メーカー公表値ではなく、物理的に計算した数値で比較
ポルシェ・タイカンターボSは『0-60マイルが2.6秒で、最高時速161マイル』と公表されており、テスラ・モデルSは『0-60マイルが2.4秒で、最高時速が163マイル』と公表されています。
これだけを見たら「テスラ・モデルSの方が速いじゃん」ってなりますよね。
でも、この2台の車のドライブトレインをしっかり掘り下げてみていき、その数値から色々な計算をして比較していくと、結果として、そのトランスミッションの違いから、実は『タイカンターボSの方が実際には速い』ということになるようなのです。
You Tubeの「Engineering Explained」というチャンネルで、Jason Fenske氏が、それを「数値的に証明」する動画を公開されています。
こちらのチャンネル、毎回、サイエンスに基づき色々なことを実験、証明されているのでとっても面白いです^^
ポルシェ・タイカンターボSと、テスラ・モデルSを比較
今回の動画では、ポルシェ・タイカンターボSとテスラ・モデルSを、以下の4つの観点から色々と計算して比較。
1:ホイールトルク
2:ホイール&タイヤ
3:車の重量
4:トルクカーブ
タイカンはリア・アクスルに2つのギアがあり、フロントアクスルに1つのギアという構成。
タイカンのリアのトルクが610Nmでフロントが440Nm、そしてリアのギア比は1stギアが15.563:1、そして2ndギアが8.05:1。フロントのギア比は8.05:1。
テスラはリアが720Nmで、フロントが420Nm。リアのギア比が9.734:1で、フロントが9.325:1。
この数値情報から「リアのトルクをギア比でかけて、フロントのトルクxフロントのギア比を足す」と、ホイールトルクは、タイカンで「13,035Nm」、テスラは「10,925Nm」になる。
…と、どんどん色々計算していくわけです。いやもう、なんだかこういう説明、聞いていて、楽しい^^
実際のところ、私はサイエンス(物理)とかめちゃめちゃ苦手なので「本当に理解しているの?」と聞かれたら「はぁ、まあ、聞いていたらなるほど、なるほど、って思うけれど、あとから全部説明しなおしてみなさい、と言われたら、まったく出来ません」というくらいの理解度です(←理解してない(笑))。
いやいや、もう、これ、英語がわからなくても、数値を見て追っていけば何をしているかわかるかと思いますので、数字に強い方は是非ご覧ください。楽しいと思います!!数字に弱い私でも面白かったので^^
計算の結果と実車での実験結果
それで、結局のところ色々な「計算」をした結果、タイカンターボSの方が、テスラモデルSよりは速いはず、という結果に。
さらには、Top Gearがまさにこの計算した2台であるタイカンターボSと、モデルSを実車を使ってのドラッグレースをするという実験を実施されていたので、それにより、実車で実際に比較した場合にはどうなったかという結果も出されることになりました。
結果、計算通りやはりポルシェ・タイカンターボSの方が速かった~。公表数値だけで見ていたら、モデルSの方が速いはずだったのに!
ちなみに、こちらの 「Engineering Explained」 の動画は「科学的に(車にまつわる様々なことを)数字で考えたらどうなるか」を純粋に行われているだけであり「公表値が間違っている!」とか、そういうことで争いごとを起こそうとしているものではありません。
本当に、見ていて純粋に「すごいな~」と思えるもので、それがわかるからこそだと思うのですが、この動画のコメントにも以下のようなものもありました。
「テスラ・モデルSオーナーだけど。自分の車よりも他の車の方が速いっていうタイトルを見ただけで、内容を見るまでもなく、動画に悪い評価をつけたよ!…というのは冗談で、これ最高!凄いね!」
と。テスラ・モデルSのオーナーさんでさえ、素直にこの動画の内容を称賛されていて、なんだかそういうのっていいな~って、これまた温かい気持ちになりました。
それにしても、こうやって数字で語れる人って本当に尊敬しちゃいます。ポルシェもカッコイイけれど、こういう方も本当にカッコイイです^^
出典: THE PORSCHE TAYCAN IS QUICKER THAN A TESLA MODEL S AND SCIENCE PROVES IT!