eFuelsへの投資によって、ポルシェの電動化計画は注目されるところ
ポルシェは段階的に車のラインアップたちを電動化し、2030年までに販売台数の80%を電気自動車にする計画である…というのは、今までも何度かポルシェが発表されてきた通り。
今回そこにさらにAutomotive News Europeなどが報じたところによると
『ポルシェを象徴する911モデルのみを、現存する唯一の内燃エンジンモデルにすることを目指している』
とポルシェ幹部が語られたとのこと。
ポルシェは現在合成燃料(eFuels)への投資と、2035年以降にもガソリンエンジン自動車の販売許可をEUに求めていることから、活動環境家を含めた様々な人たちから注目がされているところ。
これまで最終的に内燃機関モデルを1つだけ(911)にするという計画について概説してこなかったポルシェなわけですが、チリのエネルギー会社であるHIFグローバルに投資をしていることによりeFuelsと密接な関係にあるだろうとのことで、つまりは2035年以降も(現時点の計画においては)911を合成燃料によってICE車として存続させていく可能性が高そう。
2030年にはポルシェ販売台数の80%がEV化、残り20%は911
ポルシェのeFuelsチームのリーダーであるカール・ダムス(Karl Dums)氏によると、ポルシェの計画は今までも言われてきた通りまずマカンを電動化し、続いて718ケイマン、718ボクスター、そしてカイエンを電動化する予定。
そして911モデルは例外であるとされています。
ちなみに2022年度の911販売台数はポルシェ全体販売台数の13%を占めていましたので、それはつまり「2030年までに販売台数の80%を電気自動車にする」と言われているうちの残りの20%が「911」を指していると考えられます。
ダムス氏いわく:
「私達ポルシェの戦略は電動化への切り替えである、そして911については内燃エンジンを搭載したものを可能な限り長く生産するつもりである」
とのこと。さらには
「ポルシェのEV計画と合成燃料への投資は別のものである」
「乗用車はほぼすべて電動化されるため、HIFグローバルの合成燃料は航空業界や大型車両をよりターゲットにしている」
とも。
自動車やビジネスの専門家たちは合成燃料はニッチなハイエンドモデルにのみ使用されるだろうとみており、大手自動車メーカーたちはすでに1.2兆ドルを車のEV化に投資していることからしても、これら大手自動車メーカーたちが2035年以降に新しい合成燃料モデルを作る可能性は低いとみられています。
そして一部の小規模自動車メーカーは現在1リットルあたり最大約12.9ドル(約1,800円)もすると言われる高価な合成燃料を購入できる裕福な顧客に対し、高級かつ高性能な合成燃料モデルを販売したいと考えているとのこと。
ポルシェ911に関してはいずれハイブリッドモデルを用意するとすでにポルシェCEOであるオリバー・ブルーメ氏が公言されていることから、今後何らかの電動アシストが搭載される911も出てくることになるかとは思います(ラインアップの1つとして用意される?)。
それでも少なくともポルシェとしては、ハイブリッドと合成燃料の間でなんとかまだ911を内燃エンジン車として存続させようとされているとのことなので、2030年あたりまでは911はガソリンエンジン車としてのモデルも存在させるものと思われます。
出典:
◆Porsche 911 will be sole survivor of automaker's combustion models
◆Porsche 911 Will Have a Combustion Engine for ‘As Long as Possible’
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◆ポルシェ911ターボハイブリッド
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