カイエンEVとカイエンターボEVがワールドプレミア
2025年11月19日にフル電動モデルとなった新型カイエン・エレクトリック、そして新型カイエン・ターボ・エレクトリックがワールドプレミアし、日本国内でも翌日11月20日より予約受注が開始されました。

フル電動化されたカイエンEVにはポルシェのDNAと先駆的なテクノロジーが融合されていて、最高出力850kW(1,156PS)、0-100km/h加速は2.5秒、最大充電電力400kW、最大航続距離642kmというスペック。

史上最もパワフルなポルシェの市販モデルでありながらも、多用途で公道ではダイナミックに、そしてオフロードでは自信にあふれた長距離の旅でも快適なモデルとされています。

カイエンは2002年9月にワールドプレミアされた、ポルシェがスポーツカーブランドの伝統をまったく新しい市場セグメントに移した最初のモデルと言われています。それがついに23年の時を経てフル電気化されたわけですね。
では、発表された内容を見ていきたいと思います:

スーパースポーツカーの性能
- カイエン・エレクトリック(以下カイエンEV)およびカイエン・ターボ・エレクトリック(以下カイエンターボEV)はどちらも4WDで、電子制御ポルシェトラクションマネジメント(ePTM)が装備されている

- カイエン・ターボEVの0-100km/h加速タイムは2.5秒、0-200km/h加速タイムは7.4秒、最高速度は260km/h
- ローンチコントロールを作動させると最高出力850kW(1,156PS)、最大トルク1,500Nmを発生する新開発のドライブシステムによって実現
- ターボモデルはリアアクスルの電気モーターを直接オイル冷却することで、高い連続出力と効率を確保
- これはモータースポーツに由来する革新

- 通常走行モードでは最高出力630kW(857PS)が利用可能
- プッシュ・トゥ・パス機能によりボタンを押すだけで130kW(176PS)を10秒間追加で作動させることが出来る
- カイエンEVのエントリーモデルは通常作動時に最高出力300kW(408PS)、ローンチコントロールを使用すると最高出力325kW(442PS)、最大トルク835Nmを発生、0-100km/h加速タイムは4.8秒、最高速度は230km/h

フォーミュラEレベルの回生
- 新型カイエンのエネルギー回生はフォーミュラEと同レベルの最大600kWの回生出力を達成
- 日常生活ではすべてのブレーキ操作の約97%を電気モーターだけで処理することが出来、機械式摩擦ブレーキが介入する必要はほとんどない
- カイエンターボEVにはポルシェセラミックコンポジットブレーキ(PCCB)もオプションで用意

- 新型カイエンの多用途性の多くはシャシーによるもの
- ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)を備えたアダプティブエアサスペンションが両モデルに標準装備
- ターボモデルにはポルシェトルクベクトリングプラス(PTVプラス)リミテッドスリップリアディファレンシャルも装備される

- 両モデルとも後輪を最大5度操舵するリアアクスルステアリングを装備することが可能
- ポルシェアクティブライドも初めてフラッグシップモデルに採用:ボディの動きをほぼ完全に補正し、卓越した安定性、ダイナミクス、快適性を保証

革新的な充電の利便性: 高速、強力、ワイヤレス
- 新型カイエンの心臓部には両面冷却による最適な熱管理が行われる新開発の113kWh高電圧バッテリーが搭載されている
- その結果、航続距離(複合WLTP)はカイエンEVで最大642km、カイエンターボEVで最大623kmに
- 800V技術により390kWの直流充電が可能で特定の条件下では最大400kWで充電することが可能

- SoC(充電状態)は16分以内に10%から80%まで増加させることが可能、10分以内に325km(カイエンEV)/ 315km(カイエンターボEV)の航続距離のエネルギーを追加することが出来る
- 新型カイエンの開発で最も重視されたのは強力な充電性能

