3つの駆動技術:フル電気・ハイブリッド・燃焼エンジン
合成燃料(eFuels/synthetic fuels)は、ガソリンよりも環境に対してとても優しい(燃焼時のクリーン性が高い)と言われているもので、現実的にガソリンの代替案として考えられているもの。
でも、まだまだその製造への問題等が色々とあることから、利用の可能性は低いという状況が現実のようです。
で!そこで、ポルシェはこの状況を変えたいと思っているとのことなのです。
ポルシェの研究開発を担当するマイケル・シュタイナー(Michael Steiner)氏いわく「(車の)電気化だけでは十分な速度で進化することが出来ません」。
そこでポルシェとしては、将来的にはeFuelとして知られている合成燃料の開発を独自に促進したいと考えているとのこと。
eFuel:合成燃料とは
eFuelは再生可能なエネルギーを使用して、CO2と水素から製造される燃料で、基本的な特性の上では、灯油やディーゼル、またはガソリンとの違いはないそうですが、eFuelは理想的なクリーン性を持っているという燃料。
自動車業界においては、今後もまだ数年に渡って燃焼型のエンジンが重要であると考えられているからこそ、そのためにも「燃焼エンジンだけれど、よりクリーンな合成燃料を利用するということ(技術)」にポルシェは注力することにされたようです。
「eFuelは今、存在している車たちをそのままの形で存続させるために必要な基本的なものとなる」とシュタイナー氏。
というわけで、ポルシェは現在このeFuelにおいて、パイロットプランの構築、そしてプロセスチェーン全体を機能させ、工業化することが出来るパートナーを探し中。誰かいませんか^^?
現在、そのパートナー企業を探す為の特別チームもポルシェ内に設置されているのだとか。
うーん、そういうのを聞いちゃうと、ちょっと今は時期が時期だけに「半沢直樹」的なのを想像しちゃう私はかなりメディアにやられすぎ。
「eFuelのパートナー提携の件、xx工業はどうなった!」
「ハイ、社長が考えを変えられて、今から会ってくれるそうです!」
「そうか!今からそちらへ向かう!」
…なーんていう感じの、半沢さん的なアツイ会話は…きっとないんだろうな(笑)。
いや、でもきっと一緒にeFuelをしっかりと研究・開発、そして工業化できるまでを一緒に成し遂げられるパートナー探しは、現在ポルシェ内にて真剣に行われているものと思われます。
ちなみにポルシェとしては、このeFuelの工業化やプロセスチェーンの構築に、パートナーと一緒になって注力したいと希望されつつも、ポルシェ単独ではその詳細部分までの様々な決定をしたいとは考えていないとのことでした。
ポルシェにはすでにタイカンというフル電気自動車モデルがあり、タイカン以外のモデルにおいても、ハイブリッドモデルが用意されていたりするものも多くあります。
しかしながら、それでもそれは十分ではないとのことで、シュタイナー氏いわく:
「エレクトリック・モビリティはとてもエキサイティングな技術ではあるものの、それだけではポルシェが目標としているサステイナビリティへ向かうにはペースが遅くなってしまう」
「だから、私達ポルシェは同時に合成燃料(eFuel)についても取り組むのです。モータースポーツにおいて利用可能なものに関しては、その他についても検討していきます」
ずっと言われてきている通り、ポルシェは2025年までに販売されるすべてのポルシェの半分を電気化する予定。
しかしながら、ポルシェとしては、純粋な燃焼エンジンを製品からはずして、ただハイブリッドモデルと電気自動車のみにしようとは考えておらず、シュタイナー氏いわく:
「ハイブリッドのモデルは短距離を電気を使って走りますが、長距離走行においては燃焼エンジンに依存しています」
「中期的に見て、この3つの駆動技術(フル電気、ハイブリッド、燃焼エンジン)が存続すると確信しています」
シュタイナー氏は、新しい合成燃料の仕様にポルシェが影響を与えられるようにしたいと考えられていて、ハイパフォーマンスなエンジンにその合成燃料が適するように手助けしていきたいと語られています。