#GetCreativeWithPorsche
現在の外出自粛(または国によってはロックダウン)中に、車に関するクリエイティブなスキルをそれぞれが磨けるよう、ポルシェがいくつかのクラスをシリーズで始めてくれたようです^^
それが、ハッシュタグ「#GetCreativeWithPorsche」で公開される情報たち。
このシリーズは、世界で活躍する、とても才能あるクリエイティブな人たち、例えば、スタイルポルシェのトップであるマイケル・マウアー(Michael Mauer)氏から、車関連でのインフルエンサーとなっているリチャード・ティッパー(Richard Tipper)氏などまでを講師に迎えて、彼らが色々な方面からのレクチャーをしてくれものだそう。
このシリーズ(クラス)の目的は、車好きな人たちが、車の写真についてや、そのデザイン、ディテール、アート、さらには運転スキルなどを磨くことが出来る為の一連のガイドを提供すること。
『ソーシャル・ディスタンス(人との物理的な距離を置いている)』が必要となっている今の期間に最適な、車好きな人たちが何かしらを学べるためのガイドを提供してくれるそうです^^
写真家 Richard Pardon氏による車の撮影講座
最初の第一回目は、イギリスの写真家であるリチャード・パードン(Richard Pardon)氏が講師として、車の写真撮影についてを教えてくれていました。
彼はタグホイヤー・ポルシェ・フォーミュラEチームのオフィシャル・フォトグラファーでもあります。
では、彼が教えてくれている内容を見てみたいと思います。
高級機材は必要ない
- 今の時代、ほとんどの人が何らかのカメラが搭載されたスマートフォンなどを持っているし、(自分でも)携帯で撮影した写真の方がよりクリエイティブだと思うこともある。
- カレラのレンズや、絞り、シャッタースピードなどの選択肢が多いと、それが負担になってしまうこともあり、シャッターチャンスを逃してしまうことも。
- スマホであればいつでもすぐに撮影が出来るので、シャッターチャンスを逃すことが少ない。
確かに、今では日常でさっとスマホを取り出して、かなり簡単に綺麗な写真が撮れてしまうので、日々の生活においては、素人であればさっと撮れるスマホの方がシャッターチャンスを逃すことが少ないと思います。
ちなみに、私がこのブログに掲載している自分で撮った写真たちは、サーキット走行する車などを流し撮りしている時以外は、ほとんどがスマホ撮影です。
※今このページに掲載されている写真たちはすべてRichard氏の撮影によるものです、念の為。
- スマホで撮った写真は看板サイズなどに拡大して利用するようなことは出来ないかもしれないけれど、ソーシャルメディアなどで画像を掲載するくらいには最適。
- さらには、スマホで撮影した画像を編集するためのアプリも沢山ある。
- ライトルーム(Adobe)のモバイルアプリを良く使っている。デスクトップ版と同じ機能が使えるけれど、スマホ版ではrawファイルでの操作は出来ないので注意。
まあ、重たすぎますよね、rawファイル…。
私はこのブログを書くには、スマホと、ノートPCであるサーフェスPro6をメインに使っているのですが、ブログとかではなくて、真剣に仕事をする時にはデスクトップPCを使います。
そのPCのスペック、もう2年前のものになってしまっていますが、8コアのi7-7700K CPUに32Gメモリを積んで、NVMe SSDをつけているのですが、それでもrawファイルをいじるのは好きではありません^^
- 写真加工アプリの「VSCO」は、画像にフィルターをかけることで写真の見せ方を一瞬で変えるのに最適。
このVSCOは、スマホ上で色調調整するのに彼が1番お気に入りのアプリだそうです。
- 他にUnfoldというのは、インスタグラムのストーリーのレイアウトを作成するのに使っているアプリ。
リチャード氏のインスタグラムはこちら@richardpardon
リチャードさんは、フォーミュラEレースが開催される週末などには、1日に10~15本のストーリーをインスタにアップすることもあるのだとか。
シャッタースピード
- シャッタースピードはカメラ内部にあるシャッターが開いている1/8,000秒~30分までの間での時間の長さのことを指す。
