Frank-Steffen Walliser氏が2024年7月1日からベントレーのCEOに
2024年5月28日、この日は私にとってポルシェ911の992後期型となる992.2の発表があるということで待ちに待った日であり、とても楽しみにしていた日でありました。
でもいざ、5月28日になってみると楽しくて嬉しい日になるだけであった日だったはずなのに、現実には悲しくも思える日にもなりました。
というのも、前任の911と718のプロダクトラインのトップで、ポルシェで約30年間勤務されてきていたフランクさん(Frank-Steffen Walliser氏)が992.2の発表と同じ5月28日に2024年7月1日からベントレーのCEOに就任されることを発表されたのです。
もちろん、ベントレーのCEOに就任されるというのは世間的にみても昇進であり素晴らしいことでお祝いすべきことだと思います。
でも私は、この992.2のワールドプレミアと同日にこのことを発表されたフランクさんの想いは複雑なのではと思ってしまうのです。
だってフランクさん、2020年3月の時点で『911がガソリンエンジン車でなくなるとしたら、それは自分がリタイアしたあとであって欲しい』と語られていたのです。
あ、ダメだ、もうなんか夜な夜な涙でそう。
彼はなんとかポルシェにNAエンジンを残したい、マニュアルトランスミッションを残したいと戦っていてくださっていた方なわけですが、彼がもう彼だけの戦いではどうにもならないとなった時に上記の発言となったものと思われます。
彼はすでに911モデルライントップからははずれていましたが、それでも今こうして911が初のハイブリッドモデルとして発表されたその日にベントレーへの就任を発表されるって、やっぱりそれって、絶対にこの『911がガソリンエンジン車でなくなるとしたら、それは自分がリタイアしたあとであって欲しい』をつらぬかれたという表明なのではないかと思えるのです。
もちろん、私の勝手な想像です。
でも普通、こんな5月28日(火)だなんていう何の節目でもない日付であり、かつポルシェが華々しい992.2のワールドプレミアの日にあえて7月1日からの就任について発表する必要ありますか?
うん、やっぱりこれは、最後の最後までフランクさんのこだわりであったのだと思う。911がガソリンエンジンだけでなくなるモデルが出される今、自分はポルシェを去ると有言実行されたことの表明であると。
昨年の秋に私は偶然フランクさんとお会いすることが出来ました。
興奮してしまってまともにお話することは出来ていなかったとは思いますが、それでも911を作ってくれてきてくださったことへの御礼を直接お伝えすることが出来ていたので、それだけでも本当に良かったです。
ポルシェの中にもいっぱいいっぱい、911について(他のモデルもですが)考えられ、色々な環境・状況と戦いながら、それでも今の時代にベストである911を作ろうとして下さっている方がいっぱいいるのだと思います。
フランクさんの想いも感じつつ、そんな今も頑張って今の時代にあう911を作って下さっている皆様に感謝しつつ911をまだまだこれからも楽しませて頂きたいと思います。
夜な夜な酔っ払いの発言ですみません。
でももう、992.2の発表が嬉しかったのと同じくらい、たぶん自らこの日を選んでポルシェを去る決意表明をされたフランクさんのことも想って複雑な夜で、泣けています(涙涙)。
出典:The Father of the Porsche 918 Is Now in Charge of Bentley
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