ポルシェEBIチームWAIMARAMA
最近のお気に入りであるポルシェラリーボトルにマックコーヒーを入れてもらって、朝からまたまた出発です。
…やっていることが日々同じような(笑)。
この週末、今度はどこに出かけていたのかというと2021年5月22日~23日にかけて開催されていたスーパー耐久シリーズの富士スピードウェイ24時間耐久レースに行ってきました~。
今回のFSW 24hには知り合った多くのドライバーさんたちが参加されていたので、とにかく沢山見たい&応援したいチームばかり。
ポルシェトラックエクスペリエンスで教えて下さった方、砂子塾で教えて下さった方、車の試乗会で出会った方、イベントで出会った方、とにかく皆さまの応援がしたいわけです。
でもやはり、多くの方の応援をしつつも「今回はここを応援する!」と私の中で決めた1つのチームがありました。
そう、それはもちろん…
ハイ、車両はやっぱりポルシェです。
私としては普段からお世話になっているEBIグループのポルシェチームの応援をさせて頂くことに決め、2021年FSW 24h耐久レースはポルシェEBIチームと共に観戦させて頂きました^^
こちらがポルシェEBIチームの応援で使わせて頂いたクリスタルルームで、ちょうどEBIチームのピットの真上に位置しています。
部屋の窓から下を見ると「Porsche Team EBI WAIMARAMA」というチーム名が見えます。
ん?
正式なチーム名は「ポルシェEBIチーム」ではなくて、「ポルシェ チームEBI ワイマラマ」なの?
ワイマラマ?
WAIMARAMA?
WAIMARAMAとはニュージーランドにあるワイナリーの名称でした。
今回、こちらのワイナリーWAIMARAMAがスポンサーとなってのチームEBI。
あ、そしてワイナリーがスポンサー様であるということで、クリスタルルームではワインの試飲もさせて頂くことが出来ました。
もちろん、この日のうちにまた運転する方はその運転する時間までを逆算して飲まなかったり、早めに飲んだりと調整。
私も頂きましたが美味しかったです。1杯だけではなくて、持っていっていたポルシェボトルにフルフルに入れてもらえば良かった(無理)^^
今回、このチームEBIワイマラマが走らせるお車はポルシェ 718ケイマンGT4 クラブスポーツ。
この写真にある車で、カッコ良くグレーとオレンジベースのカラーにラッピングされています。
FSW24h耐久では沢山のお車たちのデザインを見ましたが、その中でも私はこのポルシェチームのカラーリング好きでした。ぱっと映えるし、ケイマンがよりカッコ良くみえたと思います↓
決勝前にまさかの車両全損
この素敵な718ケイマンGT4クラブスポーツ。
決勝が開催される5月22日(土)に富士スピードウェイ(FSW)現地まで行って応援する~!ってなっていた直前の木曜の夜のこと。
私達のところにも「え??」ってなってしまうニュースが入ってきたのです。
そのお知らせの内容は、まさかの「車が全損しました」というもの。
いやいやいや。
決勝直前で「全損しちゃった」って。
つまり、それはこのケイマンGT4クラブスポーツはもう走ることが出来ない、ということを意味しています。
木曜日の夜に夜間公式テストを行っている際に、凄い雨だったことからハイドロプレーニングによりコントロールを失い、ガードレールに右フロントから衝突。
こちらがEBIグループのインスタグラムにアップされていた、全損したケイマンの姿。これは…ひどい(涙)↓
通常であれば決勝直前のテストで車両が全損したとなれば「ああ、今回の参戦は断念となるのですね」となりそうなもの。私も「ああ、もうFSWまで応援に行ってもケイマンは走っていないのね」と思いました。
だって、参戦するレースは数周だけをなんとか走り切れば良いというわけでもない24時間の耐久レースであって、さらにはEBIチームにはもう1台ひかえの車があったわけでもありません。
そう、通常ならここで終了。
リタイア確定。
でも。
でも、EBIチームは違いました。
違ったの。
このいきなりの車両全損があっても、チームは決勝参戦をあきらめることはなかったのです。
木曜日の夜20:30頃に車両全損の連絡を受けた各関係者たちは、急遽国内に1台だけ在庫があったポルシェケイマンGT4クラブスポーツをポルシェジャパンから購入。
そのセットアップや車検を通すことまでもを次の24時間以内にすべて終わらせ、FSW24hrs耐久レースに参戦出来るまでに持っていかれたのです。
これ、こうして文章にしたらたったの数行のこと。
でも、実際にはこの数行で書いている出来事は、車両全損となったその時から、たったの1秒も無駄にすることが出来ないくらいの、大変な大変な時間であったはず。
こちらが急遽ポルシェジャパンよりEBIチームが新車購入した718ケイマンGT4クラブスポーツ↓
書類上の手続きも大変だったかと思います。いきなりの購入となるわけで。
さらには、その後に待ち受けているのは車両の整備。ただ新車を買って街中をのんびり走るというわけではなく、その約24時間後に待ち受けているのは24時間という超時間にわたる耐久レース。
