#GetCreativeWithPorsche
さてさて、ポルシェがシリーズ化して色々なことにクリエイティブになれるためのヒントを提供してくれている「Get Creative With Porsche」。
これまでのシリーズは以下の通りとなっています:
第1回:ポルシェ(車)の撮影方法 (Richard Pardon氏)
第2回:自動車のデザイン:ポルシェ911の描き方
第3回:ポルシェ:車の洗い方
第4回:Keeping fit with Mark Webber
第5回:車の描き方(ペイント)
その後、第6回としてロードトリップのプランの仕方(Planning road trips)というものが紹介され、今回、ここで見てみたいのは、さらにその次の第7回目として公開された『ポルシェのいる象徴的なシーンをレゴで再現して撮影する』ということについて。
え?また第4回目同様に、今回は第6回目を飛ばしたなって思いました?ご、ごめんなさい^^ (と言って、飛ばす)。
イギリスの車写真家 ドミニク・フレイザー氏によるレゴ撮影講座
ではでは、第7回目を見ていきたいと思います。
今回は、レゴで象徴的な車のシーンの画像を作る(撮影する)ということついて、英国の車の写真家であるDominic Fraser氏が語って下さっています。
本来、彼の仕事は車の撮影をすることなわけですが、現在の自粛期間内にはそれをすることが出来ないので、他の方法で彼の好きな車たちを撮影することを考え始めたのだそうです。
イギリスを代表する車写真家であるドミニク・フレイザー氏、通常は世界中を旅して車の撮影をしているのに、今の期間は外出を控える為に自宅で自粛していて、何のクリエイティブなこともしていない自分に気づいたそう。
そんな時、彼の目にとまったのは子供たちが遊んでいたレゴ。このレゴをきっかけに、ドミニクさんは人気のあるインスタグラムでのシリーズを始めることになったとのことです。
それが、レゴで車のあるシーンを再現して撮影するということ。
ドミニクさんのインスタグラムはこちら:@_fraser73
ドミニクさんいわく、家には沢山のカメラがあって、何かを作り上げたい気持ちでいっぱいだったのに、何も出来なくてイライラしました、と。
だから、そのまま何もせずにいるのではなく、レゴのスピードチャンピオンモデルを使って、彼が今までの自動車の歴史のなかでも好きだったシーンを表現しようと思いついたのだとか。
まさにそういうことを思いつく、また思いついただけではなくて実際にやってみる、そして、やってみるならこだわりまくってやってみる…のが、クリエイティブな人であるな、さすがだな、と思います^^
そんな彼は、1991年にポルシェを撮り始めてからのポルシェファンであり、ラリーのレジェンドかつポルシェ・アンバサターであるヴァルター・ロール(Walter Röhrl)氏に以前、ポルシェ964のレースカーに乗せてもらったことがとても良い思い出として残っているそうで、彼のことを「彼こそが伝説である」と言われています。
ドミニクさんが彼の自宅内でレゴの撮影をするには、自分がキャプチャーしたいと思っているシーンを正確に視覚化する為に、色々と頭を使う必要があったようです。
それは『その時の瞬間をとらえるという実際の車を撮影することよりも、もっと概念的なプロセスであった』と。
では、ドミニクさんが教えてくれた撮影のヒントたちを見て行きたいと思います↓
ピットにいるポルシェ919ハイブリッドをレゴで再現
- どういうシーンをレゴで再現するかを決定したら、とにかくあとは詳細を詰め、実際にそれが撮影された時にどう見えるかをひたすら研究する。
- 通常の写真を見て、そこから脳が理解しているものと、実際にレゴで作り上げたイメージではちょっと違ったりする。
- ピットにいる919ハイブリッドを再現するには、何をキャプチャーしようとしているのかについて、かなり長い間どうすればよいのか考える必要があった。
- 実際の場面では、グランドスタンドは遠くにあるわけだけれど、レゴでは多くのものに焦点があうよう、それらを近づけて焦点距離を考えて撮影する必要があった。
- 実世界では、グランドスタンドをぼかして写したとしても、人がその写真を見た時にはその「ボケた部分」も人の脳によって「ああ、グランドスタンドがある」と理解させてくれる。でも、プラスチック製のブロックで作られた光景では、そうはならない。
- また、カメラのフレームの中に正しく見えるようにものを配置する必要があった。現実味のあるシーンにする為に、何度もやり直す必要があり試行錯誤した。
- もし自宅で同じようにレゴでシーンを作って撮影してみるのなら、ライティングの角度が非常に重要になるので、太陽がある位置に注意すること。
- 特にこの撮影にはライティングが重要であったので、フレームの上部に太陽を模したライトを設置した。
