現在のポルシェの最大のマーケットは中国
続き→(2021.8.31更新):ポルシェがマレーシアにポルシェ生産工場(アセンブリー/最終組立工場)を設立
ポルシェのCEOであるオリバーブルーメ氏が、ポルシェは「ここしばらくの間には中国に生産工場を作ることはしない」とファイナンシャルタイムズに語ったとのこと。
現在、ポルシェにとって最大のマーケットは中国となっていて、ここ数年ポルシェが色々なモデルをワールドプレミアする時のマーケティングなどを見ていても、中国市場をとても重要視しているのがよく見てとれていました。
4気筒モデルである718を出したのは、中国市場の若めの女性をターゲットにしていたからであったり、後輪駆動/シングルモーターの素タイカンを世界に先駆けて発表、販売開始をしたのも中国だったり。
実際、2020年のポルシェの全世界での販売台数272,162台のうち、88,968台が中国向けでした。ちなみにヨーロッパ向けが80,892台で、アメリカ向けが57,294台。
よって、本来であれば中国にポルシェの生産工場を作ってしまえばより効率よく車の販売が出来るようになるわけなのですが、今回、ポルシェはこれを否定。
Made in Germanyにこだわる
今後もポルシェは「Made in Germany」のイメージを保持する為、ポルシェの生産はやはりドイツでのみとすることにこだわることに決めたとのこと。これには私は大賛同。
中国製の商品すべてを否定しているわけではありませんが、ただ「ポルシェがMade in China」というのは、どうしても、なんとも、うーん、なんだか受け入れられないかな。
もちろん、ポルシェは「ドイツでしかポルシェを作らない」というわけではなく、カイエンはスロバキアのブラチスラバにあるVWグループのマルチブランド工場で作られていたりするわけです。
さらに過去にはヴァルメト・オートモーティブと協力して、フィンランドでカイエンとボクスターを作っていた時期もあったとのこと。
それでもなんというか、もし中国に巨大なポルシェ工場を作るのだとしたら、それは大きな市場への対策であるわけですから、そうするときっと最初から最低でも年間10万台以上は生産することになっていくかもしれないわけですよね。
そうなったら数年後にはもう、少なくともアジアで販売されるポルシェたちは「ポルシェってMade in Chinaなんでしょ」として定着してしまいそうで、やっぱりそれには抵抗あるな~。
でも10年後はわからない
オリバーブルーメ氏は、もし今後もポルシェにとって中国市場が主要となり続けるのであれば、最終的には中国工場が必要になるかもしれないとは考えているとのことで「10年後のことはわからない」とも言われています。
「今後、販売台数がどのようになっていくのか、そして各国のレギュレーションがどうなっていくのかによるでしょう」とも。
ううーん、もう、10年後にはガソリンだけで走るポルシェがなくなっていくだけではなくて、中国産にもなっちゃったりしたらどうしよう。まあ、とりあえず「今はない」と決断してくれたそうなので、しばらくの間は安心しておきたいと思います^^
マレーシアでの工場建設はありえるのか
そうそう、あとはポルシェがマレーシアに生産工場を建設することを検討しているという記事も出ているのですが、それは2月6日にBloombergがマレーシアでそのように報じられたということを伝えられたもの。
今回のファイナンシャルタイムズにオリバーブルーメ氏が語ったと報じられたのが、そのあとの2月14日。
これは「今はアジアに工場を作る予定はないよ」という否定なのか、それとも「中国には作らないよ(でもマレーシアには作るけどね)」なのか。
でも、ブルームバーグよりも1週間以上後にあえてファイナンシャルタイムズに「Made in Germanyにこだわる」という理由で中国工場を否定されているわけですから、これは同時にマレーシアも否定したことになるのでは、と思ったりしています。
うーん、わからないですね~。
続き→(2021.8.31更新):ポルシェがマレーシアにポルシェ生産工場(アセンブリー/最終組立工場)を設立
出典:
◆Porsche rules out Chinese factory as it hails cachet of ‘Made in Germany’
◆Porsche Plans Assembly Plant in Malaysia, Edge Reports
◆Porsche Rules Out China Factory Because People Want Cars From Germany