そもそもなぜマクラーレンが買収されるかもという話になっているの
★いまこの話が迷走していて、さらにこれを書いた翌日には「アウディがマクラーレンをすでに買収した」というニュースが流れましたが、これはマクラーレンによって否定されています★(追記:2021.11.16)
今まで実際に、マクラーレンを所有されて乗られたことがある方からは「マクラーレンが最も良い」、そしてマクラーレン(の市販車)に試乗されたレーシングドライバー数名の方から「マクラーレン最高。人と車が一体化していると最も感じられる車」と大絶賛された…のを自分自身で何度となく聞いてきました。
マクラーレンは私自身も「いつかはマクラーレン」と言い続けてはや数年(笑)の、憧れの車の1つです。
多くの方からその性能を大絶賛されているマクラーレンがどうして買収されるかもという話になっているのかというと、そこはもう皆さまご存知の通り業績が悪かったりした為というのが大きな理由。
コロナウイルスの影響が大きかったとも言われていますが、昨年2020年にはマクラーレンの自動車部門は2億2,290万ポンド(約340億円)の営業損失を記録。売上台数も64%減の1,659台に。
結構な困難の時期をすごされたマクラーレン、なんとかする為に本社を売却(その後、リースして利用)、またローン返済の為に5億5,000万ポンド(約840億円)の新株発行等々による融資を受けたり。
なんとか2021年には状況改善がされてきて上半期には収益が2倍になったとのことではありますが、それでもマクラーレンのCEOであったMike Flewitt氏は2021年10月に辞任。
それによって彼が以前語られていた「今後6年間で18の新しいモデルを発売する」というものの、現在はどうなっちゃっているのかわからないという状況だそう。
と、まあなかなか経営的に困難になってきているというとろこでの買収話。現在、このマクラーレンを「買うのでは」と噂されている2社がBMWとアウディとなっています。
今回のこの買収劇の裏でエージェント/ブローカー等々がその価値の評価や戦略の確立、リスク評価などに忙しく動いているとのことで、買収劇のキーとなるプレーヤーは現在マクラーレンの約42%を所有するバーレーンの投資ファンドであるMumtalakat。
これまた噂によると、このMumtalakatが2021年12月初旬にBMWと会議を行う予定(しかもその会議内容は公表されるものとのこと)で、これが「BMWがマクラーレンを買う検討をしているかも?」という噂を大きくした1つの理由なのかな?と思われます。
なぜBMWがマクラーレンを買収するのか
BMWがマクラーレンを買収する理由として考えられているのは、そうすることによってBMWが「スーパーカー部門の立ち上げ」が出来ることになるから、というもの。
現在のBMWでは、M8はちょっとスーパーカーとも言えず、またZ4もトヨタなしでは存在できなかったもので、さらにはZ8やi8なども現在進行形のものではなく…。
そういった状況のBMWにマクラーレンが入ってきたら、スーパーカーやハイパーカーへの新しいラインアップを即座に用意出来るようになるかもという期待があるようです。
またその為に必要なエンジニアリングとデザイン作業に関しても対応可能で、予算的なものも低めに実現できると「(BMWの)中の人」が語ったとのこと。出ました、また誰かわからない「中の人」の話(笑)。
さらに「BMWはマクラーレンの高性能ハイブリッドドライブトレインの開発を支援することで、次のM5は物凄いパワーのプラグインハイブリッドになる」とも。
BMWはマクラーレン買収に興味なし
…な~んて具体的な次のモデル計画の話とかまで出てきてしまうと、「え、本当にBMWがマクラーレンを買っちゃうのかも?」なんて思ってしまうわけなのですが、実はここに来て本日2021年11月15日の報道できっぱりと『BMWは現在報道されている内容を否定、BMWはマクラーレン買収に興味はない』って。
否定しちゃった^^
上記にある「BMWがマクラーレンを買うかも~」という報道が出されたことを受け、BMW幹部が「記事は間違っている(Wrong)」と伝えたとのこと。
まあ「Wrong」とだけ語られているので、その「違う」というのが「買収しないよ」なのか「Mumtalakatとの会議なんてないよ」なのか、どこを否定しているのまでかはわからないのですが、海外メディアでは「買収に興味がないと否定した」と書ききっているところもありますので、そういうニュアンスで言われたのかと。
なぜアウディがマクラーレンを買収するのか
ではアウディがマクラーレン買収を検討しているという話の方はどうかというと、こちらは「マクラーレンのF1チームを買う機会があるなら検討したい」という感じで、否定はしていません。
憶測での「なぜアウディがマクラーレンを買いたいのか」は、アウディ(VWグループ)のF1参戦へ向けてという理由が大きいようです。
2026年にFIAレギュレーションが正式に発表され、それ(その内容)を受けてフォルクスワーゲングループのF1参戦がまた再開されるのではと期待されているのが現在の状況。
その報道でも言われていたのが、VWグループがF1参戦するとしたら「ポルシェxレッドブル」と「アウディxマクラーレン」という提携になるだろうというものでした。
なるほど。ここでマクラーレンを買収してしまったら、それはマクラーレンのF1チームを(今ならたぶん通常より格安で?)取り入れることが出来るわけで、費用対効果の高いF1参戦へ向けて非常に良い投資となるのかも。
でも…その一方でVWグループにはすでに多くのスポーツカーブランドがありすぎるので、ここでまたマクラーレンも追加しちゃっていいの?という疑問も。
…という疑問に答えているのが、また「ドイツのインゴルシュタットの情報筋による情報」という怪しいものなのですが(笑)←だからこれ誰!、えっと、その情報によるとアウディのマクラーレン買収はもちろんF1関連が理由ということもあるものの、それ以外にも他に「防御する」ことも理由の1つである、と。
防御?
何を防御するのかというと、BMWがマクラーレンを買収することからということと、他にも韓国や中国からのライバルをブロックすることが目的ではないかと言われています。
というのも、浙江吉利控股集団(Geely)が昨年マクラーレンと交渉していたとも伝えられていたりするので、だったら先に自分たちが買っておこうということ…なのかな。
以前、VWグループとBMWはロールスロイス/ベントレー(が1つの会社だった頃)を取り合った過去もあり、そういったことからも「今回はアウディが先に買っちゃうもんね」となっているのかもしれません。
そんな単純ではないか(笑)。
マクラーレンはフェラーリやランボルギーニに匹敵する素晴らしい性能で競うあうくらいであり、かつその性能をもっともっと高めてほしいと望む多くの人(ファン)たちもいて、長期的にみてもマクラーレン買収に収益性はあると踏めるようです。
現在、VWの元幹部2名(うち1名はポルシェの元CEOのMichael Macht氏)が2021年10月初旬からマクラーレングループの非常勤取締役に任命されていたりと、いったい何がどう動いていくのかな~。
はぁ、いつかはマクラーレン!
出典:
◆ BMW and Audi in bidding war for McLaren
◆ BMW denies it is interested in buying McLaren, Audi says open to cooperation
◆ BMW denies reports of McLaren purchase, as Audi eyes F1 division
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