車両追跡システムの衛星との通信の不具合が原因?
なんだかよくわからない状況ですが、数日前よりロシア全土で数百台のポルシェが動かせない状態になっているようで、2025年12月5日の時点でもまだ解決策や原因(特定されたもの)の発表がされていないようです。
車を動かせない状態になってしまった原因としては現時点においてはポルシェの車両追跡システム(PVTS/Porsche Vehicle Tracking System)ではないかと言われていて、これは盗難防止を目的とした高度な盗難検知システム。

このPVTSは衛星を利用してポルシェの位置を追跡するそうで、車に不正な動きがあった時にはオーナーにアラートを送信するそうなのですが、この技術に関連するシステム障害によってこのPVTS技術搭載の車両が止まってしまっている可能性があるとのこと。
タイムズ紙によるとロシア最大のディーラーグループであるRolfが先週末からサービスコールが急増したとの報告をしていて、車両のPVTSが衛星との通信を失ったことが問題となっているそう。

この「通信が途絶える」と車両はエンジンをかけることが出来なくなるとのことです。
この問題はEVや最新モデルに限ったものではないとのことで、デイリーメール誌によると2013年以降に製造されPVTS搭載のポルシェはモデルやエンジンの種類を問わずにロックされる可能性が。
ロシアで走行しているポルシェのほとんどは少なくとも2年以上前のモデルだそうで(そうなの!)、これはフォルクスワーゲングループが2022年のウクライナ侵攻後、ロシアへの出荷を停止した為。ああ、確かにそうだったかも…。
今回、PVTSが問題だとしても、なぜこういったことが起きているのっかは現在もまだ調査中で、Rolfの後方担当者は「今回の問題は故意に行われた可能性がある」と主張されているとのことですが、現時点においてその証拠になるものもないとのこと。

海外メディアはポルシェにもコメントを求めているそうですが、それについても現時点では返答なしの状況。
ロシアでは数百人のポルシェオーナーたちが車を運転できない状態にあると報じられているそうで、結構な問題となっているようです。
少なくとも10時間車のバッテリーを外してみた人や、PVTSの再起動を試みた人などもいるようですが、これといった良い結果にはつながっていないようで、一部の車はエンジンがかかったものの、依然としてエンジンがかからない車も多くあるようです。
いきなり自分のポルシェがロックされてエンジン始動しなくなってしまうなんて、恐ろしい話です。しかもディーラーさんに持ち込んでも直る(という言い方で良いのかわかりませんが)かもわからないという。
日本国内のポルシェたちは大丈夫なのか
ちなみに日本に入ってくるポルシェにこのPTVSが標準装備、またはオプションでついているのかというと、うーん、わかりませんでした。
ポルシェコネクト経由で契約できるのかなと思いつつ、そちらにも明確にPTVSとしての表記はなかったようです。
また最近の年式のポルシェのマニュアルを見ても特にPVTSについての説明があるわけでもなく…2015年頃?のマカンとかのマニュアルには記載がありましたが、この時点でのPVTSプラスは「日本仕様に設定はありません」とのこと。

今もあまり標準的には日本の車両には搭載されていないものなのかと思われますが(違っていたらすみません)、そうだとすると日本国内にいるポルシェたちが急にロックされる可能性は低いと思われ、それは良かったなと思います。
出典:
◆Hundreds of Porsches in Russia Reportedly Left Unable to Drive, Satellite Tracking System May Be at Fault
◆Hundreds of Porsche Owners in Russia Unable to Start Cars After System Failure
◆Russian Porsche owners' cars are immobilised across the country - with 'deliberate' satellite interference feared
