アイコンズ・オブ・ポルシェで展示された2台の車
ドバイで開催された第5回目となるアイコンズ・オブ・ポルシェ(Icons of Porsche 2025)でいくつかのポルシェモデルたちが展示されたわけですが、今回はそのうちの2台についてです。
ポルシェ x ラブブ
まず1台目はポルシェとアーティストのKasing Lung氏によるコラボレーション企画で、Kasing Lung氏といえば昨年くらいから大流行したラブブ(Labubu)を作られた方。

となれば、そのコラボとなればそれは「ポルシェとラブブ」になりますよね。
このコラボが成立したのは私としてはなかなか意外でした。ポルシェはこういった流行モノ(と言ってすみません…)とはコラボとかしないイメージがあったので。
ポルシェが単なる車メーカーではなくて文化ブランドとして進化している姿勢を表すプロジェクトとなっているとか。

さらにどうでも良いことですが、最初に「ラブブ」という名前を聞いた時に私はてっきり「LOVE」から来ている名前で「Lavuvu」だろうと思ったのですよね(初めて聞いたのは日本語のカタカタでのラブブだったので)。でもその後「Labubu」と知って、これまたちょっと意外でした。
いや、ホントにどうでも良い話だな(笑)。

さてこのラブブとポルシェとのコラボですが、そのラブブのシリーズ「The Monsters」の10周年であることから、『The Monsters』10周年&Porsche 911タルガ60周年というダブル・アニバーサリーの意味があるそうです。
今回発表されたのはキャラクター「King Mon」がポルシェ911タルガに乗った金属製アートスカルプチャー(高さ約40㎝)。
こちらは世界限定60体で2026年に販売予定だそうです。

もう1つは実車のアートカーで、992型のポルシェ911タルガの運転席には巨大ラブブがTシャツ姿で座っているという演出だそう。

デザインもKasing Lung氏によるラブブスタイルの特別仕様とのことです。

ちなみにポルシェとラブブのコラボははすでに2025年3月に台北のポルシェNOWでも展示されていたりしたそうです。
知らなかった!


ところで、よろしければせっかくなのでここで我が家のラブブも見て下さい。
以前次女が「欲しい~」と言っていたところ、我が家とは家族同然な友人(アメリカ在住)がわざわざ仕入れて日本まで持ってきてくれたものです↓

そういうことから我が家にとってのラブブは仲良し友人家族を思い出す存在にもなっています^^
初代カイエンのSonderwunschプロジェクト:70年代風に
もう1台の車は初代カイエンをベースに作られたゾンダーヴンシュによるプロジェクト。

カテゴリーは「Factory Re-Commission」と言われています。ゾンダーヴンシュってカテゴリーがあるの?
今だにその全貌がわからずにいる私です。色々と深すぎる…。

ゾンダーヴンシュのFactory Re-Commissionとは
この「ファクトリー・リコミッション」とはオーナーがすでに所有している車を工場でカスタムするもので、特徴としては全体カスタムが前提、そしてやりたいことが技術的に可能かどうかの評価後、OKであれば車両をツッフェンハウゼンに持ち込み→見積→再製造となるものだそうです。
過去にこの「車を新車同様にしてオーナー仕様に再構築する」という手間のかかるものはクラシックポルシェやカレラGTという希少モデルを対象にされてきていたものであったので、今回カイエンに採用されたというのがとても特別なことだったようです。

カイエンのオーナーは実業家で熱心な車のコレクターであるPhillip Sarofim氏。
オーナーから依頼されたテーマは『911 Spirit 70 x 初代カイエン』ということで、初代カイエンを911 スピリット70から強く残った印象の通りの70年代風にしてよね、と。

なぜカイエンだったかというと、彼の夢はドバイのルブアルハリ砂漠をAirstream(牽引キャンピングトレーラー)で旅することであるからだそうで、うーん、ゾンダーヴンシュの先にある夢もまた壮大!

ベースとなった車は2009年型のカイエンGTSで、すでにこちらのお車の走行距離は約80,500㎞のもの。
外装仕上げはPTSでのブラックオリーブ(Blackolive)カラーに、ホイールと下部パネルはマットブラックに。オフロードタイヤをつけ、US規格のヒッチ(牽引用)を追加。

Leather to Sampleとは
内装のカラーコンセプトはイングリッシュ・グリーン(English Green)とのことで、これも特別色…って、またここで新たな単語が。
それが『Leather to Sample』。
なに~。ペイントトゥサンプル(PTS)と同じくレザーにもレザートゥサンプル(LTS)という言葉があったのですね???
というわけでLTSは通常オプションで用意されているわけではない、特別なカラーからレザー色を選択できるものということになります。

ゾンダーヴンシュになると、なんというかいつも、すっと色々な知らないことをさりげなく出してくるポルシェな気がしますが(笑)、とにかくこのお車の内装はLTSでのカラーと、911の象徴柄であるPashaパターン(黒xオリーブ)を座面やグローブボックスに採用。
細部もライトブラッシュド・アルミ仕上げだったり、内外装全体で統一感ある70年代レトロx現代のポルシェという仕上がりになっているとのことです。

2002年に初登場したカイエンはすでに「Youngtimer」として扱われ始めていることから、今回ポルシェが16年落ちの車を新品同様に蘇らせるプロジェクトを行ったことで、初代カイエンがすでに文化的価値を持つ存在に昇格したという意味を持つようです。

本気でオーナーの夢を形にしていこうと寄り添ってくれるポルシェ、最高です。
ただオーナー側もかなり頑張らないと自分のポルシェをさらに夢の車にする為の対価が支払えないわけなので(笑)…夢を叶えるように頑張ろうと思わせてくれるポルシェでもあるわけですね(たぶん)。

出典:
◆(公式)Kasing Lung presents limited art collectible at "Icons of Porsche 2025"
◆(公式)With 70s vibes in the desert: unique Sonderwunsch Cayenne
◆PorscheNow Taipeiのインスタグラム
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◆限定2,500台、最後の911ダカールはゾンダーブンシュでカスタマイズされた1台
◆ドバイで開催された『アイコンズ・オブ・ポルシェ・フェスティバル』と特別なゾンダーブンシュ車の発表
◆Porsche Rennsport Reunion 7 | 2023に行ってきました ④ゾンダーブンシュ、356、スポーツクラシック、ショップ
◆ゾンダーヴンシュ・プログラムによるクロマフレア塗装の911
◆ポルシェでワンオフカーが作れるように。初代カイエンカスタマイズも
◆ポルシェのPTSカラーが追加され選択できるボディカラーが160色以上に
◆Paint to Sample Plusで誰かが作ったボディカラーがPTSカラーとして登録されるって
◆第5回目『アイコンズ・オブ・ポルシェ・フェスティバル』:新型ポルシェカイエンEVがドバイで初公開
◆ポルシェ新型カイエン・エレクトリックとカイエン・ターボ・エレクトリック発表
