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Porsche: ポルシェ

ポルシェ・ターボの歴史

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見ためはカタツムリだけれど、ポルシェを加速させるターボ

今回、新型ポルシェ911ターボSが発表されたことをうけてか、ポルシェ歴代の「ターボ」をポルシェが改めて紹介されていました。

ポルシェいわく、「ターボ」の形状はカタツムリのよう…って可愛い^^

でも、そんなのろのろ進むカタツムリとは全然違って、ターボはもっともっと速くエンジンを動かすことが出来るものである、と。

ポルシェは1970年代前半から、車のパフォーマンスを向上させる手段として、ターボチャージャーを導入。

1972年には、ポルシェ917/10にターボを搭載、さらには最大260hpを発生させることを可能とした911のターボにより「ハイパフォーマンス・スポーツカーメーカー」となることが出来た、とのことです。

ポルシェ市販車初のターボ搭載車はポルシェ930

市販車として初めてポルシェでターボ搭載となったのは、ポルシェ930の世代から。

そして、そもそもこのポルシェ930は、ホモロゲーションを得る為に必要な台数であった500台のみしか生産されない予定となっていたそうです。

しかしながら、1977年にはポルシェ911ターボの改良がされ、排気量が3.0リッターから3.3リッターとなり、馬力も300hpまで上がり…結局のところ、細かい変更をのぞけば、ポルシェ930はほぼ変わることなく1988年まで生産を続けることに。

911 ターボ 3.3(930) インタークーラー

このポルシェ930ターボでの成功が、今もなお続いている新型ポルシェ911である992型ターボへの道を開いているのです、と。

1974年からターボの開発は、(特にポルシェによって)大きく進歩。

今では、ツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)ではこの「ターボ」という言葉は、「最先端のテクノロジー」と同義語とみなされるようにまでなっている…と、あえてポルシェが書いているのですが、これはまさに今回、電気自動車であるタイカンに「ターボ」の称号を与えたのがそういう理由だからだよ、ということにつながるわけですね^^

すべてのポルシェ911世代のトップモデルにはこの「ターボ」の称号が与えられており、その技術は効率的かつ低排出(low-emission)である、と。

現在のターボエンジンの何が凄いって、それはもう、そのレスポンスからしても、より大きな自然吸気エンジン(NAエンジン)のレベルにまで達しているということだそう。

では、ざっと過去から今までのポルシェのターボを見てみたいと思います。

Porsche 911 Turbo (930) :ポルシェ911ターボ930型

この1974年のターボチャージャーは、それまではレーシングカーにしか採用されていなかった、ウェイストゲートを持っていたとのこと。

※ ウェイストゲート :ターボチャージャーによる過給エンジンにおいて、排気ガスの一部を分流させることによりタービンへの流入量を調節するバルブ機構のこと(出典:Wiki)。 

Design type: turbo
Displacement: 3,299 cm3
Max. charge pressure: 0.8 bar 
Output: 300 hp Max. torque: 412–430 Nm

Porsche 959 : ポルシェ959

ポルシェはターボ技術の将来の可能性をこのポルシェ959で実証。

1983年にIAA(フランクフルトモーターショー)のグループBの研究として初めて発表され、3年後には公道車として登場。このモデルが存在したからこそ、ポルシェのリアエンジン車(911)が現在も存続できているという話も。

全輪駆動のこのスポーツカーは2つの異なるサイズのターボチャージャーを備えた複雑なシーケンシャル・ブーストシステムを搭載。

Design type: twin-turbo (sequential)
Displacement: 2,850 cm3
Max. boost pressure: 1.0 bar 
Output: 450 hp
Max. torque: 500 Nm

Porsche 911 Turbo 3.3 (964) : ポルシェ911ターボ3.3 964型

235kW(320hp)の964世代のポルシェ911ターボは、1991年にその前身となるモデルの3.3リッターエンジンを採用。

3ウェイの触媒コンバーター(三元触媒コンバータ)と、バイパスアウトレットへのさらなる触媒コンバーターの追加による複雑な排気ガス処理によって、さらに厳しくなった排出基準に適合。

圧縮制御されたマップインジェクションと、50%大きくなったチャージエア・クーラー(インタークーラー)も追加。

1993年には、3.6リッター、265kW(360hp)に。それでも、燃費は向上していたそうです。

Design type: turbo
Displacement: 3,299 cm3
Max. boost pressure: 0.8 bar 
Output: 320 hp
Max. torque: 450 Nm

