新型ポルシェ911 GT3 ワールドプレミア
2024年10月18日(金)/日本時間10月19日に、992.2型のポルシェ911 GT3とGT3ツーリングパッケージがワールドプレミアとなりました^^
やっぱりと言ってはなんですが、今年2024年は1999年に発売開始となったGT3の25周年の記念年であったことから、ポルシェはなんとしてでもこの2024年内に新型GT3を発表したかったのではないかなと思います。
よって、ツーリングパッケージをあとから出すとかしていると時間がないので「えーい、一気に出しちゃえ。それでGT3の25周年記念関連で出来ること全部年内にやっちゃうよ!」みたいな感じ?
考えすぎ(笑)?
さて、そんな話はおいておいて今回もまた発表された内容をざっと見てきたいと思います。
- 記念年に発表されるこのGT3はさらに拡張された軽量化、その出力は375kW(510PS)と450Nmのトルクを誇る自然吸気(NA) 4.0リッター水平対向6気筒エンジン、新しいオプションを備える
- 今回はじめてGT3でヴァイザッハパッケージの選択が可能に
- 今まで以上に広範な標準装備とその他のオプション選択も可能になった
モダンなスタイルのポルシェ911 GT3
- フロントとリアのデザインがシャープになり、エアロダイナミクスも改良
- (GT3もGT3ツーリングパッケージも)フロントディフューザーの輪郭が一新され、スポイラーリップの形状とアンダーボディのフィンも改良
- それによりダウンフォースが増加、空気の流れが最適化された
- 再設計されたマトリクスLEDヘッドライトは911のすべてのライト機能を組み合わせ、フロントエプロンに追加のライトが不要になった(エアインテークエリアが拡大され構造が明確に整った外観を実現)
- ヘッドライトにはオプションでホワイトアクセントリングをつけることも出来る
- リアでは、ディフューザー、エアインテーク、リアリッドを再設計
- リアウイングには新しい角度がついたサイドプレート付き
- ダブルウィッシュボーン式フロントアクスルにはエアロダイナミクスに優れた専用開発のティアドロップ型のトレーリングアームを採用
- これにより高速走行時にホイールアーチのダウンフォースが増加、ブレーキの冷却が改善
- 高速からのブレーキング時でもフロントアクスルとリアアクスルのダウンフォースバランスが維持されるようサスペンションエンジニアはピッチング(アンチダイブ)を低減
- これを実現させる為にロアトレーリングアームのフロントボールジョイントがフロントアクスル上で低く設定されている
- こういった変更は現行の911 GT3 RSから採用している
- ウェットグリップが向上した255/35 ZR 20(フロント)、315/30 ZR 21(リア)のスポーツタイヤが標準装備
- オプションで公道走行承認を受けたサーキット用タイヤも用意されている
さらにカスタマイズ可能なポルシェ911 GT3 ツーリングパッケージ
- ツーリングパッケージでは固定ウィングを廃止、時代を超越したエレガントな911のラインを維持
- 『ツーリングパッケージ』の名称は1973年の911カレラ RS2.7の装備バリエーションに遡る
- ツーリングパッケージ(以下TP)は2017年からGT3に登場
- リアリッドグリルには『911 GT3 touring』ロゴ
- ディアオフエッジを備えた伸長式リアスポイラー、有名なガーニーフラップ、アンダーボディの適応されたフィンデザインがエアロダイナミクスバランスを保つ
- インテリアは高品質のレザーインテリアがクラシックでスポーティな雰囲気を提供
- 今回911 GT3 TPで初めてリアシートがオプションで選択可能に
- これにより日常的に使用可能なスポーツカーとして、オーナーの希望に合わせてさらに個別調整し最高のドライビングプレジャーを楽しむことが出来る
- ポルシェ・ブランドアンバサダーのWalter Röhrl氏いわく「特に曲がりくねったワインディングロードではステアリングが先代よりもさらに良く調整されていることをハッキリと感じることが出来る」
- また「センターポジションからより穏やかに反応し、ダイレクト感をまったく失わないため車に対する信頼感がさらに高まる」「ギア比が短かくなったことも田舎道でのドライビングプレジャーを大幅に高める」
