ポルシェは2035年以降もEUで内燃エンジンが存続できると考えている
先日ポルシェのEVマカンがワールドプレミアされたシンガポールの地で、ポルシェのCFOであるLutz Meschke氏が『言われているほど内燃エンジンの未来は暗くないかもしれない』と漏らしたとのこと。
Lutz Meschke氏がオートモーティブニュース・ヨーロッパのメディアと話した際に『現在内燃エンジン廃止について多くの議論が行われている、遅れる可能性があると思う』と言われていたそうです。
これは、欧州連合で2035年から内燃機関を搭載した新車の販売が禁止されることについての言及。
もともとEUでは内燃エンジン搭載車の2035年以降の新車販売は全て認めないとされていましたが、自動車業界の主張を受けたドイツ政府の意見を踏まえて内燃エンジン搭載車について部分容認に方針転換、2023年3月にクライメート・ニュートラルな燃料(つまり水素とか合成燃料とか)で車両が走行することを条件に2035年以降の新型ICE車の販売を許可するという欧州委員会の草案になっていました。
※ただし車が完全にカーボンニュートラルな合成燃料だけで走行できる&100%カーボンニュートラルであることを証明できなければいけないとも言われており、これがまた大変みたい?
とにかく、もともとドイツ政府の意見を踏まえて部分容認がされることになったこと等から考えても、ポルシェ(VW)としてはきっと今行われている「多くの議論」の内容についてもかなり深く関わり、内容を把握されているものなのではと思います。たぶんですが。
そのポルシェのCFOが内燃エンジンの未来は暗くないかも、と言われたということは多少なりとも少しは今までよりICE車販売に関する規制が…、うーん、どうなっていくのでしょうね?
①2035年以降内燃エンジン車の新車販売はとにかく全部ダメ
↓
②100%カーボンニュートラルな燃料を使うなら内燃エンジン車でもいいよ
↓
③つぎ?
アメリカでの大半のICE車販売は2032年にはもう厳しくなる?
アメリカでは昨年12月に自動車メーカー業界団体がホワイトハウス等に現在提案されている3つの自動車規制について大幅に変更するよう求める書簡を提出されたことがニュースになっていました。
このまま現在の提案通りに進むと2032年までには新車で販売される車のうち67%が電気自動車になるとの推計で、それはもうかなり困るということで。
アメリカがそういう状況になるとすれば、例えヨーロッパのICE車の未来が多少明るくなったとしても、ポルシェ(ポルシェだけではないですが)としてはアメリカを完全に切り捨てて考えるわけにはいかないでしょうし。
どうなるかわかりませんが、とりあえずEVマカンは発表されたわけですし、EVケイマンも出てきますし、それはそれで楽しみにしつつ、今後がどうなるかを気にしていきたいと思います。
992.2も色々あって遅れている/さらに遅れる(?)のかもしれませんね~??
出典:
◆Porsche Thinks Europe's 2035 Combustion Engine Ban Might Be Delayed
◆EU set to demand e-fuel cars have no climate impact
◆US rules could force early production halt to some gas vehicles -letter
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