その24時間耐久レースに参戦できるように新車の状態である車を一から仕上げていかなければならないのです。かつ、決勝参戦前には車検も通さなければなりません。
どれだけ大変であったのかは、私には想像もつかないものです。エンジンがかかったのは決勝前日の夜中の3時だったそう。
でも、少なくとも「チームEBIワイマラマは、チームが一丸となって絶対に決勝参戦をあきらめなかった」のであり、本当にその「一晩で新車を仕上げて24時間耐久に参戦(オフィシャルにも認められて)」を成し遂げられたのです。
もう、これだけで感動。
皆さまの大変さも知らずに夜通し寝ていて、何もしていない私だというのに、このお話をあとから聞いただけでも泣きそうになっちゃったくらいの感動でした。
そして22日当日、この「決勝参戦することが出来るようになりました」という連絡を受けていたものの、私はてっきりポルシェチームは新車そのものの真っ白な状態のケイマンで参加されるのだと思っていたのですが、それさえもが違いました。
この日、ピットの中をのぞいてみたら、そこにいたのは、あれ??真っ白な車じゃない!
もう、驚きしかなかったのですが、なんとレース参戦出来るように車両整備をしながらも、ラッピングチームが車へのラッピングも行っていて、決勝には元通りのラッピングされたグレーxオレンジの車体での参加に!!
これを見た時は本当に鳥肌たちました。
凄い、すべての分野において、それぞれの方がこの24時間で出来る限りのことをすべて成し遂げられたのだ、と。
もう、ひたすら感動してクリスタルルームでの最初の受付をしたわけなのですが、その時に頂いたのがこちら。
「これ、今回のドライバー6名全員のサイン入りです!」と言われて頂いたこの日のレースのパンフレット。
いやいやいや、ちょっと待って。
思わず「あの、この全損からの復帰でめちゃめちゃ大変な時に、ドライバーさんたちにこんなこと(サインする)させたのですか!!!」って言っちゃいました(笑)↓
でも、そんな大変な時にでも「応援に来てくれる方々の為に」と思ってドライバーの皆さまが1つずつ全員分にサインして下さったのかと思うと、その気持ちがとても嬉しかったです。
決勝開始前にはドライバー6名全員がクリスタルルームに来て下さいました。
今回のFSW 24h耐久レースのドライバーは:
- KIZUNA氏
- 千代 勝正氏
- 山野 直也氏
- 大草 りき氏
- 山野哲也氏
- ジュリアーノ・アレジ氏
です。
この時のご挨拶で、夜間公式テスト時の車両全損が起きた時の経緯の説明もして下さったのですが「雨でコントロールが効かなくなって、壁がぶつかってきた」という説明が面白かった^^
あくまでもケイマンが衝突したのではなく、ぶつかってきたのは壁(笑)。それはもうしかたない。だって壁からの狙い撃ちだし。
でも、やっぱり何が凄いって、車両が全損するほどの衝撃を受けた事故であったというのにも関わらず、ドライバーは無傷でありこうして決勝にも参戦できてしまうくらい元気でいらっしゃったということ。
718ケイマンGT4クラブスポーツが全損してしまったのは本当に残念でしかないことなわけですが、この車両はいかに『ポルシェが安全か』を身をもって教えてくれたのだと思います。
いよいよFSW 24hスタート
ドライバー挨拶も終わって、いよいよ2021年5月22日(土)15時からのスーパー耐久24時間レーススタートです。
コロナという今の状況でなければ、グリッドウォークも一般人の参加が出来たものと思いますが、現在は関係者のみ。
それでもこれだけの人が出ていたので、今までのグリッドウォークは物凄い人数が出ていたのだな、と思いました。
上から眺めさせて頂きながら、ポルシェチーム以外にも応援したいドライバーさんたちのお姿を見ることが出来て嬉しかったです^^
フォーメーションラップ。
ポルシェチームEBIワイマラマは、ピットスタートとなることからフォーメーションラップにも参加することはなくのスタートとなったようでした。
まあ、言ってみれば一番最後の最後、最後尾からのスタートです。
決勝レースがスタートし、最後尾のチームEBIワイマラマのケイマンも走りだしました。
こうして決勝の本番を走る姿を見ることが出来るだけで、それがどれだけの奇跡なのかがわかった今、本当に感動でした。とにかくもう「頑張って!」しかありません。
レースが始まったら、クリスタルルーム内に設置されてているいくつかのモニターで、色々な場所に設置されているカメラがとらえている映像を見ることも出来ます。
モニターの映像、そしてホームストレートは実際にガラス越しに見ることが出来ます。
レースの状況(順位など)もリアルタイムでずっと更新されていくので、この表から目が離せませんでした。
モニターで見たり、スマホでもこの画面を出していたので、とにかくちょこちょここの表で現在の状況をチェック。
レースが始まってしまえば、そこから待っているのは「あと24時間」という時間。長い!