全体的に軽量なデザイン
- 総重量が軽いため、911 GT3は俊敏でダイレクトなハンドリングを実現
- 新型911GT3は徹底的に軽量設計にこだわった
- 新しいシルバーカラーの軽量アルミホイールはバネ下重量を前モデルより1.5kg以上軽減
- オプションでヴァイザッハパッケージまたは「Leichtbau(ライトウェイト)」パッケージではさらに9kg軽量なマグネシウムホイールの選択も可能
- 新しい40Ahリチウムイオン軽量バッテリーはさらに約4kgの軽量化を実現し、アスリートのBMI向上に貢献
- 最も軽量な構成にすると新型911 GT3の重量はわずか1,420kg
ギア比が8%短くなる
- 新型911 GT3の4.0リッターNAエンジンは現在の厳しい排気ガス規制に合わせて設計、2つの微粒子フィルタと4つの触媒コンバーターを装備
- この極めて強力な排出ガス制御システムによりポルシェは心をつかむサウンドスケープも実現
- 水平対向6気筒エンジンの出力は一連の最適化措置により達成された
- シリンダーヘッドが改良され、911 GT3 RS譲りのよりシャープなカムシャフトはエンジンの高回転域でさらにダイナミックなパフォーマンスを提供
- 流量を最適化した各スロットルバルブと最適化されたオイルクーラーも採用
- 水平対向エンジンは375kW(510PS)の出力を継続
- これは改良された高回転自然吸気エンジンの1kWあたり最も軽い車両構成でわずか3.8kg(2.8kg/PS)を動かせばよいことを意味する
- 7速PDKと6速GTマニュアルトランスミッションの最終減速比は先代モデルよりも8%短縮
- どちらのトランスミッションも911 GT3と911 GT3 TPの両方で選択可能
- PDK仕様車は3.4秒で100km/hまで加速、最高速度は311km/h
- マニュアルギアボックス仕様車は3.9秒で100km/hまで加速、最高速度は313km/h
- ポルシェ・ブランドアンバサダーのJörg Bergmeister氏曰く「新型911 GT3は最適化されたダンパーのチューニングにより路面の凸凹や縁石を乗り越える際の安定性とハンドリングが向上しているため、サーキットではさらに優れたコントロールが可能になる」「アンチダイブシステムはブレーキング時のピッチングを著しく軽減、その結果あらゆる状況下で車両のバランスが大幅に安定する」
革新的な軽量スポーツバケットシート
- 新型911 GT3には可倒式バックレストとCFRP製シートシェルを備えた新しい軽量スポーツバケットシートがオプションで用意
- シートには胸部エアバッグが内蔵、高さ調節は電動式、前後調節は手動式、オプションで3段階のシートヒーターも選択可能
- ヘッドレストパッドの一部は取り外し可能
- これによりサーキット走行時にヘルメットを着用するほとんどのドライバーにとって人間工学が改善される
- ループによるバックレストの可倒機能により、911 GT3 TPで初めて提供されるオプションのリアシートシステムにアクセスすることが可能
- スポーツバケットシートに代えアダプティブスポーツシートプラス(電動18way調整機能付)を選択することも可能
- イグニッションはロータリー式を採用
- オプションのロールオーバー・バーはモータースポーツ志向を示している
- 中央のデジタルメーターパネルは明確に構成されたディスプレイと制御コンセプトでドライバーをサポート
- 対照的なカラースキームによりレブカウンターとストップウォッチを瞬時に読み取ることが出来る
- 「トラックスクリーン」モードではレブカウンターの左右にあるデジタルディスプレイがタイヤ、オイル、水、燃料に関する主要なデータに縮小され、シフトフラッシュによってドライバーに最適なシフトタイムを表示
- 必要に応じてレブカウンターのディスプレイを回転させ9,000rpmのカットオフスピードを12時の位置に表示することも可能
911 GT3および911 GT3ツーリングの個別パッケージ
- 新型911 GT3にさまざまな装備パッケージを用意した
- 初めてヴァイザッハパッケージが設定されたことで911 GT3はサーキットで使用するためにさらに個性的な構成が可能に
