サンシャインコントロール付きパノラマルーフとは
先日、ポルシェタイカンGTSの画像がふと目に入った時に「ん?これは何だろう」と思ったことがありました。
それがタイカンGTSのサンルーフ(パノラマルーフ)。
タイカンGTSが昨年末に発表された際、実はあまりきちんとその詳細を見ることが出来ていなかったので(たぶんBMWのスタンプラリー修羅場で忙しかった(笑))、このパノラマルーフのことも全然見ていませんでした。
今になって目にとまったこのパノラマサンルーフは、見るからに「なんじゃこりゃ」というデザインになっていたので、気になって調べてみました^^
調べてみると、これは『サンシャインコントロール付きパノラマルーフ』と呼ばれるもので、言ってみれば電子制御されたブラインドがついているようなサンルーフ。
PDLC技術(Polymer Dispersed Liquid Cristal: 高分子分散型液晶)という液晶入りのフィルムが使用されていて、そこに電流が流れる仕組み。
それにより少しの交流電圧により液晶はミリ秒単位で一定の形に整列することでルーフのガラスが透明に、そして逆に電流が流れていない状態だと、ガラスは不透明に(液晶が整列せず無秩序な状態になる為)。
この技術は車以外の他のところでは今までも普通に使われてきている技術であるものの、自動車分野に適用されるのはこのタイカンGTSが初めてのことなのだそうです。
さすが、目のつけどころがポルシェでしょ(あ、これ違うメーカーのフレーズだったかな^^)。
この液晶フィルムは9つのセクションに別れていて、それらを電子制御することで:
- 完全に透明(クリア)
- 完全に不透明(マット)
- 透明と不透明のあわせ技(セミ、ボールド)
というサンルーフにすることが可能。セミとボールドというのはそれぞれ透明、不透明部分のどちらかがより広くなっているデフォルトのパターンのようです。
さらには動的なローラーブラインドモーションというのも可能で、タッチスクリーンのパノラマルーフ(の画像というの?)を指でスライドさせると、それと同じモーションでサンルーフも透明、不透明にスライドするように切り替わるようです。
ちなみに車が停止する(=エンジンが切られる停止を意味していると思われる)とガラスは自動的に不透明な状態に切り替わり、エンジン停止前の最後のルーフ設定は保存されるので、また再始動した時にはその最後の設定が適用されるとのこと。
このサンシャインコントロール付きパノラマルーフは多層構造となっている為、従来のガラスルーフなどよりもさらに熱に対しての遮熱効果も優れているそう。
ヴァイザッハのポルシェ開発センターの太陽光シミュレーションでの測定によると、このサンルーフを通して車内には15%の熱しか入り込まないとのことで、ちなみに従来のルーフでは30%以上。
それでいてルーフを不透明にしていても明るさはまったく低下せず、従来のルーフよりも車内には2倍の光が取り込まれるとのことです。
このサンシャインコントロール付きパノラマルーフ、いつの日か実際に稼働しているところを見てみたい&体験してみたい…あ、違った、タイカンだけに体感してみたい機能だと思いました^^
ドイツでは5,045ユーロ(約69万円)のオプションとのことですが、私がさきほど日本のコンフィギュレーターでタイカンGTSを見てみたところ、このオプションは出てきませんでした。
今は(今の世の中の状況的に)選べないのかもしれませんね。※2022年4月26日現在
出典:
◆(公式)タップするだけで透明と不透明を切り替え
◆Porsche Taycan Variable Light Control sunroof: how does it work?