718ケイマンGT4クラブスポーツ、再始動
このブログは『スーパー耐久 富士24時間レース観戦 Day1』の続きとなります。
スーパー耐久シリーズ 富士スピードウェイ24hは、2021年5月22日(土) 15:00~23日(日)15:00までの24時間通してのレース。
よって今回、チームEBI WAIMARAMAチームが用意して下さったクリスタルルームも24時間通して利用することも出来ました。
でも我が家の場合は夫に翌朝用事があったため夜に1度帰宅。
そして翌日、23日。
私、こういうイベントとかに1人で行くことがなかなか出来ない性格なのですが、今回は現地でご一緒させて頂いたご夫妻に「明日、私達もいますよ^^」と言って頂けたことや、そしてやっぱりどうしても最後の瞬間までをEBIチームの皆様と一緒に見届けたいと思ったので、この日はまたFSWまで1人で走ってしまいました。
昨晩、EBIチームのケイマンがエンジンストップしたという情報を見てから寝たのですが、やっぱり気になってしまって夜な夜なちょこちょこ起きてしまって、その都度経過をチェック。
午前2時過ぎに、なんとかエンジン再スタートでレースにまた参戦復帰できたということを見ていました。
それでも朝、家を出てからFSWに着くまでの間には状況確認をすることが出来なかったので、FSWについた時もまたドキドキです。
「22番のケイマン、走っていて」と思いつつ、駐車場に車を停め歩いていきます。
そしてサーキットが見えてきて、そこにケイマンが走っている姿を見た時の嬉しかったことといったら!!!
私が昨晩からFSW→都内→寝る→FSWと行動している間に、ここFSWを走られているお車たちはずーーーーーっとこのサーキットを走り続けられていたのかと思うと、ただもう「凄い」としか言えません。
ケイマンが快走されている姿を見ることが出来てひとまず安心したので、そのままのんびりとクリスタルルームに向かいます。
そういえば、途中ポルシェチームの近くにこんなキッチンカーが停まっていました。タンタローバガーデンって書いてある。
タンタローバ、こんなキッチンカーも持っていたの~、と思いつつクリスタルルームへ…
そうしたら。
席には美味しそうなスコーンとジャムが置かれていました^^
まさにこちらのスコーンは、タンタローバガーデンのキッチンカーからの差し入れだそうです。とっても美味しかったです^^
2日目の朝、EBIチームスタッフの皆様にも再会、さらには昨日とは違う応援スタッフの方々も多くかけつけてこられていたので、この日もまた沢山のEBIスタッフの皆様と再会することが出来たのもとても嬉しかったです。
ディーラーメカニックだからこそ出来たこと
途中、山野ご兄弟がクリスタルルームに来られてレース状況を語って下さいました。
気になっていた昨晩のエンジントラブルについては、まだこの時点では完全な原因究明が出来てはいないものの、何かしらの接触不良(センサー異常)によって燃料がエンジンに行き届かなくなったことが原因ではないかとのことでした。
そしてこの原因をつきとめるのに大活躍されたのが、ディーラーメカニックの皆様であったとのこと。
通常、レースの際には(レースカーは市販車とは全然違うので)プロのレースメカニックの方が活躍されるそうなのですが、今回のEBIチームには普段ポルシェセンターにてメカニックをされているディーラーメカニックの方々もいらっしゃったとのことで、その数、半々くらい。
今回の車両である718ケイマンGT4クラブスポーツは、市販されているケイマンと似ているということもあり、市販車用の診断(パソコン)をあてることが可能であったことから「ここだ」と悪い場所を見つけ部品交換、そしてエンジン再始動までを支えたのがディーラーメカニックの方であったと。
レースメカニックさんたちが驚くくらい、ディーラーメカニックさんたちの頑張りが凄かったと言われていました。
ディーラーメカの皆様はケイマンのことも良く知っている為、レースメカさんたちがケイマンについて色々と教えてもらうこともあったそうで。