とにかく、実世界での撮影はその瞬間をキャプチャーすることにフォーカスしていて、それが大切なことであるわけですが、自宅内でレゴを使って「ある場面」を再現した写真を作るとなると、色々と普段の撮影とは違うことにこだわらなければなかったようですね。
グッドウッドでのポルシェ917Kをレゴで再現
- この撮影をする為に最初にしたことは、セット全体が正しいと感じることが出来るかの確認だった。
- グッドウッドのスタートラインは非常に象徴的で、そのシーンを構成している詳細を忘れてしまうことがある。私自身、何度もグッドウッドに行ったことがあるのに、それでも頑張ってそのシーンのディテールを思い出す必要があった。
- スタートラインの枠(ゲート)と、わらの大きな束(straw bales and tress)を作るだけで、グッドウッドっぽくなる。
- そのあとは実車の撮影をするために学んできた技術を、ミニチュアの撮影に適用した。
- 実際の車を撮影する時と同じように、917の前を走るトラッキング車に設置したカメラから、遅いシャッタースピードにて撮影。
- フォーカスがちゃんと合うようにする為、917とその前のカメラを積載した車をヒモで結び、2台がまったく同じスピードで走る(引っ張る)ことが出来るようにし、撮影後に編集ソフトを使って、その2台をつなげていたヒモを消した。
- この写真においてはこれだけ(ヒモを消す)が唯一、撮影後に編集しなければならなかったことであり、他は特に特別な編集効果を加えていない。
ジャンプしているポルシェ930ターボをレゴで再現する
- オリジナルの写真は、アメリカで有名なSeinfeldという番組の背景に使われていたJeff Zwart氏撮影のもので、それを良く見てみると写真の中で、ポルシェ930ターボは砂ぼこりを舞い上げていることがわかる。
- 私はどうしてもそれをレゴでも再現したかった。その方がより現実味をおびるから。この砂ぼこりを再現する為に、グリッターをレゴのフロアに撒き、カメラセンサー用のブロワーでそのグリッターを空中に舞い上がらせて撮影した。
- 画像の背景について考えることも非常に重要。このシーンのオリジナル写真での背景はボカされた風景であったので、それを再現するレゴの撮影は庭で行うことにした。
- 私の庭にある茂みたちは、レゴから十分に離れている為、非常に良い感じのグリーンの背景となった。うまくボカすことが出来たので、オリジナルと同じ様に背景の詳細をはっきりわからないように撮ることが出来た。
- この画像の最後のトリックはホイールにある。実際には車がジャンプする時には、サスペンションが下がる為、ホイールがアーチから下がる。しかしながら、レゴにはスプリングやダンパーがついていない為に、ホイールが下がったようにすることが出来ない。
- そこで、タイヤが下がっているように見えるように、もう1つの「偽の床」を作った。そして、あとは車を糸でつるし撮影(糸はあとでフォトショップ編集にて削除)。最初は気づきづらいささいなことかもしれないが、こういうちょっとしたことが作品に違いを生み出す。
撮影しようとしている車のディテールを知る
- もし自宅でこれらの撮影を試してみたいなら、ステッカーを貼るためにピンセットを使うことを勧める。時間がかかるが、それだけ車の詳細にフォーカスすることができ、そうすることで「何か違う」ということに気づくことが出来るので、やるだけの価値がある。
…と、見ていて、私くらいの素人だと、言われて初めて気づくこともかなりありました。
例えば、ジャンプしている930の砂ぼこりも、言われなければ特に意識して見ていませんでしたし、偽のちょっと上げられた地面が手前に作られていることによって、そのタイヤが下がっている感じを表現している…とかも意識していませんでした。
でもレゴの写真を見て、普通に「あ、すごい、この風景をレゴで上手に再現してる~!」と思えるのは、こういった細かいこだわりがあってこそなわけで、それらが見る側にとって「正確に再現出来ている」という感覚を生み出しているのですね。
凄いな~^^
出典: (公式)#GetCreativeWithPorsche: recreating iconic images with Lego
#GetCreativeWithPorsche
第1回:ポルシェ(車)の撮影方法 (Richard Pardon氏)
第2回:自動車のデザイン:ポルシェ911の描き方
第3回:ポルシェ:車の洗い方
第4回:(原文)Keeping fit with Mark Webber
第5回:車の描き方(ペイント)
第6回:(原文)ロードトリップのプランの仕方(Planning road trips)
第7回:レゴでポルシェの象徴的なシーンを再現する
第8回:車の撮影の仕方 (filming cars)
第9回:eスポーツのシムレーサーになる方法