フェルディナント・ピエヒ(Ferdinand Piëch)氏の息子であるトニー・ピエヒ(Toni Piëch)氏設立の自動車メーカー
スイスの自動車メーカーである、ピエヒオートモーティブの会長として、元フォルクスワーゲングループのトップを務めていたMatthias Müller氏が任命されたとのこと。
ピエヒオートモーティブは、フェルディナントピエヒ氏の息子さんが設立した自動車メーカーとしても知られている、現在『マークゼロ』という電気自動車を作り出そうとしている企業。
フェルディナントピエヒ(Ferdinand Piëch)氏についてはこちらから:フェルディナント・ピエヒ氏(1937-2019)について
2018年までVWのトップとして君臨していたMatthias Müller氏は、今後、ピエヒオートモーティブ創立者であるトニー・ピエヒ氏とレア・スターク(Rea Stark)氏と共に、マークゼロというコンセプトに基づいた2人乗りの電気自動車を、実際に生産車にしていくことになります。
ミュラー氏いわく、ピエヒオートモーティブ創設者の2人が持つ、先見の明と説得力のあるその使命にすぐ魅かれたとのことで、ピエヒオートモーティブのビジネスに関われていることに誇りを持っていると話されています。
Mark Zeroコンセプト
ピエヒオートモーティブの車は、完成形となる時には非常にイノベーティブなバッテリーテクノロジーを持ち、ありえないくらい短い充電時間での充電が可能になる予定。
それが、Mark Zeroコンセプトとして2019年3月にジュネーブモーターショーにて発表されたもの。
そのありえないくらい短い充電時間というのは、すでに発表にもなっている通り、80%までの急速充電に5分もかからないというものです。
ポルシェタイカンの80%急速充電が、150kWのチャデモ急速充電を利用しても約10分かかるということを考えると、この5分という時間はかなり速いことがわかります。10分でも十分速いと思っているのに。
さらに言えば、ガソリンスタンドで自分で車にガソリンを給油するにしても5分くらいはかかるのではと思うくらいなので、それが充電でその速さというのは本当にスゴイかも。
そして、その車(Mark Zero/マークゼロ)は、0-100㎞が3.2秒で、最高時速が250㎞になると言われています。
このマークゼロ、最初のプロトタイプが出来る以前に、すでに生産に向けての車が完全にデザインされていると言われ、航続距離が約500㎞として2022年には購入できるようになる予定とのこと。
今回、ミュラー氏がピエヒオートモーティブのトップに任命されたわけですが、実際には、
- 元BMWモータースポーツ出身のチーフテクノロジー・オフィサーであるKlaus Schmidt氏
- 元ポルシェのチーフマーケティング・オフィサーであるAndreas Henke氏
と、共同CEOという形での役割を担うとのことです。
さらに、ピエヒオートモーティブはもう1名を新たに採用しているようで、それがセールスのトップとして採用されたJochen Rudat氏。
彼は10年に渡ってテスラでイーロンマスク氏直下で働いていた方らしい。
ピエヒオートモーティブは、すでに資金調達の段階を経て、数か月以内にマークゼロの生産へ向けてのフェーズを開始するとのことで、ドイツのメミンゲン(Memmingen)にエンジニアリング施設の建設も開始予定。
元VWのトップがピエヒオートモーティブのトップとなり、その下を固めるメンバーもBMW、ポルシェ、テスラから引っ張ってこられているようで、今後どのようにマーケティングしてくるのかが楽しみです。
なんといっても、フェルディナントポルシェ氏のDNAを受け継いでいる方が創設者。きっと妥協はないはず…と思っています。どうかな?
これからもちょこちょこ、マークゼロ(またはピエヒオートモーティブ)がどうなっていくのかを見ていきたいと思います^^
出典:
◆Ex-VW boss Muller named as chairman of EV start-up Piech
◆Piech brand launched with electric sports car at Geneva