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ポルシェセンター高輪1周年記念イベント:五味やすたかさんトークショー

投稿日:2023年4月29日 更新日:

ポルシェセンター高輪1周年、おめでとうございます

2023年4月1日に1周年を迎えられたポルシェセンター高輪様、おめでとうございます。

1年前に内覧会にお邪魔させて頂いてからもう1年もたっただなんて嘘みたいです。時がたつのは本当に早いものでぼーっと生きていられないなと思う次第です。

今回、こちらのポルシェセンター高輪(以下PC高輪)1周年イベントに参加させて頂いたわけですが、一緒にイベント参加しませんか?とお声がけさせて頂いた皆さまと一緒に楽しむことが出来たことから私にとっても、とても楽しい1日となりました。

だってまずはPC高輪に向かっている時に「ん?あの前にいるお車は?」と、この日ご一緒させて頂いた方のカレラGTが前にいたり。

都内でのこんな景色、なかなか普通の光景ではありません(笑)。

一瞬の加速の時でさえもカレラGTが奏でられる音は素晴らしいとしかいいようがなく「ああ、久しぶりに聞かせて頂くこの素晴らしい音!」とカレラGTの後ろからニタニタしていました^^

歴代ポルシェ911の展示

この日のPC高輪には歴代のポルシェ911の展示がされていて、これまたとても貴重なラインアップ。

展示されていたのは(年代が違うものがあったらすみません):

  • 1960年 ポルシェ356
  • 1978年 カレラT
  • 1989年 930ターボ
  • 1993年 964ターボ3.6
  • 1995年 993 RS
  • 1993年 ポルシェ959

かな。

他にも八重桜が飾られていたりしてとても華やかでした^^

五味やすたかさんトークショー

そしてこの1周年記念イベントの歴代911の展示に並んでメインイベントとなっていたのがモータージャーナリストの五味やすたかさんによるトークショーでした。

私、大変失礼ながら五味さんのYou Tube等を拝見したことがなく(五味さんに限らず日本のYou Tubeはどなたかに紹介された時以外ほぼ見ることがないのです)、この日が私にとって初めて五味さんのお話を聞かせて頂く日となっていました。

でも、この「初めて五味さんのお話を聞かせて頂く」という体験が動画を通してではなくご本人を目の前にしてのトークショーであったということは大変貴重な体験であり、また本当にとてもとても楽しい時間をすごさせて頂きました。

この日のトークショーはポルシェプロの佐々木ヨハネスさんが進行されて五味さんがポルシェについて語って下さるという内容だったのですが、これがとてもわかりやすく、自然に自分の中に響いてくる内容でとても楽しかったです。

五味さんが持たれている知識は物凄く多くて深いものだということが伝わってきつつも、それをあえて今回は一般人向けのトークショーであることから誰にとってもとてもわかりやすく、でも熱量が伝わるトークにされていたのが本当に面白くて、わかりやすさを考慮されたトークに感動したのでした。

ポルシェの凄いところはノーマルブランドを持っていないということ

とてもわかりやすく、とても共感させて頂ける内容であったので是非ここでも今回のトークショーの内容を出来る限り共有させて頂けたらと思います。

まず最初に五味さんが語られたのが『(他ブランドと比べて)ポルシェはどういうブランドなのか』ということ。

五味さんいわくポルシェの凄いところは「ノーマルブランドを持っていないということ」。

つまりは他メーカーであればノーマルのモデルたちを持っている上で、メルセデスであればAMG、アウディならRS、BMWならMといったパフォーマンスブランドがあるわけなのですが、ポルシェにはそもそもノーマルのモデルというものがない、と。

ポルシェのすべてのモデルが最初からすべて『スポーツカー』であるので一般的にノーマルモデルとして販売戦略をたてなければいけないものがないことが強みであると言われていました。

なぜそれが強みになるのかというと、つまりは最初からスポーツカーモデルとしてのみ開発するのであれば(例えの1つとして)燃費についてもそこまで考える必要がないわけですが、ノーマルモデルとして市販車を持つとなると燃費等も気にしなければならい。

具体的に例えるとメルセデスのC63はCクラスをベースにしているわけで、そうなるとまずはCクラスモデルとして燃費を気にして開発をしなければならないなどの制約がかかってきて、その燃費を気にして開発されたモデルをベースに上位モデルの開発をすることになる…つまり、ノーマルモデルの為に何かを妥協したという足かせをしながらパフォーマンスモデルの開発をすることになると。