- そして、このシャッターが開いている間に光が差し込み、画像が露出される仕組み。
- 動いている車を撮るとなると、画像をフリーズ/静止させたり(高速シャッター)、または写真に動きを持たせたり、ぼかしたり(低速シャッター)することで、様々な画像へのダイナミックなエフェクトをかけることが可能。
- 最近のすべてのカメラにはシャッタースピードを調整できるモードがあるので、今はシャッタースピードさえ自分で調整したら、あとはカメラが他の作業は自動的にやってくれる。
確かに^^
- 静止画像を撮りたい場合には、速いシャッタースピード(1/500以上)を使用。これにより、車の動きが静止し、ボケがなくなる。
- 画像に動きを加えるには、遅めのシャッタースピード(1/250~1/30)にする。
- これをするには少し練習が必要になるけれど、撮りたい被写体にあわせて、自分のカメラをその被写体を追うように動かす。
- 車を撮りたかったら、その走っている車に合わせてカメラも動かして撮る(パンとも呼ばれる撮影技法)。
…つまりは、これ↑はいわゆる「流し撮り」と言われるものですね^^
- 被写体の車と同じ速度でカメラを動かせていたなら、バッチリ。練習を重ねれば、遅いシャッタースピードでの撮影も上手に出来るようになる。
- 上手になる為の魔法はなく、とにかく撮りたい車の速度を知ったりすることで学んでいくしかない。
- たまに雑誌などで、車から車の撮影がされているものだったり、車を追いながら撮影した画像を見ることがあると思うが、これは撮影に2台の車を利用していて、2台目の車は「もう1台の車を撮影する為に走っている車」。
- このように、もう1台の車から一緒に走行している車を撮影する時にも、やはり画像に動きを出す為に、遅いシャッタースピードが適用される…が、この場合はとにかく自分自身は出来る限り「静止」する必要がある。
- 2台の車が出来る限りそろって一緒に走っていることが重要。
- 自分の前または後ろを走る車が自分とまったく同じスピードで走ることが出来たなら、運が良ければ、道路はぼやけて、被写体の画像はとてもシャープになる。
- とにかく言えることは、撮る写真が必ずしもすべてシャープなものとなるとは限らないので、流し撮りをするにしても、2台同時走行で撮るにしても、とにかくどんどんシャッターを切った方が良い。
ライト(照明/光)
- 車のデザイナーたちは、私達が当たり前だと思っている車の形やラインを作りあげるのに、数えきれないほどの時間を費やしている。
そのような車たちを公開前にメーカーから「撮影して」と頼まれた時は本当に、その撮影できることが特権だと思えるそうです^^
- 公開前の車を撮影する時は、その車を撮影した写真が、その車が世界で初めて人目に触れる画像になるわけなので、とにかく車のデザインを最高に良く見せて紹介出来るように、ライト(照明)を使うことが重要となる。
- 光というのは、通常は上部からあたるものなので(=太陽)、今までの経験からすると、車に、より高い角度から照明を与えてあげることが鉄則。
- 面白いのは「光」の方ではなくて、実は「影」の方。
影がその物語を語るのだそうです。
- 光がどこから来たのか、その光は高いところからなのか、低いところから当たっているのか、そのくらい遠くからの光なのか…。そのライトによって、車のシェイプがどれほど変わるかは本当に驚くべきこと。
- (リチャード氏の)写真のスタイルは、常に 逆光で撮影することにある。
- 太陽または光の方を向くことが好きで、それはなぜかというと、影がカメラに向かって出来ることで「ストーリー」を影が語ってくれるから。
んんん、なんともアーティストな発言でステキ^^
- また、逆光で撮ることでフレアが発生することも。それをうまく使えた時、画像の中のフレアは好きなものの1つでもある。
構図
- (リチャード氏にとって)写真を撮ることにおける最もエキサイティングなことは、自分の目を通して世界を紹介出来ること。
- まったく同じ被写体を、2人の写真家に撮影するよう依頼した場合でも、その撮影された画像は必ず違ったものになる。
そして、これまたアーティストだな~と思ったのが、彼が「あなたが撮影した写真の中で、どれが1番お気に入りの写真ですか」と聞かれたら、必ず「それは、次に撮るものだよ」と答えているそうです。
