ポルシェ911のリアエンジン
Jason Torchinsky氏による『リアエンジンのポルシェ』を走らせながらの『リアエンジンのポルシェ』について語る動画を見てみました。
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ポルシェ356、ポルシェ901、そしてポルシェ959の3台を、カリフォルニアのサーキットで走らせています。
彼いわく、彼はそんなに運転が上手なわけではない…とのことで、車を走らせることよりも「ポルシェのリアエンジンについて」を話す方が中心^^
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今回のこちらの動画を見て、最初に何に1番驚いたって、それはもう、この彼のドライビングポジションかな。ステアリングに近くないですか??
これらのモデルを運転する時って、ドライビングポジションはこのくらい前の方が良いのかな?それともただ単に彼がそうしているだけ??
「もしや空冷ポルシェを運転する時は、ドライビングポジションがかなり前になる傾向にあるの?」なんていう疑問さえ持ってしまいました。
いや、やっぱりただ単に彼だけのこだわり(?)なのでしょうけれど…^^
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リアエンジン・モデルの登場
リアにエンジンを搭載した車としては、1910年代にRumpler Tropfen-Autoによるリアエンジンの車が登場。
その後、フォルクスワーゲンのリアエンジン車などの開発が進んだものの、だいたいのリアエンジン車は1970~80年代にはすたれてしまったそう。
ただ唯一「ポルシェ」をのぞいて。
「では、ここからは車に乗りながら」ということで、まずはポルシェ356に↓
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こちらのポルシェ356は、フォルクスワーゲン・ビートルからのコンセプトで製造されているので、使われているパーツもほとんどビートルと同じもの。VWタイプIと同じリアエンジンを採用。
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ただ、VWにはオイルフィルターがなかったのに対し、356にはフルフロー・オイルフィルターシステムが採用。
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またボディサイズ的にも、ビートルはこんな感じなのに対して↓
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ポルシェ356はこんな感じ↓
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ポルシェ911という名称の誕生
続いてはポルシェ901に乗り換えて、まだまだ語ります^^
ポルシェ901は、1964年9月から量産が開始されたモデル。
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もうこのブログに来て下さっている方には当たり前の常識の1つかとは思いますが、もともとのポルシェ911は「ポルシェ901」と名付けられていました。
しかしながら、その時代にプジョーがすでに「モデル型番の真ん中にゼロが入る3ケタのモデル名」を商標登録して抑えていたことから、ポルシェに901というモデル名を別のものに変更するように要請。
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それで、ポルシェは「901」というモデル名を「ポルシェ911」と変更するに至ります。
プジョーから異議申し立てを受け、モデル名を911に変更する前にすでに82台のポルシェ901が生産されていたということから、この82台の車たちだけは名称変更前の、実質「901」というモデル名として残っているそうです。
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モデル名を変更せざるをえなかった、という理由からの結果論とはいえ、ポルシェを代表するこの現在のポルシェ911のモデル名は、やはり「ポルシェ901」より「ポルシェ911」の方が良かったのではないかな。
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911の方が901よりカッコイイ気がする…(って、それはただもう聞きなれているから^^?)。
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ポルシェ901も、もちろんリアエンジンのままではあるものの、モノコックデザインとなり、水平対向4気筒エンジンから水平対向6気筒エンジンへ。
もうこのモデルからは、ほぼVWビートルと共有しているパーツもなくなったそう。
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1960年代はリアエンジンの車時代であり、ビートルやポルシェ356によって証明されたリアエンジンの車のすごさを受け、様々なメーカーがリアエンジンの車を開発。
以下の表にある車たちが、その時代に沢山表れてきたリアエンジン車たち↓
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続いては、ポルシェ959に乗り換えての説明。
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ポルシェのリアエンジン・モデルが消滅しなかったのは、このポルシェ959のおかげである、と語られています。
この959という存在があったからこその、現在の911存続につながっているそう(959が出される前に、911はもうやめようという話が出ていたとのこと)。
959が凄い車として世の中に出され、それが一定数売れたことにより資金も集まった為、911が絶滅せずに存続された…みたいな話もあるようです。
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ポルシェ959には電子制御シャシーが搭載され、他にも車高調整システムなど現在のモダン・スポーツカーが持ちうる技術が搭載されている凄いモデル。
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リアエンジンの車が世の中から消えてゆく
1970~1980年代になると、リアエンジンのモデルを作るメーカーはほとんどいなくなり、残ったのはVWとポルシェくらい。
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さらには、VWでさえビートルからゴルフに移行していったので、1980年代にはもうほぼポルシェしかリアエンジンのモデルを継続していなかったのだとか。
そんなポルシェでさえ、前述の通り1981年にはもうリアエンジンの車をやめようかという話にもなって…
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そのような流れから、ポルシェは924とか928というフロントエンジンの車にフォーカスするように。
でも。
ポルシェ959のおかげというのもありますが、それよりも、ポルシェの人たちはやっぱり911をやめてしまうこと、リアエンジンをやめてしまうことに「何か違う」って思ったのだそうです。
「やっぱり911がいいよね」と。
結局、他メーカーたちがリアエンジン・モデルの製造をやめていった中でも、ポルシェはリアエンジンの「ポルシェ911」にこだわりを持ち、そのリアエンジン、水平対向6気筒、フライライン…などのすべてが、「ポルシェ911」として、今の時代にまで続いています。
ちょっとしたことでも、こうして歴史を知れば知るほど、ポルシェ911が今でも存在してくれていることに感謝です。
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「ポルシェ911を存続させなければ」という信念を曲げずに、今のポルシェ911を作り上げてきて下さった方々いるからこそ、今、この時代にまだまだ進化しつづけるポルシェ911に出会えています。
これからもまだまだポルシェ911の今後を見ていくのが楽しみです^^
動画はこちらから↓