ポルシェのフル電気レースカー Mission R
ミュンヘンで開催されているIAAモビリティの場から、2021年9月6日(月)日本時間夜10時にポルシェから新しいコンセプトカーが発表になりました^^
事前に赤い車とシルバーの車のティザー画像を出されていたので「2台でるの?」って思っていましたが、前が赤でリアが白(?)という2色カラーの1台であったというオチ。
すみません…(笑)。
発表されたのはMission R (ミッションR)というサステナブルな素材、天然繊維強化プラスチックなどを組み合わせた最先端のテクノロジーを持つフル電気自動車のレースカー。
ポルシェ ミッションRとは :スペックなど
ミッションRの為に新しく開発された電気モーターはクオリファイモードと呼ばれるモード(つまりはレースの予選用?)では1,073馬力(800kW)の出力を誇り、バッテリーのキャパシティーは約80kWhでスプリントレース中に出力を失うことなく戦うことが可。
このミッションRは、顧客向けのレースカーのコンセプト。
今までポルシェ911 GT3カップが顧客が参加できるレース用の車として存在していたわけですが、ミッションRはそのフル電気自動車バージョンとして新たに顧客向けに出されるレースカーというモデル。
つまりは、将来的にフル電気自動車のミッションR (の生産車バージョン)でのポルシェのワンメイクレースが開催されるということですね^^
こちらのミッションRのスペックは、全輪駆動のフル電気自動車で、0-90kmが2.5秒未満。最高時速が約300キロ。
レーストラックにおいては現在のポルシェ911 GT3カップと同じラップタイムパフォーマンスを達成するとのこと。
そしてこのミッションR、レースモードでは671馬力(500kW)での一定の出力を出し、いわゆるディレーティング(熱の条件によるバッテリーの出力低下)が排除されるようになっているそうです。
ポルシェターボチャージングと900ボルトのテクノロジー
最大429馬力(320kW)の電気モーターがフロントアクスルに電力を供給、そして最大653馬力(480kW)がリアに供給。
900ボルトのテクノロジーを採用していることから、ポルシェターボチャージャーを利用することで、レースの途中に必要な充電時間は15分もあればOKとのこと。
最大約340kWでのチャージが可能。
MissionRでは、ドラックリダクションシステム(DRS)を備えたポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)がノーズセクションとリアウイングにおいてさらなる開発がされているそうです。
ノーズセクションの2つのサイドエアインテークのそれぞれは、3つのルーバーと調整可能な2セクションのリアウィングで構成。
ミッションRはサステナビリティも考慮
もちろんミッションRはサステナビリティについても考えられていて、こちらのミッションRのボディは主に天然繊維強化プラスチック (Natural Fibre Reinforced Plastic / NFRP)で出来ていて、その原材料は亜麻繊維。
このエコな素材はフロントスポイラーリップ、ディフューザー、サイドスカートにも利用され、NERPはインテリアドアパネル、リアバルクヘッド、シートなどのインテリアにも多く利用されているとのこと。
インテリアデザインはドライバーに焦点をあてていて、人間工学的に配置されたステアリングホイールとコントロールパネルの間にあるのディスプレイにはレース中の関連データを表示。
ステアリングコラムの上のモニターには、サイドミラーカメラとバックミラーカメラからの映像も映し出されるそうです。
ミッションRプロジェクトでは、今まで以上にバーチャルなレースとリアルなレースを近づけているとのことで、まったく同じ形状の物コックドライバーのモジュールは、eスポーツのシミュレーターとしても機能。
カーボンファイバー複合素材で作られた安全構造となっていて、新しく開発されたカーボンルーフ構造は『exoskeleton』と名付けられたそう^^
ミッションRは長さが4,326㎜で現在の718ケイマンよりも少し短め。でも車幅は1,990㎜と広く、車高は1,190㎜と低め。
ライブストリームでのポルシェ・ミッションRワールドプレミア
ではここからは2021年9月6日に開催されたMission Rのワールドプレミアの様子を残しておきたいと思います^^
日本時間22時からスタート予定でしたので、またしてもカウントダウンからスタート。あと1秒!
時間になったらミュンヘンに映像が切り替わりました。
今回のワールドプレミアの司会はRuth Hofmannさんという方。
画面が切り替わると、手前には今からまさにワールドプレミアされるポルシェの姿が!!
あああ。気になる~!!って思って見ていました^^
この場にはまずパトリック・デンプシー(Patrick Dempsey)さんと…
ポルシェのCEOであるOliver Blumeさんの姿も。
前述の通り、今回のミッションRは現在のカレラカップの将来のフル電気自動車でのカスタマー向けワンメイクレース用の車となることから、まずは911 GT3カップカーの説明から入りました。
もうこの時点で「おーレースカーきたー!」な感じ。
そして、映像です。ミッションR!
そういえば、タイカンのコンセプトはミッションEという名前で、このEは「エレクトリック」だと思うのですが、今回説明はなかったですがたぶんこのミッションRのRはレース(Race)?ですよね?です?
あ、オール・エレクトリック・コンセプト・レースカーって書いてあった^^
ライブ中継で映し出されたミッションRたちの画像を載せておきます^^
クオリファイモードでの馬力と最高速度の説明。※あとでニュースリリースで発表された数値(前述)と違うのはなぜ?
ミッションRの開発時の映像も流されました。
デザインなどの開発にたずさわれていたMichael Mauerさんもここで登場。
テストドライブ時はこんな状態でも行っていたのですね~。
というわけで、このあと実際のテストドライブもされていたティモ・ベルンハルト(Timo Bernhard)さんも登場です。
かなりエキサイティングだったようです(ミッションR)。
そんなこんなで発表された未来のポルシェフル電気自動車ワンメイクレース用のレース車両のコンセプトであるミッションR。
ミッションEがタイカンとしてプロダクションされたことを例に出され「コンセプトは必ずプロダクションカーにつなげる」と言われていたので、将来的(2024年目標?)にこちらのミッションRがプロダクションカーとして登場するのをまた楽しみに待ちたいと思います^^
こちらがワールドプレミア時の映像となります(26:20)↓
続き→ ポルシェ・ミッションRは将来のフル電気自動車718につながっている?
出典:Porsche to present its future-driven Mission R concept study
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