ポルシェにとって2つめとなる完全なる電気自動車モデル
2024年1月25日にポルシェにとってタイカンに続くフル電気自動車モデルとなるEVマカンが発表されました。ワールドプレミア会場はシンガポール。
驚いたのがこのマカンが発表された時に現地に作られていた造形物。発表直前には光り出したりしてとても綺麗でした。
遠くから見ると王蟲(オーム)みたいで、まず最初に「あれは何?!」って、マカンの存在よりも先に目が行っちゃいました^^
これは新型EVマカンのワールドプレミアを記念してアメリカはニューヨークを拠点とする建築家兼アーティストのMarc Fornes氏が作られた作品とのことで、EVマカンはさすがなんとも気合入ったプレゼンテーションになってるな~。
話を新型マカンに戻します。
ポルシェいわく、マカンは初めて2014年に発売されてから10年の時を経て第2世代に移行、その形態は完全なる電気自動車に。
今回発表されたのは
- EVマカン4
- EVマカンターボ
の2モデルとなります。この記事内の写真では白い方がEVマカンターボとなります。
今回発表されたマカン4とマカンターボは時代を超越した先進的なデザイン、そしてポルシェならではのパフォーマンス、長い航続距離、高い実用性によってポルシェのSUVユーザーの要件を完全に満たすことを目指しているとのこと。
では、今回発表された内容をざっと見ていきたいと思います^^
- ポルシェの目標はフル電動化されたマカンでこのセグメントで最もスポーティなモデルを提供すること
- フロントとリアのアクスルに最新世代の永久励磁型PSM電気モーターを採用することで出力の最適な再現を可能にしている
- ローンチコントロールとの組み合わせにより:
- EVマカン4は最高出力300kW(408PS)、最大トルク650Nm、0-100km/hが5.1秒、最高時速220km
- EVマカンターボは最高出力470kW(639PS)、最大トルク1,130Nm、0-100km/hが3.3秒、最高時速260km
800Vアーキテクチャを備えた新しいプレミアム・プラットフォーム・エレクトリック(PPE)
- 電気モーターはアンダーボディに搭載された総容量100kWhのリチウムイオンバッテリーからエネルギを取り出し、そのうち最大95kWhをアクティブに使用することが可能
- HVバッテリーは800Vアーキテクチャを備えた新開発のプレミアムプラットフォームエレクトリック(PPE)の中心コンポーネント
- DC充電出力は最大270kW、適切な急速充電ステーションでは10%から80%までの充電が約21分以内
- 400Vの充電ステーションでは、バッテリー内の高電圧スイッチにより800Vバッテリーを定格電圧400Vの2つのバッテリーに効果的に分割することでバンク充電が可能
- これによりHVブースターを追加することなく最大135kWの充電が可能に。家庭用充電器では最大11kWのAC充電が可能。
- 走行中には電気モーターを介して最大240kWのエネルギーを回生
- インテグレーテッド・パワーボックス(IPB)も軽量化と省スペース化を実現しながらEVマカンの効率性に貢献
- 革新的かつコンパクトなIPBは、オンボードACチャージャー、高電圧ヒーター、DC/DCコンバータの3つのコンポーネントを組み合わせている
- 複合航続距離(WLTP)は:
- EVマカン4 最大613km
- EVマカンターボ 最大591km
- EPAはデリバリー開始が近づく時期に出される予定
スポーティなプロポーションとクーペのようなライン
- 第2世代の新型EVマカンはダイナミックで圧倒的な存在感を放つ
- EVマカンは確立された製品アイデンティティを電気自動車に引き継ぐ初のポルシェ
- 新型EVマカンはポルシェ製品ファミリーの一員であるということが、そのブランドアイデンティティによって明確に認識することが出来る
- ポルシェの伝統的なプロポーションはさらに進化し電気自動車の課題に最適に適合、EVマカンのスポーティ・モダン・ダイナミックな外観がさらに強調された
- デザインが、このマカンが電気自動車であってもこのセグメントにおいてスポーツカーであり続けることを示している
- EVマカンのサイズは、全長4,784mm、全幅1,938mm、全高1,622mm
- スタッガードフィットメントの最大22インチのホイールが標準装備
- 先代モデル(2,893mm)より86㎜長いホイールベースはフロントとリアの短いオーバーハングによって相殺
- ヘッドライトは2つに分かれていて、フラットなアッパーライトユニットには4灯のデイタイムランニングライト
- オプションのマトリックスLEDテクノロジーを採用したメインヘッドライトモジュールはフロントエンドのやや低い位置に配置
- ポルシェの特徴であるフライラインはフラットなリアウインドウと一体に
- 特徴的なサイドブレードを備えたフレームレスドアとの組み合わせにより、スタイリッシュでスポーティなデザインを実現
- 強調されたショルダー部がリアに力強い印象を与える
- 彫刻的な3Dライトストリップ中央にポルシェロゴを配置
アクティブ及びパッシブ・エアロダイナミクスにより航続距離を延長
- 新型EVマカンはアクティブおよびパッシブエレメントを採用し、空気抵抗係数を0.25に抑えたポルシェ・アクティブ・エアロダイナミクス(PAA)により、航続距離と消費電力にプラスの効果を持つ市場で最も効率化されたSUVの1つとなった
- PAAには以下が含まれる:
- アダプティブリアスポイラー
- フロントエアインテークのアクティブクーリングフラップ
- 完全に密閉されたアンダーボディのフレキシブルカバー
- ヘッドライトモジュール下のエアカーテンと、低く構えたフロントエンドが空気の流れを最適化
- リアでは横方向のティアオフエッジとルーバー付きディフューザーが空力効率を確保
2つのラゲッジコンパートメントと拡大された車内スペース
- 新型EVマカンはパフォーマンス志向のSUVでありながら、高い日常の実用性、高品質な装備、そして広々とした車内空間を備える
