カレラGTコンセプトカーが発表されてから20年
2000年9月にコンセプトカーとしてポルシェから発表されたポルシェ・カレラGT。
それからもう20年の月日が流れました。早い!
この20年の節目に、ポルシェがその昔(2000年)にカレラGTのコンセプトカーをパリで走らせて発表された時と同じように、2020年10月にカレラGTをまた同じようにヨーロッパの街を走らせたとのこと。
さらにはカレラGTの20周年を祝い、カレラGTにおけるハイライトTOP5を紹介する動画も公開。
それはもう見ちゃいますよ~^^
カレラGT(コンセプト)が世界に向けて初めて発表されたのは、2000年9月28日のまだ太陽が昇る前の早朝のパリだったそう。
この新しく発表されたカレラGTコンセプトを、この発表時に運転していたのはWalter Röhrl氏で、彼はこの558馬力(コンセプトカー時)の新しいV10エンジンのポルシェのスーパーカー・コンセプトにてシャルル・ド・ゴール広場に登場。
その後、凱旋門からルーブルへ向かってフランスの白バイ警察たちによってエスコートされながら走ったそうです。カッコ良かったのだろうな~!
こちらが2000年9月28日、日の出前のパリの時の写真↓
まさに、20年たった今年である2020年に、本来であればポルシェはカレラGTの20周年を祝うイベントを盛大に開催したかったようなのですが、残念ながらコロナウイルスの影響により色々なことが実現できず。
よって、2000年の時と同じ様にはパリの街を走らせることは実現しなかったのですが、今回2020年10月にはカレラGTをベルリンのブランデンブルク門(Brandenburg Gate)に連れて行き、カレラGTへの敬意を表したそうです。
何が素敵って、2000年にカレラGTコンセプトが発表されパリで走った時も雨で、今回の20年後のベルリンの時もまた同じように雨だったそうです。
なんだかそういうのって、場所は違ってしまったものの、それでもいかにも20年前の再現というか、20年前のカレラGTコンセプトが雨の中でデビュー走行したことを知っている人、見ていた人からしたら、この雨のなかのカレラGTの姿がなんとも懐かしくてたまらない光景になったのではないかな、なんて思いました^^
カレラGTは「限界とはなにか」を再定義した車
ピュア・レーシングカーとして始まったカレラGTのプロジェクトは、長い間秘密の存在であった『LMP2000』というモデルから始まっていて、このル・マン向けのプロトタイプは、シャシーはカーボンファイバー製のV10エンジンを搭載した車として1998年に完成。
でも、結局のところレースに出ることはなかったポルシェとなりました。
ちなみにこちらのプロトタイプ、ポルシェ内部では『9R3』と呼ばれていたそうです。
こちらのプロトタイプ、最終的にもやっぱり「ル・マンには出ない」という決断がされ、その代わりに「この9R3の最高の技術をもって、スポーツカーの世界を揺るがそう」というアイデアが持ち上がったのだそう。
カレラGTは、その時代に「可能性の限界を再定義する」モデルであった、と。
ポルシェが選ぶカレラGTハイライトTop5
さて、ではそんな「可能性の限界を再定義した」ポルシェのスーパーカー、カレラGTについて、今回公開されたポルシェが選んだ「ハイライト・トップ5」を見ていきたいと思います。
カレラGTハイライト第5位:エアロダイナミクス
第5位に選ばれたのは、カレラGTのエアロダイナミクス。
とにかく、このもともとはレース参戦用のレーシングカーとして開発されていた車だけあって、生産モデルとして発売されるようにするためには、最高時速330キロを誇るカレラGTが安全に高速走行が出来るようダウンフォースを生ませるようにしなければならかった、と。
というわけで、カレラGTのエアロダイナミクスは相当考え抜かれたものとなっているようです。
その考え抜かれたカレラGTのダウンフォースをうむ、最もわかりやすく目にみえるエアロダイナミクス・システムがリアウィング。
このリアウィングは走行時、時速120キロで自動的に上昇。
もちろん、手動であげることも可能。
カレラGTハイライト第4位:シャシー
第4位はシャシー。
生産モデルとしては、ポルシェ初のカーボンモノコック製シャシーを採用。
こちらのリアの2つのエアベントフードは、今回の動画の中ではステンレス・スチールであると言われています。
カレラGTハイライト第3位:デザイン
3位に選ばれたのは、カレラGTのそのデザイン性。
