992ターボの屋根ありと屋根なしでドラッグレース
992型のポルシェ911ターボの「クーペ(屋根あり)」と「カブリオレ(屋根なし)」をドラッグレースさせてみて、どちらの方が実際に速いのかを検証されている動画があったので見てみました。
ちょっと結果を見てみたい内容です、これは。
パワーは同じ、車重が60キロ違う
両車ともがツインターボ3.8L水平対向6気筒エンジンによる、8速PDKの四輪駆動。
そのパワーたちもカタログ値では同等で、最高出力は427kW(580PS)の最高時速は共に時速320km。
唯一の違いは0-100kmタイムが0.1秒差。これは屋根を開けることが出来るか出来ないかの構造の違いによる車重の違いからくるものかと。
ちなみにこの2台の車の重さの違いは60キロとなっています。クーペの方が軽い。
カブリオレのエアロダイナミクスとリアスポイラー
この情報だけから考えると「クーペの方が少し速いくらいかな」と考えられますが、ここでさらにエアロダイナミクスというものを考えると、そこにはただパワーを数値で見ただけでは語ることが出来ない「差」がさらに生じるのでは?
動画内で紹介されているこちらの図ですが、これはBMWの4シリーズではあるものの何を言っているかというと、図にある上から
1:カブリオレ(屋根しめてる)+リアスポイラーあり
2:カブリオレ(屋根しめてる)
3:カブリオレ(屋根あけてる)+リアスポイラーあり
4:カブリオレ(屋根あけてる)
となっていて、とにかくエアロの乱れは屋根を開けている部分で発生していることがわかり、その乱流のエネルギーはリアスポイラーがあることによって軽減されているということを示されているとのこと。
まあ、それでも屋根を開けている時に発生する乱流はクーペタイプよりも大きくなるので、カブリオレが屋根をあけている状態だとクーペの方がかなり速くなるのでは?と予測することも出来ます。
いやいや、でもエアロダイナミクスを考え抜いてつくられているポルシェ911なわけですから、このターボにも無駄にリアスポイラーがついているわけではないと思うし…。
さ~どのくらいの差がつくのでしょうか。楽しみぃ。
クーペ VS カブリオレ(ルーフオープン)
1回目の対戦は、カブリオレの屋根を開けた状態での競争。
結果は以下の通りで、クーペの方が速かった…けれど、その差は0.1秒!0-100kmだと同じだし!
クーペ VS カブリオレ(ルーフクローズ)
2回目はカブリオレの屋根を閉めた状態でのレース。
結果…うわ。同じ!!
クーペ(60kgウェイト追加) VS カブリオレ(ルーフオープン)
3回目は車重差をなくすために、クーペの方に重りを載せてのレース。カブリオレはまずは屋根をあけた状態で。
ううーん、重さが同じになった時にはカブリオレは屋根が開いていても、カブリオレの方が速いという結果に。0.1秒差。
クーペ(60kgウェイト追加) VS カブリオレ(ルーフクローズ)
4回目は、さきほどのクーペに重りを載せたままで、今度はカブリオレの屋根を閉めた状態でのレース。
屋根をあけてもすでに勝っていたので、これは屋根を閉めたら確実にクーペより速くなるのでは…という予想通り、こちらもカブリオレの方が0.2秒差で速かったという結果に。
クーペ VS カブリオレ(ルーフクローズ)+走るレーン交代
最後の5回目は、クーペに重りを載せたままでカブリオレは屋根を閉め、今までドラッグレースをしていたレーンの左右を変えての競争。
と、そうすると今度は今までの4回と車の状態は同じ条件だというのに、レーンが変わっただけでさきほどはクーペが0.2秒遅かったのに、今度はクーペの方が0.3秒速いという結果に。
もちろん、こうした走るレーンの違いということだったり、実際には車の状態は同じでもドライバーは違うのでスタートのさせ方の微妙な差だったり、クーペへのウェイトをどーんと全てフロントに載せてるとかと、結果に影響を及ぼす要素はいくつかあるかとは思います。
よって、今回も「なんでそうなるの」という、こっちが速かったりあっちが速かったりという結果になっているわけですが、ただこれを見てわかることとしたら「そこには圧倒的な差はない」ということなのではないかな、と。
何度やっても数秒差が出るとかならともかく、何度やってもこれだけの僅差。
それだけ911ターボはやはり屋根を開けても開けなくても、そこは911ターボとしての名前を誇れるくらいしっかりとエアロダイナミクスも計算しつくされ、きちんとクーペに劣ることのない性能を発揮できるようになっているのだな~と。
やっぱりポルシェって凄いなと、改めてのポルシェの凄さを見たような気がしました^^
こちらが全体の結果表です。
そしてこちらが動画(14:16)↓