Porsche 911 Turbo (993) : ポルシェ911ターボ 993型

1995年には空冷世代最後となるポルシェ911ターボ 993世代が発表に。

量産モデルにおいて、ポルシェが2つのターボチャージャーを採用したのはこれが初めてのモデル。

ただ、この2つのターボチャージャーは、ポルシェ959のシーケンシャルなものとは違い、パラレルに機能するもの。

各シリンダーバンクには小型のターボチャージャー1基が組み込まれ(=圧縮機をより早く機能させるべくタービンの質量慣性を小さくした)、ターボに統合されたウェイストゲートも新しいものに。

このポルシェ911はこの時代において最も低排出ガス車であったそうです。

Design type: twin-turbo (parallel)
Displacement: 3,600 cm3
Max. charge pressure: 0.8 bar 
Output: 408 hp
Max. torque: 540 Nm

Porsche 911 Turbo S (996) : ポルシェ911ターボS 996型

1997年に発表されたポルシェ911の996世代、そして2001年に発表されたそのターボ・バージョンは新しい時代の始まりであり、この新しい3.6リッター・ターボを含むすべてのエンジンが水冷式に。

ターボとターボS(2004年のもの)には、エンジンに使用される可変バルブ機構であるバリオカム・プラス(VarioCam Plus)を採用。

ターボエンジンは1998年のル・マン勝者であるポルシェ911 GT1のパワートレインに基づいていたそうです。

ターボSモデルではポルシェ・セラミック・コンポジット・ブレーキ(PCCB)が標準装備。ティプトロニックSはリクエストベースでオーダー可能となっていたとのこと。

Design type: twin-turbo (parallel)
Displacement: 3,600 cm3
Max. charge pressure: 0.9 bar 
Output: 450 hp
Max. torque: 620 Nm

Porsche 911 Turbo (997) : ポルシェ911ターボ 997型

ポルシェ911ターボの997世代は、2006年に発表されたその時、世界初の『ガソリン車と可変タービンジオメトリー(VTG)』を組み合わせたことで世間を驚かせました。

※可変タービンジオメトリー (VTG):タービンのアジャスタブルガイドベーンが、小型と大型のターボチャージャー両方のメリットを兼ね備えるように機能し、低回転域で抜群の応答性を発揮。極めて高い最高出力を生み出す(出典:ポルシェ)。

VTGが採用されたことで排気ガスに含まれるエネルギーを、ターボチャージャー内で理想的に再利用することが可能に。

エンジン回転数が低い時には、タービン手前のガイドベーンが排気ガスの通路面積を小さくし、高速走行時には、多量の排気ガスがタービン方向へ流れ、電子制御装置がタービン手前に設けられたガイドベーンを開くという仕組みだそう。

ちなみに、ゆっくり走っている状況から、一気にアクセルを踏むような時でも、排気ガス通路面積が小さくなっていれば、空気が流れ込む速度が上がるので、ターボチャージャーは素早く機能することが可能。

Design type: twin-turbo (parallel)
Displacement: 3,600 cm3
Max. charge pressure: 1.0 bar 
Output: 480 hp
Max. torque: 620 Nm with overboost control

Porsche 911 Turbo S (992) :ポルシェ911ターボS 992型

ターボ開発はポルシェ911の最新型である992世代でさらに凄いモノに。

新しい992のターボSのエンジンは、ウェイストゲートにVTGを組み合わせたものとなっているそうで、その利点は、コールドスタート時にも、電子制御バイパスを介して、直接、触媒コンバータが迅速に温められるということがその1つ。

他にも、フルに負荷がかかっている状態の時に、排気背圧が自動的に低下し、燃焼を妨げるシリンダー内の残留ガスを減らすことで、効率も良くなっているそうです。

Design type: twin-turbo (parallel)
Displacement: 3,800 cm3
Max. charge pressure: 1.4 bar 
Output: 650 hp
Max. torque: 800 Nm

今回、新型ポルシェ911(992型)のターボSが発表になったこの機会に、改めてポルシェのターボの歴史を振り返って学んでみるというのは、私にとっても大変良い機会で、知らなかったことを沢山学ぶことができました。

ポルシェ992型のターボSのターボチャージャー

…って書くと良い感じかもしれませんが、メカニカルなことが苦手な私は、実はもう、ここまでの情報でいっぱいいっぱいです(笑)。

出典:
(公式) Under Pressure
(公式) アンダープレッシャー

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