先日からフォルクスワーゲン(VW)がドイツ国内工場を閉鎖するかもしれないということが報道されていますね。
閉鎖が検討されている工場はもしかすると、ポルシェの718モデルも生産している工場かもしれないようで…。
というのも、現時点において閉鎖を検討・調査されているのはDresden(ドレスデン)かOsnabruck(オスナブリュック)の工場とのこと。
このうちOsnabruckの工場ではポルシェ718ボクスター、そして718ケイマンが生産されています。
といっても、718シリーズは間もなく生産終了になるとされているので、万が一工場閉鎖となってもポルシェを待っている方々にそんなには影響が出ないのかな。
そう考えるとOsnabruckで生産予定となっている718の生産が終了した時点で上手に工場閉鎖に持って行くのかな…とも思ったのですが(少なくとも1つのモデルラインにおける痛手は少なくなる)、Osnabruckではヨーロッパで最も人気があるコンバーチブルであるVW T-Rocカブリオレも生産されているとのこと。
ただこのT-Rocカブリオレは2024年上半期での販売が6,110台であったニッチな市場であると言われてもいるので、やっぱり対象の工場はこっち?
ドレスデン工場の方は規模的にはかなり小さいそうなので(現在はID.3を生産)、やっぱり対象はこちらだけにするのか、いやでも、小規模なこちらの工場だけを閉鎖するだけでは間に合わないのか?うーむ。
ちなみにもしVWがドイツ内にある工場を閉鎖するとなったら、それはVWが第二次世界大戦前に設立された1937年以来初めてのことになるのだそうです。
さらには工場閉鎖だけでなく、VWの雇用保障プログラムも精査されているとのことで、2029年まで雇用を保障するという労働組合との協定の打ち切りも目指しているとのこと。
VWのCEOであるThomas Schafer氏はドイツメディアに対し「(状況は)極めて緊迫していて、単純なコスト削減策では乗り越えられない」と言われています。そんなにシリアスな状況とは。
今回のニュース、VWグループが2024年上半期の販売台数が概ね好調であると報告している中で発表されたとのことで、それもまた「??」な感じがするのですが…VWではこの2024年上半期、ヨーロッパ市場では前年同期比1.9%増で、米国では3.0%増、南米が15.4%増、アジアが8.2%減との結果。
大きな問題としては、EV市場の不確実性ではないかと海外メディアでは言われていて、多くのブランド売り上げはEV拡大計画が始まったばかりのころに冷え込んでいて、その中でもフル電動化に大きく賭けていたVWはかなり苦戦している、と。
VWの報告によれば、2024年上半期にヨーロッパでのEV販売は前年同期比で15.2%減少、米国でも15.4%減だったとのことです。
2024年9月4日にはVW従業員たちに説明が行われるとの話もあるようですが、多くの人にとって簡単には受け入れられない話となりそうですね。
出典:
◆VW Could Close German Factories for First Time in Its History
◆Volkswagen weighs first-ever German plant closures amid EV transition woes