- 新型カイエンはまた、最大11kWで充電するインダクティブ充電をオプションでサポートする最初のポルシェでもある
- ワイヤレス充電に必要なのはユーザーがフロアプレートの上に駐車することのみで、その後自動的に充電が開始される
新しいエクステリアデザイン:先進的で空力性能に優れる
- 新型カイエンはポルシェブランドの特徴的なプロポーションと、明確に開発されたデザイン言語を兼ね備えている
- 新しいカイエンは紛れもなくポルシェであり、紛れもなくカイエン
- ハイライトはスリムなマトリックスLEDヘッドライトを備えた低いボンネット
- これは車両の幅を強調しすべての照明機能を1つのモジュールに統合


- 力強い輪郭を描くフェンダーは象徴的ななだらかな傾斜のルーフラインを表すフライラインと同様に他のポルシェでもお馴染みのデザイン
- サイドビューの特徴はフレームレスドアとドア表面の印象的な凹み
- 立体的なデザインのサイドスカートはボルカニックグレーメタリックで塗装され、カイエンターボEVではハイグロスブラックで塗装される
- ツートンカラーのコンセプトは車のスポーティーなプロポーションを強調し、モデル専用のホイールアーチトリムはオフロード特性を強調

- 特徴的な3Dルックとアニメーショングラフィックが施されたライトストリップやイルミネーテッド『Porsche』ロゴなど、リアの印象的なディテールがモダンなデザイン言語を引き立てている
- カイエンターボEVでは専用カラーであるターボナイトの数多くのコントラストエレメントが特徴
- これにはポルシェクレスト、軽合金製ホイールの表面、サイドウインドウトリムなどが含まれる
- ターボナイトの繊細なアクセントがライトストリップと『Porsche』ロゴを引き立てる

- アプローチアングルと堅牢性に関する特別なリクエストにはオフロードパッケージが応える
- ジオメトリーを変更したフロントセクションは荒れた未舗装路や特に急な上り坂や下り坂、難しい地形でも安全に走行できるようサポート

- 空気抵抗係数が0.25であるため新型カイエンはこのクラスではトップクラスの空力性能を備えており、航続距離とエネルギー消費の面でメリットをもたらす
- ポルシェアクティブエアロダイナミクス(PAA)システムは走行状況や速度に応じて車の空力特性を正確に調整し、効率的な制御戦略とともにダウンフォースを増加させることでポルシェブランドに期待されるドライビングダイナミクスに貢献

- アクティブエアロダイナミクスエレメントにはノーズの可動式冷却エアフラップ、アダプティブルーフスポイラー、ターボ後部の革新的なアクティブエアロブレードなどがある
- 横方向のティアオフエッジを延長して流動特性を改善し、特に高速走行時の航続距離の向上を実現
- その他の空力対策としてはフロントボディのエアカーテン、ほぼ完全に密閉されたアンダーボディ、専用エアロホイール、リアのディフューザーなど

実用性、快適性、個性の新たなレベル
- カイエンEVは内燃エンジンモデルより55mm長く、全長4,985mm、全幅1,980mm、全高1,674mm
- その差はホイールベース(3,023mm)で最も大きく、13cm近く伸びたことで後席の足元スペースがこれまで以上に広くなり、後席の乗員も快適に過ごすことが出来る

- リアシートは電動調整式が標準装備、コンフォートポジションからカーゴポジションまでフレキシブルに調整することが可能
- ラゲッジコンパートメントの容量は781~1,588リッター、さらに90リッターのフロントラゲッジコンパートメントを備える

- 新型カイエンEVの利便性は装備に応じて最大3.5トンのけん引性能によっても強調される

- 新たに導入されたムードモードはインテリアを気分や状況に合わせた体験空間に変える
- 選択したプログラムに応じて、シートポジション、ライティングムード、エアコン、サウンドプロファイル、ディスプレイの外観が変化

- 電動で切り替え可能な液晶フォイルによる可変ライトコントロールを備えたスライディングパノラミックルーフは開放感のある空間を提供
- もうひとつのハイライトである新しいパネルヒーターは、シートだけでなくアームレストやドアパネルなど広い面積の接触面も暖める

- コミュニケーションライト(車に乗り込む乗客を歓迎し、充電プロセスなどの様々な車両状態を視覚化するアニメーテッドライトストリップ)などの拡張アンビエントライティングも充実
- 新型カイエンEVほど包括的かつ個別にカスタマイズ可能なカイエンはかつてなかった
- 13色の標準カラー、20~22インチの9種類のホイールデザイン、12種類のインテリアの組み合わせ、それぞれ最大5種類のインテリアパッケージとアクセントパッケージから選択可能