この発言、なんだか素敵だから私も次から使わせてもらっちゃお!…って思いましたが、考えたらそもそも私がこのような質問をされることもなかった(笑)。
- 写真全体にグリッド線があることを想像して、被写体がその中で最適な位置に置かれているかを確認。
- そして、被写体にとって邪魔となる要素(車の上にあたる街頭の光とか)を避ける。
- とにかく、構図において重要なのは、その写真を見る人の目を被写体に向けること。
- 低い位置、または高い位置から撮影するのかを考える。
- 例えば、ポルシェ911 GT3を撮影する時には、リアウィングを強調させるために、低い位置から撮影するのがベスト。
おおおお。そうなのね。今度、意識して撮ってみようと思います^^
- 前景(写真の手前にある風景)に、何かオブジェクトを追加するのも、写真に奥行きが出て良い。色を追加する為に、葉の合間から撮影したり、テクスチャーを出す為に、岩越しに撮影したり。
- (彼が)自分で良いと思う車の写真のいくつかは、通常見ることがない角度から車を撮っているもの。
- 頭の高さから撮影するだけでなく、近くにある何かに登って良い構図を作ってみたり、もし可能ならドローンを使って実験してみたりするのもアリ。
1日がかりで撮影
- 耐久レースの撮影はとても素晴らしい。なぜなら、日の出から日の入り、そして夜中まで、1日中を通して撮影が出来るから。
うーん、さすがプロ。
耐久レースで撮影を「ツライ、大変」ではなくて「朝から晩までの色々な環境での、被写体の色々な表情が撮れる」と思われるわけですね。
- 多くの場合において、夜明けと夕暮れ時が写真撮影をするのにとても良い時間帯。でも、暗闇ではまた別の光の中で被写体を見せることが出来る。
- 光がない夜間などは、シャッタースピードは劇的に遅くなる。
- この下の写真は、シャッタースピードを最も遅い設定である30秒で、718スパイダーを撮ったもの。テールライトで路面を「ペイントさせた」。
- シャッターを長く開けていればいるほど、光(この写真の場合は星の光)がシルエットを作ってくれる。
カメラが三脚に固定されている場合、人工的な照明を使うのもアリ。
照明は、高価なカメラのフラッシュである必要はなく、トーチライトなどの一定の光を与えるものであればOK。
長時間露光をしながら、被写体をトーチライトで照らしたりして撮る方法が「ライトペインティング」。車の周りを歩き回ったりすることも出来るが、自分に光が当たらない限り、自分自身が露光されることはない。
光の方向を考え、静止してハイライトと影を作ることで、形(シェイプ)を作る。または車にそって歩くことで、ライトが車のペイントに反射し、連続したハイライトが作成される。
今回このリチャードさん、今後もしばらくの間ポルシェのNewsroomのインスタグラムで、さらに車の写真撮影に関するヒントをあげていってくれるそうです。
さらには、自分で撮った写真をインスタでハッシュタグ「#GetCreativeWithPorsche」をつけてシェアすると、その写真に対して、リチャードさんが時間がある時にフィードバックをくれるかもしれないとのことです^^
最後にリチャードさんからメッセージ。
- 楽しんで、色々試して、そしてクリエイティブになって下さい。"Just because we are currently on lockdown, doesn't mean we can't show the world how we see it.”
出典: (公式) #GetCreativeWithPorsche: Photography
#GetCreativeWithPorsche
第1回:ポルシェ(車)の撮影方法 (Richard Pardon氏)
第2回:自動車のデザイン:ポルシェ911の描き方
第3回:ポルシェ:車の洗い方
第4回:(原文)Keeping fit with Mark Webber
第5回:車の描き方(ペイント)
第6回:(原文)ロードトリップのプランの仕方(Planning road trips)
第7回:レゴでポルシェの象徴的なシーンを再現する
第8回:車の撮影の仕方 (filming cars)
第9回:eスポーツのシムレーサーになる方法