もともとがレース用の車として開発されていたこともあり、生産モデルであるカレラGTも、そのデザインはかなりレーシングカーなもの。
例えば、レーシングカーのようにパッとみてタイヤの左右がわかるように、センターロック部分の右側はブルー、そして左側は赤(ピンク)になっています。
車内はとてもシンプル。
シートはレカロのバケットシートで、ペダルはアルミニウム。
ギアレバーが車のかなりセンターに位置しているというのも、レース仕様。
このデザインはポルシェ917へのトリビュートとなっています。
はぁ。やっぱりカッコイイ。
カレラGTハイライト第2位:パフォーマンス(性能)
いよいよ第2位ですが、2位に選ばれたのはカレラGTの性能そのものでした。
何度も書いていますが、カレラGTはもともとルマン24時間レースに出場して勝利を勝ち取るために開発が始められたモデル。
よって、結局のところレースには参戦しなかったものの、用意されていたその性能自体は本格的なレース仕様であったとのこと。
それが、5.7リッターのV10エンジン、612馬力、8,000rpm。
0-100キロは3.9秒。さらに0-200キロは9.9秒で、0-200-0キロは14.1秒。
ちなみに、PCCBが標準装備です。
※PCCBとは「ポルシェ セラミックコンポジット ブレーキ (Porsche Ceramic Composite Brake)」の略称で、宇宙一と言われるポルシェのブレーキの中でも最上級といわれるもので、採用されているセラミック製ブレーキディスクはめちゃくちゃ軽く軽量化されています(通常の鉄製ローターの約半分)。
最高時速は、330キロ。
いや、あの、一般公道を走ることが出来る普通のプロダクションモデルなはずなのですが…^^
トランスミッションは6速マニュアル。
カレラGTハイライト第1位:サウンド(音)
さてさて、そしてポルシェが選んだカレラGTの第1位は…。
そう、それはカレラGTの「音」でした。サウンド!
「カレラGTの何をとっても1位に出来ちゃうくらいなんだけど、そのなかでもやっぱり最高なのは音でしょ!」って。
うーん、ポルシェさんったらわかってる~!あ、いや、ポルシェが作った車だった^^
もう、カレラGTの音は本当に素敵すぎて、ステキすぎます(そして私は語彙力が足りなさすぎる)。
今回の動画もそうですが、過去に色々カレラGTのサウンドを動画で見てきて「なにこれ、凄い」とは思っていたのですが、先日、実車が本当に走行しているリアルなサウンドを聞かせて頂いて、それはもう本当に鳥肌モノだったのでした。
今回のポルシェが公開した動画のナレーターさんも、「第1位はサウンドです」と発表してから「僕、もうだまるから、とにかく音きいて!」って言っています(笑)。
そうなの、もうカレラGTの音は聞いてもらうのが1番。いやもう、本当に聞いて下さい!!ぜひ!!
私の中で、このカレラGTのサウンドは「これがポルシェなの??」と思えるものであって、かつ、なんというか、もう本当に「これ公道を走る車の音じゃないから!」という感じでした^^
ポルシェがつくりあげた、レース仕様なのに生産モデルとなったというとてもめずらしい生い立ちのカレラGT。
そのサウンドは、本当にもうレースカーです。
下にある動画の3:10からサウンドが聞けますので、是非。
こんなにもレース用として開発が始まったモデルであるのにも関わらず、なぜいきなりレース参戦しないことが決まったのか…については、色々なうわさがあるようですが、その理由は公式に発表されているわけでもないので、真相はわからず。
それでいて、こんなにもレーシングカーみたいであるのに、生産モデルとして登場したカレラGT。
考えれば、考えるほど、不思議なポルシェです。
でも、その存在感は物凄くて、ポルシェにとっても、とても貴重な1台として扱われていることが良くわかります。
カレラGTが、まだレーシングカーとして生まれようとしていたコンセプトカーとして発表されてから今年で20周年。
今も現役で「さすがポルシェカレラGT」という走りをするカレラGT。素晴らしいの一言だと思います。
こちらが今回ポルシェが公開したカレラGTのハイライト・トップ5の動画となります↓
出典:
◆(公式)Celebrating 20 years of the Porsche Carrera GT
◆Porsche Carrera GT Is Already 20 Years Old, Happy Birthday You Stunning Analogue Supercar