数日前に報道されていたニュースになりますが、ポルシェが欧州での電気自動車の普及率低迷と中国の全体的な成長減速に伴う収益性懸念からドイツで1,900人の人員削減を実施するとのこと。
この人員削減は、後述しますがすでに2,000人の従業員に影響を及ぼした2回のレイオフに続くもの。
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今回の人員削減はツッフェンハウゼン工場とヴァイザッハの研究開発施設の従業員に影響を及ぼすと言われています。ポルシェにとってめっちゃ主力なところたちから…。
ちなみにタイカンはツッフェンハウゼン、EVマカンはライプツィヒでの生産。
ポルシェの広報担当者は「ポルシェは依然として比較的良い立場にある、しかし電気自動車の導入の遅れや厳しい地政学的・経済学的状況など克服すべき課題は沢山ある」と海外メディアに語られたそう。
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すでに2,000人に影響を与えた人員削減というのが何を指すのかというと、ポルシェは昨年、有期雇用社員1,500人の契約を更新しないことで人員削減を開始していて、さらにまた500人が契約満了を迎えることで合計2,000人の削減となった(なる)というもの。
ポルシェ広報担当者曰く、それでも人員削減はまだまだ不十分であると判断されたと話されていることから、今回また新たな人員削減がされることになったようです。
つまりは合計で3,900人の人員削減。そのうち、今回の計画では2029年までに前述の2拠点の雇用数を15%削減予定。
ポルシェとしては強制的な解雇は避け、早期退職/退職金などの自主的な措置を通じて人員削減を図りたい考え。もちろん、新規の採用についても制限的なアプローチを採用予定とのこと。
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2024年のポルシェは車の販売台数も2023年に比較して3%減、中国だけでの販売にいたっては28%減。さらにタイカンだけを見ると49%減という数字。
さらには今月初めには今年の利益率がわずか10~12%になるとの見通しということも発表。
ちなみにフォードも英国で800人、ドイツで2,900人の人員削減を発表しているそうで、やはりその原因をEVの需要低迷と前例のない競争・規制・経済の逆風と言われているとのことです。
色々と厳しい状況が続きます。
出典:
◆Porsche Will Cut 1,900 Jobs Amid Sluggish EV Growth
◆Porsche Is Set To Cut 1900 Jobs, Low EV Demand Blamed
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