2024年第2四半期は第1四半期よりも好調
さて、ここ最近ポルシェのEV化に関する戦略だったり販売台数だったりについてあまり良いお話が聞こえてきておらず、さらにはまたしてもサプライヤーからの部品供給不足問題勃発で今後のポルシェ生産への影響も大きそう…という事態になったりと、なんだかポルシェにとってはあまり嬉しくないお話ばかり。
そんな中「なんでこのタイミングに発表しなきゃいけないのよ」って思ったであろう(なんてね)、ポルシェAGによる2024年上半期(1~6月)の業績発表がありました。
ポルシェとしてはもちろん、悪いようには発表できないということも理解しつつ(?)、ポルシェが発表された通りのポジティブな感じの発表(笑)!を見てきたいと思います。
ポルシェAGは2024年第2四半期に第1四半期よりも好調な業績を達成、上半期の財務数値も堅調
発表内容の要約:
- 第2四半期は売上高、営業利益、グループ営業利益率が第1四半期を上回った
- 第2四半期のグループ営業利益率は予想の上限であった17.0%
- 2024年は新製品発表の年であり6つのモデルのうち4つが更新される
- パナメーラ、タイカン、911はすでにスケジュール通りにスタート
- フルEVマカンは9月にローンチ予定
- 世界初の技術を搭載した新製品が印象的
- 中国の市場関連の弱さはほぼ相殺された
- 2024年上半期のグループ営業利益は31億ユーロ、グループ営業利益率は15.7%
- 様々なサプライヤーに影響を及ぼす供給不足により2024年通期予測を調整した
- ポルシェは革新的な911カレラGTSのTハイブリッドの需要が高まっていることを実感している
- 911のアップデートと、新しいフルEVマカンにより長期的に製品ポートフォリオが強化された
- 財務面においても、2024年の控えめなスタートのあと再び勢いを取り戻した
- 第2四半期のグループ営業利益率は17.0%で、予想の上限に達した
- その結果、困難な状況にも関わらず2024年上半期のグループ営業利益率は15%を超えた
- 引き続き2024年度は新製品発表の年
- 特にそのなかでもハイライトとなるのは5月に発表された911
- ポルシェはわずか数カ月のうちに6つのモデルラインのうち5つをアップデート
- モータースポーツで開発・テストされた技術による超軽量高性能ハイブリッドシステム搭載の初の公道走行可能な新型911カレラGTSの需要は予想を上回った
- 改良されたパナメーラ、タイカン、911はここ数カ月でスケジュール通りに発売されている
- 新型のフル電気自動車マカンは9月にローンチ予定
- 新しい商品は数々の世界初の技術で人々を魅了するが、上半期に発売された多数の新製品は依然として販売と在庫に影響を及ぼす
- さらにはモデルの変更により、研究開発費と販売活動費が不定期に大幅に増加した
- これにより売上高と利益は予想通り減少した
- 2024年上半期のグループ売上高は194億6,000万ユーロ(前年同期:204億3,000万ユーロ)
- グループの営業利益率は15.7% (前年同期:18.9%)
- 自動車部門の純キャッシュフローは11億2,000万ユーロ (前年同期:22億2,000万ユーロ)
さらにバランスがとれたセールス・ストラクチャー
- 困難な時期にあっても財務的に強固で高い収益性を維持しているのは、価値重視の販売戦略とバランスの取れた販売体制のおかげ
- これにより個々の市場の変動を大幅に吸収することが出来る
- 2024年上半期の納車台数は6.8%減少した155,945台
- 中国市場が落ち込んだ一方で、欧州とドイツ市場は増加
- 海外および新興市場の販売地域は前年に記録した高いレベルを維持
- このように安定した立場にあることで、量より価値を重視する戦略を推し進めることが出来る
- eモビリティへの移行は世界中でそれぞれ異なる形で進んでいるため、ポルシェはすでにICEテクノロジーに関するプロジェクトと製品の再調整、優先順位の変更を開始している
- 戦略の一部は様々なタイプのパワートレインの生産において、可能な限り最大の柔軟性を維持すること
- ポルシェは3つのパワートレインタイプに引き続き焦点を当てていく:フルEV、プラグインハイブリッド、ICE
- ポルシェの顧客は今後もパワフルで効率的な内燃機関およびハイブリッドモデル、そして電気モデルの幅広い選択肢から選ぶ事が可能
2024年度予測を修正
- ポルシェAGの様々なサプライヤーは現在、特殊アルミニウム合金に関して深刻な供給不足に見舞われている
- 供給不足は不可抗力時事象の発生を顧客に書面で通知したヨーロッパの大手アルミニウムサプライヤーの生産施設の浸水によるもの
- 影響を受けるのはポルシェが製造するすべてのモデルシリーズに使用されているアルミニウム製の軽量ボディパーツ
- 直ちに対策が取られたにも関わらず、差し迫った供給不足により生産に支障が生じ、その生涯は年間を通じても十分には補えないことが明らかになってきている
- このような背景からポルシェの理事会は2024年会計年度の予測を調整することを決定
- 2024年会計年度については現在以下の数字が予測されている:
- 売上高利益率14%~15% (前回予測:15%~17%)
- 売上高 390億~400億ユーロ(前回予測:400億~420億ユーロ)
- 自動車部門の純キャッシュフローマージン7%~8.5% (前回予測:8.5%~10.5%)
- 自動車EBITDAマージン23%~24% (前回予測:24%~26%)
- 自動車用BEVのシェア 12%~13% (前回予測:13%~15%)
Porsche AG グループ | 2023年上半期 | 2024年上半期 | 前年同期比 |
売上収益 | 204.3億ユーロ | 194.6億ユーロ | -4.8% |
営業利益 | 38億6000万ユーロ | 30億6000万ユーロ | -20.5% |
営業利益率 | 18.9% | 15.7% | - |
デリバリー数 | 167,354台 | 155,945台 | -6.8% |
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いや~、色々とポジティブな発表のされ方をしていますが、なかなか現状は厳しい数字が並んでいるという印象です。
でも唯一「お?」と思えるのが『ポルシェはすでにICEテクノロジーに関するプロジェクトと製品の再調整、優先順位の変更を開始している』というところかな。
もちろん、ポルシェは自分たちの好き勝手な思いで好きで電気化に向かったわけではないので(法規制云々)手放しで「やっぱりICE中心で行く~」とはならないでしょうが、それでもすでに「変更を開始している」というところはICE好きな皆様(私含む)には嬉しいお知らせなのかな^^?
何にしても、ポルシェが世界中の多くの方に愛され続ける素敵なブランドとして継続され、そして素晴らしい車たちを提供し続けてくれることを願います^^
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◆ポルシェAGの2023年1~6月の売上高は204.3億ユーロ(約3.17兆円)、営業利益は38.5億ユーロ(約5,970億円)と順調
◆ワールドワイドでの2023年上半期ポルシェ販売台数(Q1&Q2)