ニュルブルクリンク北コースでの距離は以前までの20.6kmから現在は20.8kmへ
2020年にラースカーン氏がパナメーラでニュルブルクリンクでのラップタイム新記録を更新された時、『現在はニュルブルクリンクの新しい法令に従い、その距離が「20.832キロ」となっている』と書いていました。
この時は「へ~、公式ラップタイムを計測する時の距離が変わったんだ」くらいにしか思っていなかったのですが、その後色々な新しいニュルブルクリンクでのラップタイム更新が出るたびに「え、だから何が変わったの?」と気になってきていました。
先日のポルシェ718ケイマン GT4 RSのニュルでのタイムの発表もこれら2つのタイムが出されていましたよね。
気になってしまったが最後、今さらですがきちんと調べてみました。
私以外にも気になっている方がいるかもしれないかと思いましたので、多少なりともご参考になれば嬉しいです^^
ニュルブルクリンク 北コースとは (Nürburgring ノルトシュライフェ/Nordschleife/グリーンヘル/Green Hell)
こちらがまずニュルブルクリンクの公式サイトに掲載されているニュルブルクリンクの全体図です↓
このうち各車メーカーさんがそれぞれが持つ車で、ニュルブルクリンクでのラップタイムを計測する際には、この中でも北コース(ノルトシュライフェ)と言われるところを利用。
そのニュルブルクリンク北コースのみを抜き出してみたのがこちらの図↓
今までのニュルブルクリンク北コース 20.6kmコース (短め)
この北コースでの公式ラップタイムを計測する際に、以前まで(いつからかの公式な記録が書かれていないのでわからずですが2020年頃まで?)の全長20.6kmとして計測されていたコースが、以下の紫色っぽい色にしてある部分です。
★追記★
コメントで『2019年初頭にはFWD車の量産最速合戦をルノーが巻き返した折に距離が違うとゴタゴタしていた』と教えて頂きましたので、そうすると2019年初頭くらいにニュル計測距離が変わったものと思われます。情報ありがとうございました^^
これを良く見てみると、下の方に少しだけ紫色が抜けて赤色になっている部分があります。わかります?↓
ニュルブルクリンク北コース T13はSabine-Schmitz-Kurve (ザビーネ・シュミッツ・カーブ)に名称変更
この赤いところ辺りが以前までは「T13」(Tribune 13)と言われていて、今では「SABINE SCHMITZ KURVE」と新たに命名された場所。
2021年3月に亡くなられた女性レーシングドライバーであるザビーネ・シュミッツさんに敬意を表し、彼女の名前をこのT13のところの新しい名とするということが2021年6月18日に発表されています。
Sabine-Schmitz-Kurve on the Nordschleife!
— Nürburgring (@nuerburgring) June 18, 2021
➡ Highest honour for "the ambassador of the Nürburgring".
➡ First corner on the Nordschleife receives her name
➡ Schmitz grew up a few metres away - in Nürburg
➡ Official ceremony: 11 September, 6h race Nürburgring Endurance Series pic.twitter.com/J4FTBL2PPI
ここからのスタート、そしてそこへ入る部分の手前までの距離である20.6kmが今までのニュルブルクリンク北コースでの公式ラップタイムでした↓
※ちなみに正確に書いておくと、1983年5月28日に初のニュル北コースでの計測が始まったと記録されている時からしばらくは、このT13も含めた20.8kmでの計測となっていた時期もあります。
現在のニュルブルクリンク北コース 20.832kmコース
そして今まではこの上記の20.6kmというものがニュルブルクリンク北コースでの公式ラップタイムを記録する時の距離となっていたのですが、現在では(少なくとも2020年以降では)、このT13またはSABINE SCHMITZ KURVEと呼ばれる部分が飛ばされることがなくった、北コース全体を走って計測するタイムが「ニュルブルクリンク北コースでの公式ラップタイム」として採用されることになったのです。
その距離20.832km。
今までとたった約200mの違いではありますが、速度が速い車たちにとってのその「200m+」の距離が作り出すタイム差はかなりの違いをうみ、それはとても重要な比較数値となります。
ニュルのラップタイム計測距離の昨今の違いはこの約200m部分が入っているか、入っていないのかの差の話であったわけなのですが、どの部分が変わったところだったのかが今回良くわかって納得することが出来ました^^
今後はこの約20.8kmの方で統一されていくことになるわけで、ニュルブルクリンクとしても北コースを1周きっちりまわった時のラップタイムとなった方がわかりやすくて良いのかもしれませんね。
といっても、まだまだこの20.8km計測が浸透しきっていない&過去の短い距離でのタイムと比較すると数値だけみて「遅い」と思われてしまうことから、今でもまだ現在&短い距離での2つの計測数値が公表されるという流れになっているようです。
一般人向けのニュルブルクリンク北コース BTG 19.1kmコース
さてさてあともう1つ、こちらのニュルブルクリンク北コースには「BTG」と呼ばれる19.1kmでの計測距離も存在しているそう。
それが何かというと、メーカーなどによるオフィシャルなラップタイム計測ではなく、個人がこのニュルブルクリンク北コースに遊びに行った時の話になるのですが、そういう一般の人は最後の『Döttinger Höhe』と呼ばれる直線部分を走ることが出来ないそうなのです。
Döttinger Höheはこちらの地図でいう赤い部分↓
よって、一般人がニュルブルクリンク北コースでご自身のラップタイムを計測したい場合にはこちらのBTGと呼ばれる最後の直線を抜いた19.1kmでの計測値とすることが多いのだとか。
なるほど~。
ちなみになぜBTGと呼ばれるのかというと、それはBridge to Gantryの略であって、この最後の直線にはいるブリッジから、橋の終わりのGantryと言われるところまでを抜いた全体像を指すということでのBTGとなっているそうです。
はぁ、すっきり^^
出典:
◆ ニュルブルクリンク公式サイト
◆ Bridge toGantry
◆ FAQ Nürburgring Nordschleife
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