マイアミ高級建物の沈下問題
2014年にアメリカのフロリダ州はマイアミ北部に建てられた『ポルシェ・デザイン・タワー』。
これはポルシェデザインが手掛けた高級マンション(コンドミニアム)で、各ユニットに専用のエレベーターがあり住人は自分の愛車を直接住居階のガレージまで運ぶことが出来るDezervatorという仕組みを備えている、車愛好家向けの設計が施されたタワーです。
とてもステキな高級物件なわけですが、新しい研究によるとこのマイアミ北部にそびえたつ高級コンドミニアムが連なっているエリアが予想外の速度で沈んでいるとのことで、その沈んでいるエリアにこのポルシェデザインタワーも含まれているとのこと。
近くにはアストンマーティン、ベントレー、メルセデスベンツ、さらにはパガーニなどの自動車メーカーが手掛けるレジデンスなども(近日オープンするものを含める)。
研究をされているのはマイアミ大学で、このエリア(Sunny Islesビーチとその周辺の海岸沿い)の35棟の建物が2016年から2023年の間に最大3インチ(7.62㎝)沈下したとのこと。
今回沈下が確認されたエリア内にはポルシェデザインタワーの他、リッツカールトンレジデンス、トランプタワー2棟なども含まれるそう。
ちなみにこの場所からわずか数キロ先のフロリダ州サーフサイド(Surfside)で12階建ての住宅タワーの一部が2021年に崩壊。→これは古いビルであったので劣化も指摘されていて沈降だけが原因とはされていないようですが、これ以降海岸沿いの高層住宅の構造的安全性が再評価されるようになっているとのこと。
マイアミ大学の地球物理学者である今回の研究論文の主任著者であるFalk Amelung氏いわく「海沿いの建物のほとんどはかなり沈下している」。
研究者の方々は地盤沈下(または沈下する土地)を1インチ(2.54cm)未満の単位で測定できる衛星画像を確認し、今回のケースでは0.8~3インチ強(約2.03cm~7.62cm)の沈下を確認。
とはいっても、現時点においてこれら沈下は必ずしも心配するほどのことではないと言われているそうで、またどの建物にも構造上の問題の報告もないとのことなのでとりあえずは良かったですが、でもなんだかこういうことを聞いてしまうと住んでいる方は怖くなっちゃいそうですね。
でも一般的に10年前とかに建てられたばかりの比較的新しい建物の多くは完成後何年も経つと、その重さで自然に少し沈むそうなので設計段階で考慮されている沈下であれば問題ないですね^^
…と、言いつつ研究者の方々はそれでもこの状況を注視し続けているとのことです。