2020年5月18日に新型ポルシェ911である992型のタルガが発表されました。
この新しい最新型タルガの発表に続いて、今までのポルシェにおけるタルガモデルの歴史についても、ポルシェが説明してくれていましたので、そちらを見てタルガの歴史を簡単に学んでみました~^^
ではでは、たくさんの写真たちと共にタルガの歴史を見てみたいと思います。
ここから下、最後2枚以外の写真出典はすべてポルシェのプレスリリースからとなります。
1965年9月に登場した初代タルガ
- ポルシェから初めて911タルガが世の中に向けて発表されたのは、1965年9月のフランクフルト・インターナショナル・モーターショー。
- タルガはカブリオレでも、クーペでもない、ハードトップでも、サルーンでもない大変新しいものであった。それは、言ってみれば「ロールバーがついている初の安全なカブリオレ」。
タルガという名前の由来はタルガ・フローリオ (Targa Flori)から
- その昔、カブリオレは安全性において問題があるということで、アメリカ市場ではカブリオレモデルを完全に禁止とするよう求める声があり、それに対応して作られたのがタルガというコンセプト。
- この新しいコンセプトのモデルの名前を決める時、ポルシェがすぐに思い浮かべたのは、その頃、1950年代半ばからポルシェが勝っていたイタリアのシチリア島開催されていたロードレース「タルガ・フローリオ(Targa Florio)」。
- 最初のうち、しばらくはこのタルガ・フローリオという名称の中でも「フローリオ」の方が車のモデル名として議論されていたが、当時の国内営業責任者であったHerald Wagner氏が「なぜ、タルガと呼ばない?」と言ったことにより、そこからこのモデルは「タルガ」という名称に。
- 他にも、のちにコピーライターがカタログを作っている時に、タルガという単語はイタリア語で「ナンバープレート」という意味を持つことにも気づいたとのこと(※プレスにはナンバープレートと書いてありますが、ポルシェ公式動画の方ではヘラルドさんご本人が「イタリア語でタルガは「Shield」を指すらしいけど、タルガでいいんじゃないのって言った時にはそのことは知らなかったんだよね、と語られています)。
- 1965年8月、ポルシェはタルガのコンセプトの特許申請をし、1966年秋からタルガは911、911S、912に登場し大成功を収めた。
- 1967年夏の終わり頃からは、タルガモデルには折りたたみ式のプラスチック製のリアウィンドウの代わりに、固定された安全なガラス製に変更できるオプションも登場。
- それはそれからわずか1年後には標準装備となり、1993年までのタルガに採用されていた。
ポルシェ Gシリーズモデルでのタルガ
- タルガは、1973年夏の終わりから作り始められた911の第2世代であるGシリーズモデルにも採用。
- 初めて911のボディは修正がかけられ、新しいアメリカの法制に沿うよう、新しく黒のベロウ(Black Bellows)がサイドにつけられた、ボックス型のバンパーが登場。これは時速8キロまでの衝撃を、車にダメージを与えることなく吸収することが可能であった。
- タルガ・ルーフのデザインにおける技術的な変更はなかったが、見た目は変更され、以前の耐久性のあるステンレススチールのタルガ・ロールバーには、黒色も用意された。
- 1983年1月にポルシェ911SCカブリオがラインアップに追加された時でさえ、タルガは健在でありそれは1989年のGシリーズ生産終了後にも続いた。
ポルシェ964の85%は新しいパーツで作られたが、タルガはクラシックのまま
- 1988年秋、ポルシェは初の四輪駆動ポルシェ911を発表。それがポルシェ911カレラ4の964型であり、911の第3世代モデル。
- ポルシェ911(964)はクラシカルなそのスタイルを維持していたものの、実際には85%の部品は新しいものに変わっていた。その1年後、このカレラは911カレラ2として後輪駆動モデルも出され、そのボディタイプにはクーペ、カブリオレ、そしてタルガがあった。
- 1993年まで製造されたポルシェ911カレラ2タルガと、ポルシェ911カレラ4タルガは、クラシックなタルガ・ロールバーがあり、ルーフセンターを取り外せるようになったままであった。
- 最終的にポルシェ911の始まりから、この第3世代までのポルシェ911モデルにおいて、タルガモデルは87,663台が製造された。
ポルシェ911、993型のタルガのルーフはガラスになり、ロールバーがなくなった
- 第4世代のポルシェ911である993モデルは1993年秋に登場。1995年11月に、993モデルの新しいタルガコンセプトが発表に。
