ポルシェ・ビジョン357 (Porsche Vision 357)はポルシェ356へのオマージュ
1948年にフェリーポルシェ氏が彼のスポーツカーの夢を実現したのがポルシェ356 "No.1" ロードスター。
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これがポルシェというブランドの誕生、そしてポルシェの素晴らしいサクセスストーリーの基礎を築いた始まりだと言われています。
そこから75年がたった今、2023年1月26日に『私達は伝統(ヘリテージ)を誇りに思っており、それが成功する未来への基盤』と言われているポルシェから、ポルシェのスタートとなったポルシェ356へのオマージュである『ポルシェ・ビジョン357』が発表されました。
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発表されたこのポルシェ357は、現在ベルリンにて実車を見ることが可能となっています。
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ポルシェビジョン357が何かというと、ポルシェいわくそれは「(ポルシェ75周年への)とてもスペシャルな誕生日プレゼント」であり、ポルシェ356に基づくデザインDNAの重要性を強調するものであるとのこと。
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ベースとなっているモデルはポルシェ718 ケイマン GT4 RS。
しかしながら、今回発表されたこちらのポルシェ357はあくまでもデザインスタディであり、今後の革新的なデザインの基礎を形成する為のコンセプトカーとなっているようですので、つまりは販売されるモデルではないということですね^^
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ポルシェ・ヴィジョン357とは
では、ポルシェの最初のモデルラインとなるポルシェ356へのオマージュとして発表された今回のポルシェ・ヴィジョン357とはいったいどういう車なのかを見ていきたいと思います。
以下がポルシェが発表された内容となります:
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- 1948年6月8日に誕生したポルシェ356 No.1 ロードスターがポルシェという名前がつけられた最初の自動車であり、これがポルシェというブランドの始まり
- このポルシェ356へのオマージュとしてのデザインスタディである357はモノリシックなフォルムを現代にもたらす
- 通常のモデルたちに適用される規制に関係なく今回の357をデザインすることが出来たスタイルポルシェのチームは、357で未来のデザイン哲学の潜在的な表現を明示している
- その一例としては、ライト部分における一環した強化があり、これは未来を指し示す方法において進歩的かつ先見の明があるもの
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- 基本的なコンセプトは伝統と革新の相互作用の反映→「今であったら、フェリーポルシェが夢見るスポーツカーはどのようなものだろう?」
- デザインのDNAを設計する為の基礎としてポルシェ356があり、このデザインスタディは過去・現在・未来を一貫性を持って統合する試み
- 歴史的な原型を連想させるプロポーションと、未来の展望を視覚化するディテールが特徴
- 『デザイン』はポルシェの最初の始まりからの基本要素
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- 未来についてを声に出して考えていくこと(=こうしてデザインスタディとして見せていくこと)はスタイルポルシェのコア・ミッションの1つ
- デザインスタディは明日のデザインを養うアイデアのプール
- ポルシェはモビリティの未来への概念的な旅を絶え間なく続けており、ポルシェブランドの歴史が何度もインスピレーションの源となっている
- 未来のコンセプトカーでポルシェの伝統を振り返ることは見かけほど逆説的ではない
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- 創造的な自由も重要で、これは貴重なアイデアが自由に生まれる場所であり革新的な新しい方向への一貫したデザイン哲学を想像するのに役立つ
- そのモノリシックなフォルム、急勾配のフライラインと幅広いショルダーを備えたナローなパッセンジャーセルなポルシェビジョン357のプロポーションはポルシェ356のラインを連想させる
- ポルシェはガラスにおける生産の限界を押し広げてきた。初期356は中央にバーのある分割フロントガラス、それが1952年モデルで中央が曲がった1枚のフロントガラスに置き換えられた
- ポルシェビジョン357のAピラーは黒で、サイドウィンドウは視覚的に1つのユニットにまとめられている
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- DLO (Daylight Opening/デイライトオープニング)グラフィックはヘルメットのバイザーに似ている
- 機能的なディテールは統合され、車の彫刻的な特徴を支えている→例えばボディ自体のパターン化されたポイントの配列の後ろにあるサイドウィンドウとテールライトのそばにある隠されたドアハンドルなど
- サードブレーキライトが統合されたリアのグリルパターンもオリジナルへのオマージュ
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- 現行のポルシェモデルたちと同じく、ビジョン357のヘッドライトには4点式のライトが装備
- ヘッドライトの丸みをおびたデザインも356の特徴的なライトを思い起こさせる
- ボディペイントにも類似点があり、フロントエンド下部のアイスグレーメタリックとグリヴォラグレーメタリックのツートンコンセプトは356に似ており、1950年代にすでに人気があったグレートーンとなっている
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- ワイドなトレッドが力強い印象を与えていて、かつ走行安定性を高めている
- 20インチのホイールはマグネシウム製で、空気力学的に有利なカーボンファイバーのハブキャップとセンターロックを装備
- ドラムブレーキを備えた356Aと356Bには205mmというとても大きなボルトサークルがついたリムがあったが、視覚的にそういう伝統的なポルシェホイールを思い起こさせる
- 「75」という記念ロゴはドアと、デザインスタディのフロントをスタートナンバーのように飾り、魅力的なものにしている
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- フロントホイール下部エリアの後ろには何もなく、ホイールアーチの通気性を向上させている
- ラップアラウンドでジョイントのないフロントボンネットはクイックリリース機構で固定
- ネジ付きロッドが大きなフロントスポイラーを安定させている
- さらに2021年のポルシェミッションRにあったように、サイドシルには天然繊維強化プラスチック(NFRP)を採用
- このサステナブルな素材の基礎は亜麻繊維によって提供される
- 従来のドアミラーの代わりに357ではルーフエッジにカメラが搭載されている
- テールパイプのトリムは青みがかったチタン製でテールパイプ内側はセラミック製
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- ポルシェ718ケイマンGT4RSと同じく、ビジョン357には運転席と助手席の窓の後ろ高い位置にプロセス・エアインテークがある
- デザイナーはこのエアインテークをコミックスタイルの「AIR」で魅力的に装飾
- 給油口部分にある「eFuel」ロゴなどモータースポーツのデカールを彷彿させるデカールたち
- 自然吸気(NA)の水平対向6気筒エンジンのこの車は理論上、4リッターの排気量から500馬力(PS)を引き出し、eFuelで動くよう設計されている
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以上が本日発表されいた内容をざっと書き出してみたものとなります。
さらに今回ポルシェから、2023年6月10~11日にはル・マンが24時間レースの100周年を迎えるよという記載があり、さらにすべてのスポーツカーメーカーはこのル・マン24時間での成功を夢見ていると言われていました。
あえて今回のこのビジョン357を発表したこの場でル・マン24時間レースの100周年が6月に来るということを記載されたということは、この辺りでもまた何かしらのサプライズを用意されているのではないかと思ったりしています。
どうかな?
まさにこのル・マン記念年とあわせてポルシェの記念日である6/8あたりにおおいに期待しちゃうところです^^
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最後にこちらにポルシェ75周年へのサイトが出来ていますので、ご興味ある方は是非→ PORSCHE 75 公式サイト
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出典:
◆(公式)Seventy five years of Porsche sports cars: Porsche celebrates a success story
◆(公式)Porsche Vision 357: homage to the first Porsche model line, the 356
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