将来に向けた大規模な再建と拡張工事を実施
ポルシェが約2.5億ユーロを投資してポルシェのメインの生産工場であるツッフェンハウゼン工場(Zuffenhausen)を新たにアップグレードしているということが発表されました。
今後、フル電気自動車となる718モデルたちもこのツッフェンハウゼン工場にて生産されることになるとのことです。
工場がアップグレードされることで今まで以上に効率が良くなり、なんといっても今後は内燃エンジンスポーツカーとEVスポーツカーを一緒の工場で生産できるようになる「スマート・ファクトリー」へ。
ポルシェにとってのスポーツカー生産における新たな章が始まると言われています。
今回の建設措置の過程で、多くのスポーツカー生産システムがアップグレードされる予定とのことで、それにり生産プロセスもより発展するとのこと。
無人の自動運転搬送車による生産
ポルシェはツッフェンハウゼン工場の生産ライン面積を拡張し、最新の無人自動搬送車(Automated Guided Vehicles (AGVs))を導入、タイカンと同じく2ドアスポーツカーたちもこの自動搬送車を使って生産されるそう。
最新世代のAGVは従来の組立ラインを『フレックスライン (Flexiline)』に置き換えることによりさらに多様な生産プロセスが可能となり、それによって単一のラインで内燃エンジンと電動パワートレインを備えた車の混合生産が可能となっていくようです。
EVマカンの電動パワートレインの組み立ても既存のエンジン工場に統合されるとのこと。
新たに統合された品質チェックポイント
今回の工場改良の目的はポルシェの生産プロセス能力と柔軟性を高めることあり、生産も拡張され、車両組み立て用の追加品質テストベンチ、追加の物流エリア、新しいハイベイ・ラック(立体倉庫)なども追加に。
生産過程での品質管理もさらに洗練させたとのことで、新しい組立プロセスと新たな品質保証ステーションも出来ているとか。
小さなコントロール・ループによる初回品質アプローチの原則に従い、標準化された品質保証と承認チェックポイントが生産プロセスに統合、個々のチェックポイント管理は組立プロセスが終わった時点でスタートする仕組み。
最適な車両検査を確保する為にさまざまなプロセスが採用されたとのことで、そのなかでも特記すべきは新しいライトトンネルの設置。
仕上げエリアではより明確なプロセス構成とアップグレードされたテスト手順が提供されるようになったそうで、それには音響テストベンチを電気自動車の要件に適合させるなども含まれるとか。
表面の検査や、漏れがないかの検査などのテストベンチもすべて改良されたとのことです。
ツッフェンハウゼン工場の物流エリアは2022年から拡張されていて、ポルシェミュージアムの向かいにある旧ポルシェセンターの敷地に新しい建物を追加。
全体のリノベーションとしては2025年に完成が予定されているわけですが、完成後は2つのフロアにまたがるハイベイラック(立体倉庫)によってタイカンやスポーツカー生産の車体工場に部品たちを共有できるようになるとのこと。
すでに2023年9月に開設された新しいハイベイラックも組立工場全体にさまざまな部品の供給をしているとのことで、部品倉庫は全自動化。
保管量は約2,000トンで、35,000立方メートルにも及ぶもの。これはパレットとコンテナの保管スペースに置き換えると40,650個分に相当するものだそうです。
2016年以来、ツッフェンハウゼン工場にはパナメーラとカイエンモデル用のV8エンジンの新しい組立工場が作られていたわけですが、現在は電気マカン用の電気モーターの組立もこのツッフェンハウゼン工場のエンジン生産センターに統合されたそうで、2024年からの新世代マカン生産はライプツィヒ工場からツッフェンハウゼン工場での生産に変わっていくようです。
出典:(公式)Porsche upgrades Zuffenhausen production plant for the future