もっとわかりやすい例えを出されていたのが、ポルシェが採用している『パラレルステアリング』について。

通常、車が曲がる時にはフロントタイヤは左右それぞれ同じ角度で曲がっていなくて切れ角が違うわけです。

なぜなら曲がる方向に対して内側の方が沢山きれるわけなので、左右のタイヤたちもそのように設定した方がスムーズに曲がれることになり、つまりそれは燃費の良さにつながる…のですが、ポルシェはそんなことは気にせずに左右のタイヤが同じ角度で曲がる。

それがパラレルステアリング。いわゆる冬場にタイヤがゴリゴリと鳴る原因がこれ。

これを採用することで、車が曲がろうとした時に左右のタイヤの進みたい方向が違う為にケンカしあって進むことになることから燃費は悪くなる…でも左右のタイヤがケンカしあって1つの方向に進むことになるためハンドルが緩まずハンドリングがどしっとして良くなるとのこと。

このようなパラレルステアリングをポルシェは全てのモデルに適用することでハンドリングを良くしているわけなのですが、他メーカーは燃費を考えなければいけない等の理由によって最初からこのパラレルステアリングを採用することさえ出来ないと。

最初からスポーツカーブランドとして成立しているポルシェだからこそ出来る、最初からスポーツカーとして特化した車の開発が出来ているというのがポルシェの強みだと言われていました。

ははぁ、なるほど。

私の説明が下手で申し訳ない限りですが、五味さんのお話はとてもわかりやすく「あ~なるほど!」とずっと思えるものでした^^

ポルシェ沼とはなにか

もう1つとても興味深かったのが五味さんが考える「ポルシェ沼とは何か」という考察。

ポルシェに魅了されハマってしまうことをよく「ポルシェ沼」と表現されることが多いわけですが、それを五味さんはジャーナリストとして何かしらこのポルシェ沼というものを理論だてたものにしたいと答えを探されていたそうです。

そして、現時点で「これが答えなのでは」とたどり着かれた理論についてこの日語って下さいました。

その「ポルシェ沼とは何か」という理論は『すべてを兼ね備えているのがポルシェだから』ということであったようです。

つまりはポルシェがすべての中心に位置しているということで、そのデメリットは少しお値段が高いということくらい。

人が車を選ぶ時にこだわることを考えていくと、例えば乗り心地重視であればBMW、快適性を求めるのであればメルセデス、安全・安定を求めるのであればアウディ…とそれぞれのメーカーによる個性があるところ、ポルシェはその「すべてを持っているブランド」であると。

さらにはポルシェの上にももちろんスーパーカーとして位置するメーカー達が存在するわけですが、それに関してもそれぞれが官能的なエンジン音を楽しみたいならフェラーリ、もっと刺激が欲しいならランボルギーニ、素晴らしいハンドリングが欲しいならマクラーレンという切り分けがあるところにポルシェはやはりそういったものの全てを兼ね備えていて、かつスーパーカーブランドたちとドイツのプレミアムブランドたちの中心に位置してる万能者であることから、人々は1度ポルシェを知ってしまうと他ブランドに行った時に「何か足りないよね」という気分になり、やっぱり最終的には全部を兼ね備えているポルシェに戻ってきてしまうのではと。

それがいわゆるポルシェ沼なのでは、との結論(現時点では)とされていました。

これは非常にわかりやすく、また納得できるものでした。

ポルシェの計画的な進化について

他にもポルシェ993が空冷モデル最後のメモリアルモデルであったように、今の992型はもう1つの純粋なICEモデルとしてのメモリアルモデルになるのではないかとのお話もされていました。

それにはまずポルシェが今のポルシェになるまでの歴史が絡んでくるわけですが、五味さんいわく:

  • ポルシェ911は、そもそも昔はタイヤがダメであったことから上から押さえつける力がなければグリップしなかった
  • よって駆動輪をどうやって上から押さえつけるかを検討し、エンジンを出来るだけ車の最後尾に置くことで負荷をかけた
  • RRモデルは熱源が風が1番あたらない後ろにあるのでとにかく熱との闘いであった
  • どんどんハイパワー競争となってくる上で、ハイパワーになるとより熱が出ることから冷却するために水冷モデルになった(これが996型)
  • 水冷になったことでパワーを出せることになったけれど、次はそのパワーをあますことなく駆動力として使いたいのでトランスミッションを開発、そして完成されたのが997型でのPDK
  • 通常のマニュアルトランスミッションより997型のPDKは小さかったため、長さが足りなかったのでゲタをはかせていた
  • そのゲタを991型になる時にはずしたことで、その分タイヤをさらに後ろに持っていくことが出来、ロングホイールベースにした(そうすることでブレーキ、加速、そして乗り心地が良くなった)
  • そうなるとあと992型の開発時点で残されていたのは横方向の動き。それに対応する為にワイドトレッドに
  • 今までは四輪駆動だけがワイドボディであったものがすべてのモデルにおいてワイドボディになった→ナローとワイドの両方を作るのはメーカーにとって足かせになるだけだから
  • ワイドボディのみにしたことによりエンジンを今まで以上に低く最適な搭載することが出来るようにった→シャーシに直置き、エンジンマウントをぎゅっとしめるとリアの剛性が非常に高まるように
  • そのままだと乗り心地が悪くなるが、ポルシェはアクティブ型のエンジンマウントがあるためエンジンマウントの緩め方を調整することで乗り心地の良さまで調整できている
  • このように横方向までしっかりできてきたのが992型