- 電動化したことによりマカンのラゲッジスペースが拡大、先代モデルより127リッター上回る容量に
- モデルや装備に応じてリアチートベンチの後ろの容量は最大540リッター(カーゴモード)、さらに容量84リッターのボンネット下のフランク(フロントのトランク)もある
- リアシートの背もたれを完全に倒すと、リアラゲッジコンパートメント容量は最大1,348リッターに拡大
- 最大牽引性能は2,000kg
- モデルや装備に応じて、運転席と助手席は従来よりも28㎜、後部座席は15㎜低くなり足元のスペースが増加
- インテリアもまぎれもないポルシェであり、コックピットの幅は一体化されたブラックパネルによって強調
- センターコンソールのせりあがるデザインは車高が低くパフォーマンス重視のポジションという印象を高める
- 大きな窓が室内空間に明るさと開放感を与える
- 最新のデジタル・ユーザーインターフェースに加え、アナログなコントロールエレメントも用意されている(エアーベント/吹き出し口やエアコンのスイッチ類など)
- LEDライトストリップがコックピットとドアのトリムストリップに巧みに組み込まれ、アンビエント照明やコミュニケーションライトとして機能
- 状況に応じ、挨拶(greeting)、充電プロセス、ドライバーアシスタンスシステムとの連携などの情報や警告も提供
- 新型EVマカンの装備は高度なカスタマイズを可能にする
ドライバー・エクスペリエンス:高いコンピューティングパワーとコネクティビティ
- 新型EVマカンには曲面デザインの12.6インチ自立型インストルメントクラスターと10.9インチセンターディスプレイを含む最大3つの画面を備えた最新世代のディスプレイと操作コンセプトを装備
- 初の機能として、オプションの10.9インチディスプレイを介し走行中の乗員によるインフォテインメントシステム情報の閲覧、設定調整、ビデオコンテンツのストリーミング再生が可能に
- さらに初の機能としてAR(拡張現実)技術によるヘッドアップディスプレイも装備
- ナビゲーションの矢印などの仮想エレメントは視覚的にシームレスに現実世界に表示される
- 87インチディスプレイサイズに相当する画像がドライバーの10メートル前方に表示される
- 新世代のインフォテインメントシステムは、アンドロイドオートモーティブOS(Android Automotive OS)がベース
- 標準装備のポルシェ・コミュニケーション・マネジメント(PCM)はコンピューティング性能を新たなレベルに引き上げる
- 例えば『Hey Porsche (ヘイ、ポルシェ)』音声アシスタントは充電ステーションを含むルートなどを瞬時に提案
- 新しいポルシェアプリセンターでは、サードパーティプロバイダーの人気アプリに直接アクセスし、マカンにそのままインストールすることが可能
マカンで初めてリアアクスルステアリングと2バルブダンパーを装備
- 特にスポーティなシートポジションと低重心、そして印象的なドライビングダイナミクスとステアリング精度により本物のスポーツカー感覚を実現
- EVマカン4、EVマカンターボともに4WD
- 2つの電気モーターはパワーエレクトロニクスを介しほぼリアルタイムに制御される
- 電子制御のポルシェ・トラクション・マネジメント(ePTM)は従来の4WDシステムの約5倍の速さで作動、10ミリ秒以内にスリップに対応することが可能
- 4WDの配分は選択されたドライビングプログラムによって制御される
- リアアクスルの電子制御式ディファレンシャルロックであるポルシェ・トルクベクトリングプラス(PTV Plus)も、マカンターボのトラクション、走行安定性、横方向のダイナミクスに貢献
- エアサスペンション仕様車(ターボには標準装備)には、ポルシェ・アクティブ・サスペンション・マネジメント(PASM)電子制御ダンピングコントロールが装備
- オプションでスチールスプリングサスペンションとの組み合わせも可能
- PASMには2バルブ技術を採用したダンパーも装備
- より広範なダンパーマップにより、快適性とパフォーマンス間の範囲がさらに広がり、ドライビングプログラムの違いがさらに明確になる
- 新型EVマカンで初めて最大操舵角5度のリアアクスルステアリングがオプションで用意される
- 市街地走行や駐車時に11.1メートルというコンパクトな回転径を実現すると同時に、精確なフロントアクスルステアリングにより高速走行時の卓越した走行安定性を可能に
- 2014年以来、ポルシェは世界中で800,000台以上のマカンを販売
- ライプツィヒ工場で生産されるこのカーボンニュートラルを実現した新型フル電動化モデルのマカンもそのサクセスストーリを引き継いでいくだろう
- 新型EVマカンは2024年下半期に最初のデリバリーがされる予定(※2024年1月26日時点で、日本国内における新型マカンの予約受注開始日、開始、仕様などは決まり次第お知らせという状況)
- アメリカでのEVマカン4の車両本体価格は78,800ドル(1,650ドルの諸経費含まず)
- アメリカでのEVマカンターボの車両本体価格は105,300ドル(1,650ドルの諸経費含まず)
出典:
◆(公式)Macan sets new standards: the first all-electric SUV from Porsche
◆(公式)Latest photos of the world premiere of the new Porsche Macan
◆(公式)World premiere: Porsche takes the all-electric 2024 Macan to a new level
◆2024 Porsche Macan EV Arrives From $79k, Turbo Is Faster Than A 911 GT3
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