ポルシェCEOのオリバー・ブルーメ氏がブルームバーグに語る
ヨーロッパ(EU)で2035年に燃焼エンジンを禁止するという規制案に対し、先週イタリア政府が
「うーん、でもそんなに販売台数が多いわけでもないし、スーパーカーだし、フェラーリとランボルギーニは規制対象外にしても良いんじゃないの?」
という希望をしていることが伝えられていました。
あ、こんな軽い感じでの発言じゃないのかな、すみません(笑)。まあでも、内容はそんな感じ。
それに対して、ポルシェAGのCEOであるオリバー・ブルーメ氏がブルームバーグに対し「いやいや、そんな例外はまったくもってダメでしょ」と。
その「ダメでしょ」の理由は、電気自動車は燃焼エンジン車よりも性能が高いというだけでなく、そもそも誰もが気候変動との闘いに貢献しなければダメじゃないの」というもの。
いくら生産している台数が少ないからといって、そこはフェラーリでもランボルギーニでも平等に皆で対応していかなければ、と。
ポルシェとしては、現在タイカンというフル電気自動車を持ち、また他にも多数のハイブリッドモデルをすでに生産しているわけですが、それに比べてフェラーリとランボルギーニは電気自動車の生産はまだほとんどないことから、ポルシェとしてはここはきっちり攻めておきたいところなのかも。
オリバーブルーメ氏いわく、今後10年間で電気自動車は無敵の存在になるだろうとのことで、今後の車たちにおいては内燃機関だから高性能であるというメリットについては否定。
とにかく言いたいことは「脱炭素化は世界的な問題なのだから、誰もが貢献していかなければならない」ということ。
それはまあ確かに、世界といってもまったく違う地域であればまだしも、同じEU内のかなり近所の国なのに「フェラーリとランボルギーニだけはガソリン車を製造・販売し続けてもいいよ」となるのは、ポルシェでなくても他メーカーたちもアンフェアだと感じるだろうというのもわかります。
ところで、ランボルギーニはポルシェと同じVWグループ傘下にいるメーカー。でもランボルギーニは車の電動化については少し遅れ気味。
向こう4年間で排出量を50%削減したいとは考えているものの、V12エンジンはランボルギーニのアイデンティティであり、そこを維持する為には戦っていくとランボルギーニの最高技術責任であるMaurizio Reggiani氏は表明されています。
フェラーリはどうかというと、2025年までに最初のフル電気自動車をリリース予定で、EU2035の規制に対ししっかりと対策をしていっているのは確か。
ランボルギーニとフェラーリの規制対象除外は誰が望んでいることなの
よって、今回のこのイタリア政府の「この2社は例外で」という意見は、イタリア政府がイタリアの産業を守る為に(ある意味勝手に)出した案なのか、それとも各メーカー側からのロビー活動の結果で出されたのかは不明とされるところだそうです。
まだまだ今後どうなっていく話なのかはわかりませんが、これからの10~15年くらいには今回のことだけではなく、色々な変化が起きそうですね。
企業がその変化に対応していくのは本当に大変なことだと思うのですが、ユーザー側もまたそれら変化について行くのが(心情的にも?)大変そうなのかな。
でもそういう変化を楽しめる時代に生きていられるというのも面白いなと思えるので、これからも色々な変化を楽しんでいきたいと思います~^^
出典:
◆ Porsche CEO Says Ferrari, Lamborghini Shouldn’t Be Exempt From EU Combustion Engine Ban
◆ Italy Wants to Exempt Lamborghini and Ferrari From Future Gas Engine Ban