つまりはポルシェ911にとっての『フェーズ1』が空冷モデルの993型まで。

そして『フェーズ2』が992型で完成。

次は何かしらの形で電気が入ってくる『フェーズ3』になるのではと言われていました。

よってこのICE最終モデルとなる992型はかなり完成されている最良モデルなのではないかと五味さんはおっしゃっていたわけですが、すごくわかりやすいうえにまさに私もそう思いました。

五味さんが考えるタイカンについて

最後にはポルシェが誇るフル電気自動車のタイカンについて、3年ほどテスラを所有されていたという五味さんが語られていたお話。

五味さんも最初は「電気モデルだなんて」と思ったそうなのですが、実際に載ってみたら価値観が変わったとのこと。

五味さんいわく、ポルシェは911に乗っているお客さんからの要望としての「もっと荷物がつめたらいいのに」「後部座席にちゃんと大人が乗れたらいいのに」「でも運動性能は911のままがいい」を叶えたい夢があったのではないかと。

そして、それに応えられたのがタイカンだったのではないかと言われていました(パナメーラもあったもののちょっと重たかったので、911と同等のパフォーマンスとは言えなかったからという理由で)。

つまりタイカンはまさにポルシェ911のセダン版であり、ポルシェがやりたかったものであった、そしてそれはICE車では達成できなかったわけだけれど、電気の力を使うことにより達成出来たものなのではないかとのことでした。

最大トルクは1000Nm超えしているわけで、凄い加速。

これはICE車であればNAなら10リッターエンジンになってしまうだろうし、ターボ車でも5リッターくらいは必要になる性能。それが電気自動車であるがために非常にコンパクトな状態で積まれているのが凄いことだと言われていました。

あとは車というのはタイヤが回る中心よりも上にあるものは車が曲がる時に遠心力で外に行こうとする力が働く(外ロール)わけですが、タイカンの場合は500個とかの重たいバッテリーがボディー底辺(タイヤの車軸中心より下)に積まれているので曲がる時に外ロールしないのが本当に凄いところと言われていました。

曲がる時にいわゆる内ロール(バイクみたいな動き)をすることになるそうで、でもそれだと乗っている人が慣れていなくて感覚が怖い為にタイカンは「あえて」サスペンションなど重量調整して若干外ロールするくらいに合わせ込んでいるとのこと。

へーーー。

でもこういったことから、タイカンは足回りをかためなくてもぐらつくことがなく、路面にすいつけられているような感覚で走る…のに乗り心地が良くなっているのだそうです。

いや~わかりやすかったです。

五味さんは「ICE車と電気自動車という両方が選択できる今の時代」というのは非常に良く幸せな時代だとおっしゃっていました。

確かに、現時点ではまだ両方とも自分で選んで購入できるわけですからありがたい時代ですよね^^

とてもとても共感しかなく、また深い知識をお持ちながらも誰にでもわかるようにご説明してくだるまったく嫌味のない楽しいトークでとてもとても楽しかったです。

五味さん、この日はわかりやすいご説明をありがとうございました!ポルシェへの熱量も伝わってくるすてきなプレゼンテーションでした^^

トークショーのあとはPC高輪様のご配慮により2Fのラウンジを貸して下ったので、皆さまとお茶させて頂きながら色々なお話が出来たのでした。

ラウンジのテーブルが大きくて、そこに皆で着席してコーヒーなど頂いていたので「これ、なにか仕事のミーティングみたいですね」と言っていたのですが、後日知り合いの方から「PC高輪のラウンジにいらっしゃいましたね?」とご連絡を頂いたので「いました!お声がけ下さったら良かったのに」と返答したらまさに「お仕事中だったようなので」と言われました(笑)。

やっぱり第3者からみても仕事のミーティングに見えたようです…って、PC高輪でミーティングしませんから~(笑)。

この日、お声がけさせて頂いて一緒にPC高輪に行って下さった皆さま、そして大人数でも受け入れて下さったPC高輪の担当営業様、事前に色々ご手配頂いた私の黒カレラの時からの担当営業様、PC高輪の皆さま、そして五味やすたか様、とても楽しいひと時をありがとうございました。

PC高輪様のこれからのますますのご発展をお祈り申し上げます^^

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