ポルシェ911をジャンプスタートする時
(※文章の最後に、2つ追記致しました)
少し前に日産フェアレディZのバッテリーがあがってしまったので、モバイルバッテリーを使ってジャンプスタートしたということを書きました。
その時、ポルシェ911ではこのモバイルバッテリー(ジャンプスターター)のコードの長さでは+と-までの距離にコードの長さが足りないので、モバイルバッテリーをポルシェ911用に購入する前には、そのあたりも考えなければいけないと思っていたのです。
参照記事:★追記あり★バッテリーがあがったフェアレディZをAnkerのROAVジャンプスターターProで起動する
でも、またしてもその後、「いや、+と-のところではなくても何か部品につなげばいいし、そもそもバッテリーの+と-につなげばいいじゃない」というのを見て「確かにそうかも」と。
気になったので、そりゃーもう見てみます。
ポルシェ911カレラ(991後期)のバッテリー
ハイ、こちら黒カレラさん。ポルシェ911カレラ(991.2)です↓
ここを自分で開けるの初めて~。フロントのトランクの上の部分です。ここをバチッと開けて…
反対側もバチッと開けて…
おおお。開いた!!!
こんな感じになっていました~。
こんなに簡単なことでさえ、今まで開けたこともなかったなんて。本当にまだまだ私にはまったく知らない911のことだらけです。
バッテリーがこちら。こんなところにあったのね~。
ここの銀色の丸いところがプラス↓
そして、すぐ隣に-があるのですが『バッテリーのプラスとマイナスのここでつないじゃダメよ』という注意書きがあります↓
マニュアルでもちゃんと推奨されている、ジャンプケーブルをつなぐプラスとマイナスは本来、この黄色で丸をした部分なのです。右がプラスで左がマイナス↓
正しい(ジャンプケーブルをつなぐ)マイナスの位置はこうなっています↓
でも…確かに、この正しい位置を見てみると、わかるでしょうか。バッテリーのプラスにモバイルジャンプスターターをつけてみたのですが、マイナスの位置まではまったく届きません。
こんな感じ。無理無理。コードが短すぎる↓
でも。
うん、そうなのです。バッテリーのプラスとマイナスをつなぐ分には、こうしてこのコードの長さでも出来ちゃう。
ここで完結、という感じですね↓
本来はアブナイからダメということなのでしょうが、本当に緊急時にモバイルジャンプスターターしかなかったら、ここでジャンプスタートするのはアリなのではないかと思いました。
アブナイのかな?どうなのかな。
あとは気になったのが、こちらのフードを取り外した裏についていた黄色のパーツ。
これです。これ、何のパーツ?↓
とりあえず、良くわからないので、フードを戻します。位置を合わせてバチッてまた押したら元通りになりました。簡単!
↑って、簡単!とか書いておきながら、これ実は最初に向きを間違えてフードを戻そうとした時の写真でした(笑)。
ポルシェ911 GT3(991後期)のバッテリー
で!ここまで来たら、続いてはせっかくなのでGT3(991.2)も確認しちゃうでしょう~!
こちらもバチッとあげて…
反対側もバチッと上げたら、ハイ、オープン!
バッテリーさん、いらっしゃいました。
これこれ。
ん?え?GT3のバッテリーの方がカレラのバッテリーよりも大きさが小さく見えるのですが!!!どうして?気のせい?
両方の型番を比べてみると、カレラの方が『12V 70Ah 760A EN』となっていて、GT3の方が『12V 70Ah 760A EN 430A DIN』。
これ、違うのかと思ったら同じですよね?
ENというのが、European Normの略で欧州の統一規格のこと。そしてDINがDeutsches Institut für Normungの略でドイツ規格協会が定めているドイツ工業規格。
つまり、GT3の方には430Aとの数値がありますが、結局のところ両方とも 12V 70Ah 760A EN ということですよね?
それなのに、GT3の方が小さく見えるということはこれ、同じなのに小さく作られている=軽量化ということなの???違う?実は目の錯覚で同じサイズ?
ちなみにポルシェは、ポルシェ911 GT3、GT3RS、それにボクスタースパイダー向けに通常より10キロ軽いリチウムイオンバッテリーというのも出されていたのですね。ぜーんぜん知りませんでした。
さてさて、そしてこちらがGT3でのマイナスのところ↓
ここです↓
これこれ。ジャンプケーブル用のマイナスって書いてあります。
全体を見てみるとこんな感じ。ううーん、やっぱり…
マニュアルで書かれているプラスとマイナスの接続部分には、モバイルのジャンプスターターのケーブルでは届かないぃ~!!