- リアアクスルのアンチロールバー、カップリングロッド、シアパネルは以下の部分同様にCFRP製:
- ルーフ
- リアウイングのサイドプレート
- エクステリアミラートップシェル
- ミラートライアングル
- フロントエリアのエアブレード
- さらにレザーとRace-Texのトリムがインテリアを視覚的に向上
- 911 GT3のダッシュボード上面は初めて反射防止のRace-Texで覆われた
- CFRP製ドアハンドルと収納ネットは軽量化のためにインテリアドアパネルを最適化
- CFRP製ロールケージやマグネシウム軽量鍛造ホイールもオプションで用意
- 911 GT3ツーリングパッケージにはライトウェイトパッケージを用意
- ルーフがエクステリアカラーと同色塗装
- スタビライザー、カップリングロッド、リアアクスルのシアパネルがCFRP製になる
- マグネシウム軽量鍛造ホイールと軽量ドアパネルもパッケージの一部
- 標準装備の6速GTスポーツギアボックスとの組み合わせで、911 S/Tの短縮ギアレバーが使用される
- ギアレバーの前の“Leichtbau”と刻まれたプレートがパッケージを示す
- リアウイングを装備した911 GT3にはサーキット走行用のクラブスポーツパッケージが追加料金なしで利用可能、以下のものが含まれる:
- リアにボルトで固定されたスチール製ロールケージ
- ドライバー用の6点式シートベルト
- 手持ち式消火器
- パッケージにはオプションの軽量スポーツバケットシートが必須
- GTカー部門責任者のAndreas Preuninger氏曰く「新型911 GT3はさらに爽快で個性的になった。私達は細部にまでこだわり顧客が望む多くの機能を実現。これによりGT3をドライバーの目的や好みにさらに具体的に適合させることが出来る」
日本国内での新型ポルシェ911 GT3価格
2024年10月19日時点での992.2型ポルシェ911 GT3とGT3ツーリングパッケージのお値段は以下の通り:
モデル | トランスミッション | ハンドル | 希望小売価格(税込) |
---|---|---|---|
911 GT3 | 7速PDK/6速MT | 右/左 | 2,814万円 |
911 GT3ツーリングパッケージ | 7速PDK/6速MT | 右/左 | 2,814万円 |
- 新型911 GT3および911 GT3 TPの日本国内での予約受注開始は2024年内を予定(2024年10月19日現在)
- ちなみにアメリカでの販売価格は222,500ドル(1,995ドルのデリバリー、プロセス&ハンドリングフィーを含まない)/本日のレートで約3,327万円
GT3専用クロノグラフ
- 911 GT3と911 GT3 TPオーナーはスポーツカーのデザインと性能を手首に反映させた卓越したポルシェ デザインの腕時計を購入することが可能
- 911 GT3クロノグラフと911 GT3ツーリングクロノグラフはフライバック機能を備えたCOSC認定の精密なポルシェデザインムーブメントWERK 01.200を搭載
- 超軽量チタン製ケース(オプションでブラックチタンカーバイドコーティングを施すことも可能)はスポーツカーのデザインと現代の時計製造技術を融合
- イエローのアクセントと六角形の構造を備えたGT3デザインの文字盤は車両のメーターパネルを想起、巻き上げ式ローターはGT3のリムのデザインに基づいている
- ダイヤルリングは911 GT3とGT3 TPのすべてのエクステリアカラー、およびPaint to Sampleプログラムのカラーで利用可能
- オリジナルのポルシェインテリアレザーと糸を使用して作られたストラップはそれぞれの車両の構成にあわせて作られる
出典:
◆(公式)Double Premiere: The new 911 GT3 and 911 GT3 with Touring package
◆(公式)For the track and the road: The 2025 911 GT3 and 911 GT3 with Touring Package
◆(公式)新型911 GT3および911 GT3ツーリングパッケージが登場
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