しかも今回のこのエンジントラブルの際に交換した部品ですが、その部品はレース直前に全損してしまった、もともとのケイマンGT4のエンジンから持ってきたものだったそうです。
この最初の1号機がいてくれたからこその復帰だったのですね。
今回のレース、沢山の色々な奇跡、繋がり、そして千代選手も最後におっしゃっていましたが、Aドライバー様のお名前の通りチームのKIZUNAを感じさせて頂けた24時間でした。
このエンジントラブルにより夜中に2時間以上ロスしてしまったものの、こうしてまたケイマンがレース復帰できた経緯を知って、より一層応援したい気持ちが高まります。
山野ご兄弟がレースへ戻られたあとは、この日もまたランチにお弁当を頂けましたのでまずはランチ。
WAIMARAMAワインの試飲もあったのですが、さすがに帰りに運転するまでの時間が短かったので、泣く泣く試飲はせず。
100R ポルシェ応援団
午後には「みんなで100Rからジュリアーノ・アレジ選手を応援しよう」となったので、EBIチームスタッフの皆様たちと一緒に皆で100Rのところに設置されているポルシェテントまで移動しました。
全員でポルシェの旗を持って、ジュリアーノ選手が100Rに入ってきた時にそれをふって応援するというもの。
この100Rを曲がって走ってきた時に応援団をちらっと見る余裕ってドライバーさんにあるのかな??見えるのかな?
その辺りはわからないのですが、とりあえず「応援しているよ!」という気持ちが伝われればいいね、と皆さんで応援^^
小さい旗ではやはりわからないのでは、ということで途中からはこちらの大きなのぼりも使って応援です。
その姿はまさに応援団。
こちら全員、ポルシェの応援団。なかなかの人数です↓
結局、ドライバーさんからこの応援団の姿が見えたのかどうかというと…
ジュリアーノ選手は100Rの運転に集中していた為、応援団のことは見ることが出来なかったそう。まあ、そうですよね(笑)。
余談としてはその後、ドライバー交代で山野哲也さんがドライバーになられた時ちょうどイエローフラッグでスローダウンしたので、哲也選手はこの100Rで応援団の方を見てみたそう。
…なのですが、その時は皆さんもう撤収してしまっていたので、テントにいたのは1人だけだった、と。
走りながら「応援、誰もいないじゃん!」ってなっていたのかと思うと申し訳ないです…と言いつつも、その姿が想像できてなんとも笑ってしまったのですが^^
ごめんなさい、哲也選手(笑)。
フルコースイエロー(FCY)とは
イエローフラッグといえば、今回「フルコースイエロー(FCY)」というシステムについても説明して頂きました。
今まではイエローフラッグが出たら「追い越し禁止(と減速)」なだけであったので、周回しているうちにせっかく他の車両とついていた「差」が、このイエロー中になくなってしまうという出来事が起きていました。
それがこのFCYになると、イエローフラッグが出るとなった瞬間、ドライバー全員にカウントダウンが始まり、その最後にFCYがスタート。
そこから(スーパー耐久FSW24hでは)全車が一斉に速度を時速50kmまで落とし、その後もずっとFCYが解除されるまでは50kmをキープしなければならないという決まりになっているとのこと。
つまり全員が同時に速度50kmになるので、相手との「差」はそのままキープされる、と。
全ての車両のステアリング(かな?)にボタンがついていて、それを押すと「50km走行をキープ」となるようになっているそうで、まあ言ってみれば50km制限ONLYのクルーズコントロールボタンみたいなものなのかな?
ポルシェ Team EBI WAIMARAMA 24時間完走
さて、長かった24時間、いえ、メカニックさんやチームメンバーの皆様にとってはそれ以上の長い、長いレースがいよいよ終わりに近づきました。
最後の瞬間はクリスタルルームから見届けます。
多くのチームメンバーの皆様たちもどんどん集まってきていました。
いよいよ、チームEBI MAIMARAMAのケイマンが戻ってくる頃には、チームメンバーさんたちも興奮してお出迎えです^^
そして、ついに!!!