というわけで、こちらも緊急事態にはバッテリーのプラスとマイナスでつなぐしかないのでは?ダメなの?
バッテリーに急速に充電すると、水素ガスが出て火花が飛んだりすると危ないから、と聞いたことがあるのですが、そういう理由から?
で!!
こちらのGT3のフードを取り外した時にも、その裏面にはこの黄色のパーツがついていたのです。
あなた、いったいナニモノなの?いつ、どうやって使うパーツなの?
ポルシェ911カレラのバッテリーフード裏にある黄色いパーツ
…で、もちろん。
気になったことは放置できないので調べました。この黄色いパーツ。ふふふ。
さっそくまたフロントを開けてみます。
中のバッテリーが格納されているところのフードも開けると…いたいた、黄色のパーツさん、こんにちは。
これですよ、これ。あなた一体何なの?と思っていたのですが…。
調べたらわかりました。ロックされている右側にある部分を取り外してみます。
そして、それを90度まわしてみると…おおお!
そうなのです、これ、フードを取り外してそのままフロントリッドにひっかけることが出来るので、フードの置き場に困らない→開けっ放しに出来る、というための「ひっかける」ツールだったのです(笑)。
なーんだ(笑)。
いやいや、無知って怖い。このツールがあることを知らない私は、フードをわざわざ取り外して車外に置いて、さらには「この黄色のパーツってなに?」って思っていたわけですから^^!
このようにフードはここで固定することが出来ますので、今後何かバッテリーとかをいじらなければいけないことがあれば、是非この黄色のツールをご利用下さい…って、皆さまはご存知でしたか^^
結局のところ、結論としてはマニュアルでの推奨はされていないものの、最悪の場合、バッテリーにあるプラスとマイナスにつなげば、コードが短いモバイルジャンプスターターでもなんとかなるのでは、と思いました!
色々と楽しいな~^^
※ポルシェのマニュアルには、ジャンプスタートする時にはきちんと定められた本来のプラスとマイナスのところにつなぐように書かれています。どうしてもバッテリー本体のプラス/マイナスや、他所でつながなければならない場合は、皆さま自己責任で…。
★追記(2020.6.23)★
コメントで以下、教えて頂きましたので、掲載させて頂きます^^
『保護回路付きのジャンプスターターならバッテリー端子へ直接繋いでも問題ありませんが、クランプ後にスイッチをONしてください。(クランプ時のスパークによる電子機器の破損防止のため)
911の場合リモコンでドアロックの操作が出来ない程バッテリーが上がった場合は、フロントリッドも開ける事が出来ません。ブランクキーでドアを開け、ヒューズBoxから電源供給となりますので一度確認されるのが良いかと。こちらの作業の方がケーブルの長さが不足して困るかと思います。
バッテリー電圧が低くリッドの反応が悪い場合はサイドシルのオープナースイッチを引くより、キーで操作する方が開く場合が多いです。』
まさにマニュアルで「トランクが開かなくなるまでバッテリーがあがることもあるんだな~」なんて、実は私も見ていたので(オタク(笑)?)、念の為その時の対処法のマニュアルページも掲載しておきます↓
コメントありがとうございました^^!!
★追記(2020.6.26)★
さらにまた別途、違う方から以下の場所でつないでジャンプスタートすることが出来るということを教えて頂きました。
こちらでジャンプスタートすることで、短いモバイルバッテリーのジャンプケーブルでも、バッテリーについているプラス・マイナス端子を使うのではなく、バッテリーにあるプラス端子と、マイナスの方はバッテリーではない部分へのアース接続が可能となります。
※きちんとしたポルシェなどのメカニカルなことに詳しい方のお話ではありますが、公式ではありませんので、ご参考までに&自己責任でお願い致します^^
それがこちら↓
カレラ(991.2)の場合ですが、下の画像で見てみると、青い丸がバッテリーにある『マイナス端子』で、赤い丸がバッテリーにある『プラス端子』です。そして、緑の丸が『ここにつなげるよ』というアース端子部分。
つまりは、ジャンプケーブルのプラスを赤い丸のところに、そしてマイナスを緑のところにつないでスタートするということになります。
なるほど~。確かにこの赤と緑のところであれば、短いモバイル用ジャンプケーブルでも距離も届いて、かつ安全そうです。
色々とお勉強できました。ありがとうございました^^!