新しい内燃機関とプラグインハイブリッドモデルの発売へ
2025年2月7日(金)にポルシェAGの株価が7%下落。これは欧州企業の中では最大の下げとなるもので、ポルシェAGにとってももちろん上場以来の最悪の下落。
なぜこんなにも一気にポルシェ株が下落したかというと、その前日にポルシェが2024年通期の暫定数値と2025会計年度の予測の主要数値を発表したためで、その内容は『新モデルへのコストとバッテリー関連の費用が2025年の利益を圧迫するとし、今年の利益率がわずか10~12%になるとの見通し』というもの。
この数字は中期目標の17~19%を大きく下回り、さらにはアナリストが予想していた14.8%という数値でさえも下回る数字であったために、もういきなり投資家みんなビックリみたいな。
ポルシェの発表によると新しい内燃エンジン車とプラグインハイブリッド車を発売することで、利益に8億ユーロ(約1,250億円)の打撃を受けるとのことなのです。
つまりそれって言い換えれば、今後ポルシェは8億ユーロを使い新しい内燃エンジン&プラグインハイブリッドモデルを開発するということになります(もちろん開発費だけで8億ユーロではなく色々なコスト含め)。
では、まずは2025年2月6日にポルシェが発表された内容を見ていきたいと思います。以下がポルシェの公式サイトからの発表内容となります:
2024年通期の暫定数値と2025 会計年度の予測の主要数値
- 短期および中期的な収益性強化のための対策としての計画:
- 内燃エンジン車やプラグインハイブリッド車の追加モデルを含む製品ポートフォリオの拡充
- 特別仕様車や専用工房の拡大
- 企業組織の調整
- 特に車両開発や自社子会社でのバッテリー関連活動に関連する費用が大幅な追加支出をもたらす
- 2025年度にはこれら全ての対策が営業利益および自動車部門の純キャッシュフローに合計約8億ユーロ(約1,250億円)の影響を及ぼすと予想される
- 前述の支出や費用および市場の影響による2025年度の売上予想の下方修正を考慮し、2025年度の業績を以下のように予測している:
- 売上高:390億~400億ユーロ
- 売上高利益率:10~12%
- 自動車部門の純キャッシュフローマージン:7~9%
- ポルシェは未監査の暫定数値に基づき、2024年度の主要業績指標について以下のように予測している:
- 自動車部門の純キャッシュフローマージンは約10%強(予想:7~8.5%)
- 売上高利益率は予想レンジの下限に位置している
- その他の主要業績指標は予想範囲から大きな乖離を示していない
- 2024年度の自動車部門の純キャッシュフローマージンには第4四半期に実施された在庫削減と年末に発生した有利な特別項目が考慮されている
- 外部の計画資産を通じた年金計画の資金調達に関連する2億5,000万ユーロ(約391億円)のキャッシュアウトフローも考慮されている
- 2024 年度の業績と現在の年度の計画に基づき、執行委員会は監査役会の最終承認を条件として前年とほぼ同水準の配当を年次総会に提案する予定
- 2024年度の年次報告書とサステナビリティ報告書(2024年度の最終財務数値と2025年度の予測される展開に関する完全なレポートを含む)を2025年3月12日に発行する予定
- これらの主要な数値の定義は2023年年次報告書およびサステナビリティ報告書の184ページ以降に記載あり:https://investorrelations.porsche.com/en/financial-figures/
以上がポルシェAGからの発表内容となります。
欧州でのEV需要低迷と中国での現地メーカーとの競争の中で、ポルシェが内燃エンジンに方向転換する最初の自動車メーカーとなったと報じられていますが、ドイツ銀行のアナリストたちは「これはP911(ポルシェAGの優先株)が長期株主の信頼をさらに失う前に事業を立て直す能力があることを証明する最後のチャンスだと見ている」とのこと。
少し前には財務&営業トップが交代させられるかもという話も出ていましたし、色々と不安定ですね。
まずは2025年3月12日に発表される2025年度の予測される展開に関する完全なレポートを待ちたいと思います。
出典:
◆(公式)Latest news from Porsche AG
◆Porsche shares tumble as carmaker warns cost of new models to dent 2025 margins