Porsche Team EBI WAIMARSMA、無事チェッカーを受けることが出来ました~!!
今回この24時間を完走し、最後にちゃんとチェッカーを受けるということが出来た瞬間は本当に感動でした。
この日のレース最後のドライバーさんはKIZUNA選手だったわけですが、最後の最後にこうしてチェッカーを受け、皆のもとに戻ってこられた時のKIZUNA選手の無線から聞こえた「みんな、ありがとう!」という、感謝の言葉を何度も繰り返されていたことがとっても心に響きました。
KIZUNA選手が最後の最後に、チーム全員の、チーム全員へ向けた「ありがとう」の想いを代弁してくれていたように思えます。
感動~(涙)。
順位としてはクラス6位 (ST-Zクラス:完走9台中6位)となりました。
決勝直前の車両全損から始まって、いきなりのシェイクダウンも終わっていない新車車両での24時間耐久レース参戦。その後もエンジントラブルなどにも見舞われつつのこの結果。
奇跡の連続としか思えないような、でもその奇跡は確実に「チームの皆様があきらめなかったから」起きたもの。
そういう素晴らしいチームの力、皆さんで「必ずこのケイマンでチェッカーを受ける」と頑張られていた姿を近くで拝見させて頂けて、本当に本当に感動でした。
最後にドライバーの皆様がまたクリスタルルームにご挨拶に来て下さった時の写真撮影では「今後のレースシリーズに向けてのポーズ」も撮られていたのですが、今後のレースでは今回ヘルプとして入られていた山野哲也さんとジュリアーノ・アレジさんは参加されなくなるので、こちらのお2人は「応援しています」体制ポーズに。
芸が細かすぎるでしょ(笑)↓
どうしてEBIチームはこんなにもアットホーム感があるのだろうと思っていたのですが、途中山野兄弟がお話して下さった際の『兄弟の会話』を聞いていて「あ、そうか、このチームのベースには『本当の家族』がいるからなのか」と思っちゃいました。
ご兄弟のやりとりを拝見させて頂くと本当にアットホーム感全開で、なんともこうレース中とは思えないくらいのゆっくりした優しい時間が流れるような、そういう感覚になります。
この「家族」が中心にあるチームだからこそのアットホーム感なのかな^^
他のドライバーの皆さんも、このチームEBIはとても素敵なチームだと話されていました。そして、ジュリアーノ選手はとってもいたずらっ子であるとも(笑)。
ドライバーをはじめ、皆様が口をそろえて言われていた「今回の主役はメカニック」というお言葉もとても印象的で素敵でした。
感動をありがとうございました
一緒に応援させて頂いていた皆さま、そしてチームEBI運営スタッフの皆様にお別れをして帰路につきます。
今まで、いつ見ても車たちが走っていたサーキットも、もう誰も走っていません。
とっても楽しい2日間でした。
こんなにも「なにもせず、ただ状況を聞きながら観戦させて頂いていただけ」の私でさえ、今回のレースでチームEBI WAIMARAMAの皆様から頂いた感動はとてもとても大きかったです。
実際に走られたドライバー様、それを支えてこられたメカニックの皆様、運営、チームの皆様にとっては、もう簡単には言い表せないくらいの感動があったのではないかと思います。
皆で1つの目標に向かって、諦めずに奇跡を起こすこと、本当に素敵でした。
今回、Team EBI WAIMARAMAは無事チェッカーを受けることが出来たことから、シリーズを通しては暫定3位ではないかということでしたので、引き続き残されたスーパー耐久シリーズも応援させて頂きたいと思います。
24時間耐久レースの完走おめでとうございます。
そして、なによりも大きな感動をありがとうございました!!!
※しつこく番外編に続きます^^