現在81歳となられたヴォルフガング・ポルシェ氏。
彼はポルシェ家の一員であり、現在もポルシェAGの株主/監査役会会長であったりするわけですが、さらに今はオーストリアのザルツブルグにあるカプツィーナーベルク山にある歴史的なツヴァイク・ヴィラ(Zweig Villa)のオーナー様にもなられたそうです。
このツヴァイク・ヴィラとは何かというとオーストラリアの作家であるシュテファン・ツヴァイク(Stefan Zweig)氏が1919年から1934年にイギリスに亡命するまで住まれていた邸宅であることからそのように呼ばれているところだそう。
それ以前には作曲家のAnton Paschinger氏が住んでいたことから、Paschinger城とも呼ばれる場所とか。
現在はヴォルフガング・ポルシェ氏が所有することになったこの場所は今はまだ改修中で2025年半ばには完成するらしく、そうなると改修後には『ポルシェ・ヴィラ』と呼ばれるようになるかもと言われているとかいないとか^^

ポルシェ氏は将来家族と一緒にそこに引っ越したいと考えられているようなのですが、ただこの17世紀に建てられた3階建ての邸宅には1つ問題が。
というのも、この家はKapuzinerberg山の頂上にそびえたっているとのことなので、冬の間は雪によって家まで到達するのがかなり困難になってしまう場所なのだそう。
そこでポルシェ氏が何を検討し始めたかというと「じゃあ、邸宅が建っている山を貫くトンネルを作っちゃおう」というもの。発想がイーロンマスク氏っぽい^^
つまりそれは山のふもとのLinzergasseの駐車場から、山頂にある邸宅の下に作られるという9台の車を駐車できる地下駐車場までの間をトンネルを作ってつないでしまえばいいじゃん、という計画。
山頂の出口となる地下駐車場から邸宅へのアクセスは地下トンネルの別のセクションを通り歩いて行けるようになるそうで。
この山の中を通そうとしているトンネルの長さは約500メートルで、標高差は約50メートル。
このトンネルが出来れば天候に左右されずいつでも山頂の邸宅にアクセスすることが出来るようになります。
このトンネル計画を遂行する為にポルシェ氏は2024年に当時のザルツブルグの市長の承認を得て、4万ユーロの一時金と引き換えに山の下にあるLinzergasseの駐車場の使用許可を取られたそうなので、これで山の下のトンネルスタート地点についても問題なし。

あとは掘るだけ…のはずなのですが、このプロジェクトは現在問題に。
なぜかというと元市長は事前に地方議会に通知することなく使用許可を出していたり、史跡を掘り起こす計画についても精査されていない等が判明したからという理由らしい。
あとは何と言ってもこういった『お金持ちであればなんでもやりたい放題出来る』みたいに見えてしまう行動が世間の反発を招いているようです。
今後このヴィラのトンネル計画がどのようになるのかはわかりませんが、とりあえず現在の(企業としての)ポルシェの状況を考えると、あまり個人的な派手な動きは多くのドイツの人から好意的には捉えられないだろうと想像がつくので、今はあまり動かれない方が良いのではと思ったりしちゃいました。
個人的にはポルシェ氏だからこそ出来ることをバーンとやられて、ヴィラの9台の駐車場にはポルシェミュージアムみたいな空間を作って頂きたいとも思っちゃうのですが、そうも言っていられないご時世かもしれませんね…。
出典:
◆Porsche Boss Is Adding a Tunnel Through the Mountain and a Secret Garage to His Mansion
◆Salzburg argues about Wolfgang Porsche's tunnel plans
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