途中、用意して下さっていたランチを頂きました。
さらには、24時間という長い時間があるので、ずっとクリスタルルームからの観戦ではなくFSWの他の場所からも観戦。
クリスタルルームとは反対側の方までパナメーラで送って頂いたり。
ホームストレートをクリスタルルームの反対側からも観戦してみたのですが、屋外ということもあり音の迫力が違う!楽しい!!
最後尾からスタートしたポルシェチームEBIワイマラマですが、色々なクラスが混在しているレースであることから、最初のうちはどんどん前にいる車たちを抜いていきます。
もうこれは「車両全損からの、1番になっちゃうんじゃないの!!!」と、ひたすらそういう奇跡を信じての応援です。
時間はいっぱいあるので、他の場所からも観戦します。
24時間耐久レース、走られている方&メカニックさんを始めチームの皆さまは本当に長時間で大変かと思うのですが、観戦させて頂いている側からすると時間がたっぷりあるので、焦らずに色々なところから観戦することが出来て凄く楽しかったです。
スーパー耐久では、テントでキャンプをしながら観戦される方も多く。
拝見していると、かなり本格的な自炊をされている方がいたりと凄かった!!これはこれで、レース観戦ということだけではなくとても楽しそうです^^
そんなテントの方々を横目に到着したのが、こちらの100Rに設置されていたポルシェのテント。
ここも今回、利用できるようになっていましたので何度か訪れて100Rからの観戦もさせて頂きました。なんとも、とっても贅沢な時間。
もうこのままポルシェは快走を続け『全損からの優勝』しちゃうんじゃないの!!という期待としていた私だったのですが、やはり現実はそう簡単にはいきません。
辺りが薄暗くなってきた頃、唐突にケイマンがピットイン。え、なに?故障?どうしたの?
何が起きたかわからなかったのですが、どうやらこの時は車両のナンバーを表示している部分を光らせなければいけないのに、それが光っていなかったということで修正しなければいけないということだったようです。
こういうことも、通常であれば普通に準備万端でいられたようなことでも、今回みたいにいきなり新車を整備しての参戦であったので色々と大変だったんだろうな…。
ポルシェチームのことではなくても、他のチームの車両にも色々なマイナーなことから大変なことまで「何かが起きた」を見るたびに、私の中での思いは「24時間耐久レースというのは優勝云々よりも、まずはただ「24時間を完走することが出来る」だけでも凄いことなのだということ」に変わっていました。
24時間を完走することが出来る。それがどんなに大変なことなのか。
翌日は朝から夫に用事があったので、この日は夜20時にFSWで打ち上げられた花火を見たあとしばらくしてから1度帰宅することにしました。
本当なら24時間ずっと一緒に応援したかったのですがこればかりはしかたありません。
チームの皆さまに「また明日、応援に来ますね!明日も走り続けていて下さることを祈っています」とお伝えし、帰宅。
駐車場にとめてあった車に戻ると、隣にとめられていたのは…
おお。
御殿場にあるミュゼオとして知られていた、今は「リストランテ桜鏡(サクラカガミ)」となっているレストランのカイエンでした^^
自宅に戻ってからも、レースの状況が気になってしまうのでスーパー耐久の公式YouTubeでレース観戦です。
「がんばれ~!」と思いながら観戦していたのですが、ここでまたトラブルが!!!夜の11時すぎだったかな、突然止まってしまったケイマン。
牽引され、その後メカさんたちによって押されながらピットインする姿を見てもうハラハラハラ…。
「明日も応援に行きたいから、なんとか頑張って復帰して!!走り始めて!!!」と願うことしか出来ませんでしたが、とりあえず復帰してくれることを信じて、翌日もまたFSWに向かう為に就寝。
ポルシェチームEBI Waimarama。頑張って!復帰して!明日もちゃんと走っていてください。応援に行かせて。
そう思いながら、この日は眠りについたのでした。
続きます。