- ポルシェ911にとって初めて、フロントウィングがより広くなり、大幅にフラットに。リアウィングも同じくワイドになり、リアに向かってまっすぐになった。
- エンジンとシャシーの大幅な強化に加え、993のタルガは今までとは全く違う方向性で、タルガのロールバーを持たなくなった。
- フロントウィンドウフレームからリアにかけての着色された断熱ガラス製のルーフが縦方向の安全構造となり、さらにこのルーフはボタンでスムーズにガラスがリアに電動で格納されるスライディングルーフに。
- この新しいスライディング・ルーフにより、屋根を閉めた時には風切り音を減らしながらも太陽の光を沢山車内に取り込むことが可能となった。
- 993からの新しいタルガコンセプトは、クラシックなクーペのルーフラインを根本的に変えることなく、初めてポルシェ911にオープントップのドライビング・プレジャーを組み合わせたものとなった。
新しいルーフを持った996型のポルシェ911タルガ
- 1997年には新しい第5世代目のポルシェ911となる996型のポルシェ911カレラが登場。
- これは、完全に再設計されたものであり、今までの空冷エンジンであったものが、水冷式の6気筒ボクサーエンジンへと変更された。
- この996モデルのタルガは2001年12月に、クーペとカブリオレと共に登場。
- 993モデルと同じく、このタルガは電動スライド式ガラスルーフを備えていたが、その表面積は1.5平方メートルを超えるものとなり、ポルシェ911にとって過去最高に大きなガラスルーフとなった。
- さらに、この997モデルのタルガは、911初となる、リアウィンドウを上にあげて開けることが出来たので、それにより230リットルのスペースがある後部座席エリアへのアクセスがしやすくなっていた。
997型のポルシェ911タルガ4、タルガ4Sという初のバリエーション
- 2006年9月には、ポルシェ911の第6世代となる997型のタルガが登場。
- 996型と同じタルガルーフを備えていたが、さらに実用的なリアリッドが追加された。
- 特別なガラスを使用することで、その重量は1.9キロに抑えられ、そのルーフに沿ってデザインされていた光沢のあるアルミニウムのラインは非常に目を引くものだった。
- さらには、この997型のタルガからは、タルガ4と、タルガ4Sという2つの四輪駆動のモデのみの販売となった。
タルガロールバーの復活:991型のポルシェ911タルガ
- 2011年9月に、ポルシェはまた完全に再設計された第7世代のポルシェ911である991モデルを発表。
- クーペ、そしてカブリオレに続いて、新しく革新されたタルガルーフを備えたモダンクラシックなタルガモデルとして、2014年1月に991型のタルガが登場。
- クラシックなタルガのアイデアは、最新のルーフの利便性とあわさり、オリジナルのタルガのようにBピラーにはワイドなタルガバーが供えられ、さらにフロントシートの上部には可動なルーフセクション、そしてCピラーのないリアウィンドウとなった。
- クラシックモデルと違ったのは、この新しいタルガではボタンを押すだけで、ルーフが自動で開閉するように。
- 電動ルーフは、リアシートの後ろにあるハードトップの中に格納されるようになった。
- 新しいこの991のタルガは1965年のクラシックモデルがイノベーションされた新しいハイエンド・バージョンなモデルに。
最新ポルシェ911 (992型)タルガ
そして、今回新しく第8世代のポルシェ911のタルガが発表となったわけですね^^
ここまでタルガの歴史をしっかり教えて下さったポルシェに感謝です。沢山学ぶことが出来ました。
タルガのロールバーがないタルガの存在
そして、ここでまた1つ告白を…。
ポルシェマニアの皆さまからは「あんたバカァ~?」と、言われてしまいそうなことなのですが、じ、実は私…タルガには、こんなにも途中、何世代にもわたって「タルガ・ロールバーがない時代があった」ということ、知りませんでした~!!!
あああ、色々なところからの、あんたバカァ~?が聞こえてくる~(笑)!!!
すみません、あの、純粋にポルシェ大好きなのですが、まだまだ学び途中のポルシェ新参者なので…はい、これからも頑張って色々学びたいと思います^^
だって、私がポルシェ大好きになってからのタルガには、もう復活してバーがあったんだもん…(最後の最後まで言い訳)。
楽しい歴史のお勉強でした^^!
最後にこちらが2020年5月26日にポルシェが公開された動画です↓
出典:History of the Porsche Targa
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