- ポルシェエクスクルーシブマニュファクチャー、ペイントトゥサンプル(PTS)によるエクステリアカラーレンジの拡大や、ゾンダーヴンシュ(Sonderwunsch)プログラムにより、より多数のオプションから完全なワンオフモデルまで個人的な希望に応じてカイエンをカスタマイズすることが可能


- ポルシェ傘下のスイス時計メーカー「ポルシェデザイン」はカスタムメイド時計プログラムをSUVモデルにも展開
- カイエンのオーナーは自身の車に合わせて細部までカスタマイズしたタイムピースの注文が可能

ポルシェドライバーエクスペリエンス:ポルシェで最大のディスプレイエリア
- デジタル化の分野では新型カイエンがドライビング体験を新たなレベルに引き上げる
- 新しく開発されたポルシェドライバーエクスペリエンスの中心となるのがフローディスプレイ
- これはセンターコンソールにシームレスに溶け込み、ディスプレイとコントロールエリアを明確に分離してエレガントなカーブを描く有機ELパネル


- さらにOLEDテクノロジーを採用した14.25インチのフルデジタルメーターパネルと14.9インチの助手席側ディスプレイ(オプション)が加わる
- その結果ポルシェ史上最大のディスプレイエリアが実現
- カイエンでは初めて車両の10メートル前方に87インチのディスプレイエリアを視覚的に表示するAR技術搭載ヘッドアップディスプレイも用意された
- 全てのディスプレイはインテリアアーキテクチャーにシームレスに組み込まれている
- 一方、エアコンやオーディオの音量など特に使用頻度の高い機能のボタンやコントロールはアナログ式

- さらに新開発のハンドレストによりドライバーは特にダイナミックな運転状況でもデジタルとアナログのエレメントを人間工学的に操作することが出来る

- 新しいポルシェデジタルインタラクションは、ポルシェドライバーエクスペリエンスを拡張するデジタル操作哲学とデザイン言語で、個性化と機能への迅速なアクセスを目的としている
- ウィジェットを使用して好みの機能にアクセスし、テーマアプリを使用してすべてのディスプレイの配色をカスタマイズすることが可能
- 数多くのサードパーティー製アプリはポルシェアプリセンターを介して車両に直接統合することが出来る
- 多様なストリーミングとゲーム機能がデジタル体験を新たなレベルに引き上げる
- ポルシェデジタルキーを使用するとスマートフォンとスマートウォッチが車両のキーとなり、最大7人のユーザーとデジタルで共有することが出来る

2030年以降の3つのパワートレイン
- カイエンのフル電動化は既存のドライブトレインの選択肢を補完するものであり、内燃システムとハイブリッドドライブシステムは今後も世界中で並行して次の10年に向けても提供される
- この戦略はポルシェのすべてのモデルポートフォリオに適用される
- 将来的にはポルシェが展開するすべてのセグメントにおいて顧客はフル電動や内燃エンジンのパワートレインから選択出来るようになる
※今回の記事内で書かれている航続距離、充電スピードおよびワイヤレス充電に関する記述はポルシェAGのプレスリリースからのもの(欧州仕様)で日本仕様とは異なりますので、日本仕様の正しい数値は国内のディーラー様にご確認下さい)。

新型カイエン・エレクトリックおよびカイエン・ターボ・エレクトリック日本国内価格
2025年11月20日現在の新型カイエンEV、また新型カイエンターボEVの日本国内での価格は以下の通りとなっています:
| モデル | ハンドル | 車両本体価格(税込) |
|---|---|---|
| カイエン・エレクトリック | 右 | 1,335万円 |
| カイエン・ターボ・エレクトリック | 右 | 2,101万円 |
出典:
◆(公式)A technological milestone for Porsche as the Cayenne goes electric
◆(公式)New Porsche all-rounder Cayenne nameplate expands portfolio to include electrification
◆(公式)新型カイエン・エレクトリックおよびカイエン・ターボ・エレクトリックの予約受注を開始
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