げ(ハイグロス)の軽量フルバケットシートが標準装備
• フロントアダプティブスポーツシートプラス(18way電動調整機能とメモリーパッケージ付)は、追加料金なしのオプションとして変更可能
• フロントヘッドレストには“Turbo GT”ロゴの刺繍
• クライメートコントロールパネルの下には各モデルのロゴ入りバッジ
• ヴォルトブルーまたはGTシルバーのコントラストカラーを基調としたエクスクルーシブインテリア装備もリクエストに応じ利用可能
• GTスポーツステアリングホイールは、リムがブラックのRace-Texで覆われ12時位置にマーキング付き
• タイカンターボGTは、タイカンターボSのスポーツクロノパッケージを装備

ターボGTヴァイザッハパッケージ：サーキットでのパフォーマンスのために設計

• タイカンターボGTヴァイザッハパッケージは、そのポジショニングがさらに研ぎ澄まされている
• エアロダイナミクスと軽量設計をさらに追求したこのモデルは、パフォーマンスをさらに重視して設計
• タイカンターボGTのヴァイザッハパッケージ仕様車は0-100km/hが2.2秒で、タイカンターボGTを0.1秒上回る
• 最高速度は305km/h(ターボGT：290km/h)
• エアロダイナミクス装備にはアンダーボディのエアディフレクターエレメントと新しいフロントディフューザーが追加された
• ヴァイザッハパッケージ装着車両のリアボディには、ウイングサポートを固定したカーボン織仕上げの固定式リアウイング
• ダウンフォースの総量は最大220kg
• リアウイングの両サイドにはヴァイザッハパッケージのロゴ付き

• 要望に応じ、ヴォルトブルー、ブラック、マットブラックのストライプラップも利用可能
• これらによりヴァイザッハパッケージ仕様車がモータースポーツに特化したモデルであることをさらに強調する
• ストライプのデザインは、ブラックのデカールセットと組み合わせることも可能
• サーキット走行に必要のない装備をすべて取り外すことで、ヴァイザッハパッケージを装備していないタイカンターボGTと比較し約70kgの軽量化を実現
• 運転席および助手席シートシェルの後部は、収納コンパートメントを備えたテーラーメイド高品質軽量カーボンクラッディングが通常のリアシートシステムの代わりに装備される
• メーターパネルに通常装備されるスポーツクロノパッケージのアナログ時計やフットマットとトランクマットも削除、断熱材の使用量も低減される
• 特別な防音断熱ガラスとサウンドパッケージプラスも軽量化に寄与
• リアスピーカーなしのサウンドパッケージプラスが、BOSE®サラウンドサウンドシステムの代わりに装備される
• ブラックのRace-Texを使用したGTインテリアパッケージは標準装備
• 助手席側にはヴァイザッハパッケージのロゴ入りバッジが付く
• タイカンターボGTのヴァイザッハパッケージ仕様車には、ヴォルトブルーとGTシルバーのインテリアパッケージも用意
• それぞれの色のコントラストステッチが特徴をさらに際立たせる

タイカンターボGT、タイカンターボGTヴァイザッハパッケージ国内価格

2024年3月12日現在での日本国内でのタイカンターボGTの本体車両価格(税込)は以下の通りとなっています。

ターボGTと、ヴァイザッハパッケージ付きのターボGTってお値段一緒なのですね？？パッケージオプション価格が3桁単位で追加になるのかと思っていたのでちょっと驚き。

モデル	ハンドル	価格(税込)
タイカンターボGT	右	3,132万円
タイカンターボGT ヴァイザッハパッケージ	右	3,132万円

そしてこちらがラグナセカでラップタイム記録を出された時の動画です(1:52)↓

こちらはニュルブルクリンクでタイムを出された時の動画(7:41)↓

出典：
◆(公式)Most powerful series-production Porsche of all time sets record lap times at Laguna Seca and the Nürburgring
◆(公式)タイカンターボGTとタイカンターボGTヴァイザッハパッケージの予約受注を開始

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