またまたポルシェによる特許申請
1つ前のブログでもポルシェが申請した特許について書いたのですが、今回もまたポルシェが特許申請された内容について。
この特許は2022年5月末に公開となったものなのですが、そのタイトルは『Vehicle having a hybrid drive』(ハイブリッドの車)。
う、えっと、タイトルからだけでは申請内容がまったくわからない(笑)。
というわけで、ざっくりとですが内容を見ていきたいと思います。今回ポルシェによって特許申請がされた内容は、バッテリー冷却の問題に対処する為のものとみられています。
特別な冷却装置を追加で必要としないバッテリー冷却法
簡単にまとめると、エンジンの(できれば電気)ターボチャージャーからの加圧された空気を利用して、ハイブリッドの車のバッテリーを冷却したいという構造。
この構造を説明する為に、それぞれのバッテリーセルをエンジンのどこに配置するかまでのレイアウト詳細も説明されています。
ブーストされた空気はエンジンの吸気側に追加の圧力を与え、バッテリーから熱をうばう構造となっているようです。注釈として「この加圧されたエアーは少しあったかいかも(heated somewhat)」との記載があるものの、特にそれ以上の特記はなし。
特許申請のタイトルが「ハイブリッドドライブ搭載の車両」であることから、ポルシェとしてはハイブリッドモデルにおいてこの構造で、バッテリー冷却に関する重量と複雑さを軽減したいと考えているようです。
構造はなかなか単純なものではないようで、まず外気はターボチャージャーか電動スーパーチャージャーのいずれかにより圧縮され、続いて補助ブースターへ。
これは「ブロワー、ポンプ、コンプレッサー、またはそういうやつ(blower, pump, compressor or the like)」と言われていて、たぶんこれらはターボチャージャーを利用している場合において、速度が遅い時エンジンに冷却空気を供給する為にあるのではないか、と。
違う言い方をすると、バッテリーがまだ熱いのにターボからそれを冷却するための十分な空気の流れがない場合、もう少し空気を提供する為にシステムが始動するっぽいと。※通常のターボの代わりに電動コンプレッサーを利用している場合はこの作動はない可能性あり。
さてそしてこの構造の続きですが、続いてエアーは発熱体に到達する前にインタークーラーを通過。これは寒い日にバッテリーを調整するために吸気を加熱する為に使用されるものらしい。
その後、空気はバッテリーに到達…するのですが、その時待ち構えているのがバイパスバルブ。もしここのバッテリーセルを冷却する必要がない場合には、バッテリーをバイパスして、エンジンに直接つながるようになっているよう。
このバルブもサーモスタット(温度調整を行うもの)のようになっていて、開閉することで理想的なバッテリー温度を維持する為に利用される可能性。
この後、空気はついにエンジンに到達するわけですが、そこでまた待ち構えているのがバイパスバルブ#2。
これはバッテリーの熱を吸気口には排出したくない…けれど車からは排出したい場合に使用されるもので、このバルブ#2は車が止まっている状況(スロットルがオフの状況)に使用されると考えられているようです。
この特許は、この構造により熱は直接大気中に放出されるか、エグゾーストシステムを通じて放出される可能性があることを示されています。
とにかく、ポルシェとしては基本的には車にすでに搭載されている部品たちを増強することで、特別な追加の冷却システム(液体冷却など含む?)を利用することなく効果的なバッテリー冷却ソリューションを実現しようとしているものとみられています。
すみません、車について詳しい構造についてそもそもあまり理解していない私が書いているので間違っていたらすみません&わかりづらい説明ですみません。
この下にオリジナルのポルシェが特許申請した内容をPDFでダウンロード出来るようにしてありますので、気になるからは是非そちらをご確認下さい^^
特許申請内容のダウンロードはこちらから(英語)↓
出典:Porsche Wants to Cool its Hybrids’ Batteries With Electric Turbos