EPAのタイカンターボ航続距離が発表に
先日、アメリカの車関連メディアがこぞって『EPAがタイカンターボの航続距離は201マイル (324キロ)と発表』と報じていました。
EPAとは「U.S. Environmental Protection Agency」の略称で、アメリカの環境保護庁のことを指します。
こちらのEPAが電気自動車の航続距離を測ったものを公表しており、この数値が実際に日常でその車を使用している場合においての、本当の航続距離数値に近いと言われているものだそうで、参考値として大変重要視されているようです。
今回、そのEPAの発表によると、ポルシェのフル電気自動車タイカンのうち「タイカンターボ」での航続距離が、201マイル(324㎞)であったとのこと。
こちらの数値が良いのか悪いのか、いきなり201マイル(324キロ)と言われてもわかりづらいかと思いますが、他の電気自動車たちのEPA発表航続距離数値と比べてみると、まあ「真ん中くらい」という感じのようです↓
よって、アメリカメディアにおいては『いつもハイパフォーマンスな車を作り続けているポルシェにとって、初のフル電気自動車となるモデルでは、航続距離においては平均的数値になってしまったね』と言われてしまったのです。
ポルシェは気にしていない
そのような感じに言われているわけですが、でも、ポルシェとしては「全然、(この発表された数値に)がっかりしていないよ」と。
あ、それはなんだか、良かった^^
北米ポルシェ広報のMarcus Kabel氏いわく「ポルシェとしては、今回公表された航続距離数値にはがっかりしていないし、そもそもタイカンではパフォーマンスと、顧客のニーズを満たすに足りる航続距離においてバランスを取る「True Porsche」を作ることに重きを置いていたからね」。
そう、航続距離をのばすだけがポルシェが目指した電気自動車なのではなく、そこには必ず「これはポルシェである」という「True Porsche」である性能、フィーリングがなければならず、そのTrue Porscheを電気自動車の中に見出す為には、航続距離を多少犠牲にしてでも、他に達成しなければならない部分があったのだと思います。
こちら、ポルシェジャパンサイトに出てくるタイカンの「後続距離インジケーター」↓
ここをいじってみてもわかる通り、外気温だったり、エアコンの利用有無、ホイールサイズ・デザインなどを少し変えるだけで、当たり前ではありますが、その航続距離に影響を与えるくらいなので、様々な条件、走り方によるところが大きそう。
よって、実際には一概に「必ずxxキロの航続距離は保証できます」と言えるものでもないのかと思います(最低レンジは出せても、最高値を特定するのは難しいという意味で)。
ちなみに、ヨーロッパでのWLTP (Worldwide harmonized Light vehicles Test Procedure)による航続距離計測では、タイカンターボは279マイル(約450km)とされていました。
EPAとWLTPでのこうした実測値の違いは、どういうドライビングで計測したかによるところが大きいそう。
EPAは高速道路での走行を多く含むのに対し、WLTPはもっとヨーロッパ郊外のドライブがメインとなっているようで、EPAのテストの方が全体的に厳しいのだとか。
とはいえ、様々な条件を「一般的に常用したらこうだよね」という数値を出してくれている、ちょっと厳しめと言われるEPA発表の航続距離。参考値として他車と比較するも出来るし、やはり重要。
北米ポルシェサイトにも、さっそくちゃんとEPAでの航続距離が記載されていました。
タイカンはTrue Porscheである
とにかく、私としてはタイカンを『True Porsche』にすることに重きをおかれたというのは、非常に納得できること。
先日の日本国内でのタイカン内覧会でも、タイカンがスペシャルなのは、それはタイカンがTrue Porscheだから、と言われていました。
今後、ポルシェタイカンに乗られる方も「うわ、これポルシェなの?ポルシェっぽくないよね。まあでも500キロ走るからいいか」よりも、「航続距離は324キロくらいでも、これはやっぱりポルシェ。ポルシェに乗っている!」っていうことの方を望まれるのではないかと思います^^
出典:
◆ Porsche's Taycan EV achieves 'average' range
◆ The Porsche Taycan Turbo's Range Is Only 201 Miles According To The EPA
◆ (公式)ポルシェ・タイカンサイト
◆ (公式)ポルシェ北米サイト
ポルシェタイカンのカタログ(英語)ダウンロードはこちら